お金と仕事
ハロウィーン費用、1.4倍 節約志向と思いきや…引き上げた要因
世間の「ハロウィーンっぽいこと」は近年、変化しているようです。
ハロウィーン、どう過ごしましたか?ハロウィーンといえば、仮装した子どもたちが家々をまわり、「トリック・オア・トリート」と言ってお菓子をもらってまわる風景が当たり前……「だった」ことがデータで浮かび上がってきました。今のリアルなハロウィーンでは、みなさんどんなことをやっているのでしょうか。
ハロウィーン当日の10月31日。我が家の7歳児は通学の道すがら、言いました。
「今日、どこかに行ったらハロウィーンっぽいことしてるかな?」
はて、ハロウィーンっぽいこととは――。
私が子どもの頃は、オレンジ色のビニール袋と黒い画用紙を組み合わせて魔女のマントや帽子を作って仮装し、通っていた英語教室でハロウィーンパーティーをしていた思い出があります。一方、これまで我が家の子どもがしてきたことといえば、保育園に忍者の仮装をしていったことくらい。近所では、親同士が計画し、子どもたちが計画した場所でお菓子をもらって回るなど趣向をこらしたイベントをしていましたが、残念ながら我が家は参加できず。
我が子の言う「っぽい」ことをさせてあげられていないことに気付き胸が痛みました。
世間の「ハロウィーンっぽいこと」は近年、変化しているようです。
調査会社の「インテージ」がハロウィーン前に15歳から79歳の5千人を対象に行った調査では、「今年のハロウィーンの予定」で最多だったのは「限定商品を買う」(39.6%)でした。
10月になると、スーパーやドラッグストアのおかしの陳列棚がオレンジと黒と紫が配色されたパッケージで埋め尽くされるのは定番の光景になりましたよね。
一方、「おかしを配る・もらう」(26.4%)で、コロナ前の水準(33.7%)には戻りませんでした。同社は「感染予防対策、人との付き合い方の見直しといった、数年に及ぶコロナ禍で定着した行動の影響が垣間見られました」と分析しています。
今年6月にコロナが5類に移行した影響も数字で可視化されました。「イベント開催中のテーマパークへ行く」が16.4%まで回復。5類移行後、テーマパークの入場規制が緩和されたことが関係したとみられ、コロナ禍での落ち込みから6.9ポイント上昇しています。
インテージのアナリストの依田亜矢香さんは、「イベント開催中のテーマパークへの思いは自由記述欄に多くの書き込みがあり、「入場料値上げもなんのその、『長年実現できなかったことを楽しみたい!』といった気合いに近い思いがひしひしと伝わってくるようでした」とコメント。
「コロナ禍の経験から『またいつ行けなくなるか分からない』という不安感も、余計に各パークでの体験をプライスレスなものとして昇華させている要因かもしれません」としています。
ここ最近の物価高は、ハロウィーンには影響しているのでしょうか。
「ハロウィーンにかける費用」を聞いた結果は、2021年比で1.4倍となる、5620円。
物価高で節約志向が高まるかと思いきや、それとは逆の結果が出たことについて、インテージのアナリスト森恵美子さんは、「ハロウィーンにかける費用が増えた層は、ハロウィーンの予定に『ハロウィンイベント開催中のテーマパークに行く』『自分や子ども・ペットが仮装・メイクをする』を選んだ割合が高くなっており、予算を引き上げた要因となっていると言えます」とします。
森さん自身もハロウィーンのイベントを実施しているテーマパークに行ったそうで、「平日にも関わらず、学生や仮装をして楽しむ人も多く、かなり混雑しており、まさにV字回復を実感しました」と話します。
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