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実は食中毒が多い10月 レジャー時の食事「黄色ブドウ球菌」に注意

おにぎりは弁当の定番だが……。※画像はイメージ
おにぎりは弁当の定番だが……。※画像はイメージ 出典: Getty Images

目次

食中毒といえば夏のイメージがありますが、実は秋、特に10月は1年のうちでも食中毒の発生件数が多い月です。レジャーに出かけて外で食事を取る場合などに、食中毒の原因になる黄色ブドウ球菌について、内閣府食品安全委員会が先日、注意喚起をしました。中にはおにぎりのNGな“握り方”も。その内容を紹介します。(朝日新聞デジタル企画報道部・朽木誠一郎)
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実は10月は食中毒が“最多”

実は10月は食中毒の多い時期です。厚生労働省「食中毒発生状況」によれば、2018~2022年の5年間の月別平均発生件数は10月が最多。これは日中の気温が高い日もあり、キャンプ、バーベキュー、キノコ狩りなど、食中毒のおそれのあるレジャーが盛んだからとみられています。

さまざまな原因がある食中毒ですが、このうち野外で食べる弁当などの食中毒の原因になりやすい黄色ブドウ球菌について、10月中旬、内閣府食品安全委員会が注意喚起をしました。
黄色ブドウ球菌はヒトの周りの環境中に広く存在する菌。同会はその感染経路について「人の手やのど、特に切り傷や化膿巣に大量に存在しています」「素手で食品を触るなどにより付着し、菌が増殖して産生した毒素(エンテロトキシン)を食品と一緒に取り込むと食中毒が起こります」と説明します。

症状は、食後0.5~6時間(平均3時間)と短い潜伏期間で、吐き気、嘔吐、腹痛などが現れ、下痢を伴うこともありますが「一般に高熱は出ません」(同委員会)。症状は個人差があるものの「通常1~2日で回復します」ということです。

国内で食中毒の発生が多い食品は「にぎりめし、寿司、肉・卵・乳などの調理加工品および菓子類」など多岐にわたります。
 

「付けない」「増やさない」

気をつけなければならないのが、その毒素です。黄色ブドウ球菌自体は加熱により殺菌できますが、産生したエンテロトキシンは熱に強く、通常の加熱調理では毒性を失いません。

そのため、食品に黄色ブドウ球菌を「付けない」「増やさない」ことが予防のために重要になります。特に、弁当を持って出かけたり、それを野外で食べたりする場合には、以下のことに気をつけるよう、内閣府食品委員会は注意喚起しています。

なお、弁当の定番であるおにぎりは、食中毒予防の観点からは、素手でなくラップやビニール手袋を活用するのがよいということでした。

【「付けない」ための対策】

・調理前、トイレ後は、手指を必ずよく洗う。
・包丁やまな板など調理器具はよく洗う。
・手指に切り傷や化膿したところがあるときには、素手で食品に触れたり、調理をしたりしない。
・おにぎりを握る際も、ラップで包んだり、ビニール手袋を着用したりして握る。

 【「ふやさない」ための対策】

・作った料理は早めに食べ切る。
・すぐ食べないときは、速やかに冷蔵庫に入れて、10℃以下で保存する。
・野外の場合は、保冷バッグなどで保存する。

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