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サライ、いい日旅立ち、昴…歌い継がれる谷村新司さんカラオケ1位は
シンガー・ソングライターの谷村新司さん(74)が8日に亡くなりました。数々の名曲は世代を超えて歌い継がれています。カラオケ店「ビッグエコー」などを展開する第一興商に、過去1年間で歌われた谷村さんの曲トップ10を聞きました。谷村さんが歌に込めた思いやエピソードとともに紹介します。
「チンペイ」の愛称で親しまれた谷村さんは1948年、大阪府生まれ。高校時代に結成したフォークグループ「ロック・キャンディーズ」が人気を集め、別のバンドにいた堀内孝雄さん(ベーヤン)を誘って71年に「アリス」を結成し、翌72年「走っておいで恋人よ」でデビューします。ドラムの矢沢透さん(キンちゃん)も加わり3人で活動しました。
ランキングは、第一興商の通信カラオケ「DAM」のデータから、谷村さんの曲と「アリス」の曲に加え、谷村さんが作詞または作曲した曲を対象に、2022年10月から23年9月までの1年間に歌われた上位10曲を調べました。
まずは10位から5位です(曲名後の括弧内は歌手、発売年)。
10位の「冬の稲妻」は、谷村さんが作詞、堀内さんが作曲をしました。曲作りの裏側について谷村さんはこう語っていました。
6位に入った「群青」は、親より先に逝った子への鎮魂歌です。そこには「愛」が込められていました。
次に5位から1位です。
作詞作曲を手掛けた「チャンピオン」は、一夜にして書き上げたといいます。
「遠くで汽笛を聞きながら」を作詞していた頃は「年間300回ステージぐらい」やっていたという多忙なときでした。
「チャンピオン」の2年後にソロで発表した「昴」は国境を越え、アジアの人々にも広く歌われます。
谷村さんはアジア諸国を公演で巡りました。特に日中の文化交流に大きく貢献します。日中国交正常化10周年を祝うコンサートを始め、中国で何度もその歌声を響かせました。
「サライ」は「24時間テレビ」(日本テレビ系)のテーマ曲として、加山雄三さんとともに作った曲です。放送中に視聴者から送られてくる詞をまとめ、曲を作る企画でした。加山さんは、谷村さんと取り組んだ曲作りを後にこう振り返っています。
1位は、谷村さんが作詞作曲し、山口百恵さんに提供した「いい日旅立ち」でした。当時の国鉄のキャンペーンソングとして、レコード会社から作詞作曲の依頼を受けたものでした。卒業式ソングとしても知られ、学校などでも広く歌われました。
2014年3月の朝日新聞の記事では、山口さんとのこんなやりとりを明かしていました。
続けて、歌詞に込めた思いやその歌われ方についてこう話していました。
上位10曲はいずれも30年以上前に発売された曲ですが、今でもすぐに口ずさめる曲ばかりです。谷村さんの曲が長く愛され、歌い続けられてきたことが伝わってきます。
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