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9歳が作る〝木彫り〟の「ピザ」 まるで本物!「とろ~りチーズ」感
「小学生とは思えない」とSNS絶賛
毎年夏休みに作る〝食べ物〟の木彫り作品がまるで「本物」で、多くの人を驚かせている小学生がいます。東京都に暮らす4年生の「いっちゃん」こと、いつきさん(9)。出品した木工コンテストを訪れる人の中には、「あの子の作品はどれ?」とスタッフに尋ねる人もいたそうです。いつきさんの新作「ピザ」も、とろ~りとしたチーズ感で多くの視線を集めていました。
2年前の夏休み、地元で開かれるコンテスト「夏休み木工チャレンジ」に出品するため、木彫りを始めたいつきさん。2年生の夏休みに作った「バターしみしみパン」がSNSで紹介されると、「天才か!」「もはや食品サンプル」と話題になり、25万近い「いいね」を集めました。
3年生の夏休みに作った「ちょっとやきすぎちゃったアジ」(アジの開き)も、骨やしっぽなど細部までこだわり、本物のような仕上がりに。多くのwebメディアに取り上げられ、SNSでも注目されました。
今年、4年生になったいつきさんが作ったのは、「ピザにハチミツがかかってるやつ」(ゴルゴンゾーラのピザ)です。
直径21.5センチの「ピザ」が六つにカットされ、そのひとつが持ち上げられたように曲線を描いています。「チーズが伸びる様子を表現したい」と、初めて動きのある作品に挑戦しました。
SNSには、「チーズがまじチーズ」「小学生の作品とは思えない出来栄え」「木目や木の質感の活かし方がすごい」というコメントが寄せられています。
8月下旬に開かれた木工チャレンジでは、いつきさんのこれまでの作品を知る来場者も多く、「去年の『アジ』の子の作品はどれ?」とスタッフに尋ねる人もいたといいます。
木工チャレンジ実行委員長の髙木聡さんは、いつきさんの「バターしみしみパン」が出品された翌年から「食べ物のリアルな作品が増えた」と感じています。
「これまでも子どもたちは自由な発想で作品を作っていましたが、『同じ小学生がこんなすごい作品を作れるんだ!』と多くの子が刺激や影響を受けたのだと思います」
「ピザ」の制作期間は約3週間。コロナ禍で外出が制限されていた過去2年の夏休みより制作時間は短かったものの、提出日の朝まで細部にこだわり調整しました。
使った材料や道具は、ホームセンターで購入した四角い木とコンテスト用の木工キット、のこぎり、電動工具、紙やすり、ボンド、ニス、アクリル絵の具、水彩絵の具などです。
ピザを平面ではなく浮かせて表現するため、木と木を貼り合わせて高さを出し、削ったり、彫ったりして動きを出しました。
生地の凹凸(おうとつ)はなめらかに削るように意識し、ハチミツのつや感を出すために使ったニスは、焦げの部分には塗らずに質感にこだわったといいます。
「ピザが伸びているところを作るのは楽しかったけど、持ち上げているピースの裏面は彫るのが難しかった」といつきさんは話します。
チーズの動きを出すために参考にしたのは、SNSで出会った木彫り作家・キボリノコンノさん(@kibori_no_konno:以下コンノさん)の「チーズトースト」です。
「去年からピザを作りたいと思っていたけど、動いているほうがおいしそう」と考え、コンノさんの作品からヒントを得ました。
木彫りながら動きのある作品を数多く発表しているコンノさんは、いつきさんが「師匠」と慕う憧れの存在。しかし、そんな「師匠」も、いつきさんから「ピザを持ち上げる様子を作りたい」と聞いたときには、「どう表現するのか、僕の中でもイメージがなかった」と振り返ります。
「『チーズ』が木と木をつなげる役割になるので、強度を持たせないといけません。でも、チーズが分厚すぎるとたれた感じをうまく表現できなくなります。削る量も相当多いため、削っている間に折れてしまったらおしまいというリスクもあります」
「チーズだけでつなげて、浮いているように見せるのは相当難しい。生地がなめらかで動きがあるところもすごいです。まいったなという気持ちですよ」と大絶賛です。
コンノさんの感想を聞き、はにかんだいつきさん。「焦げやブルーチーズの色はよくできた」というものの、全体的には自己評価は厳しめの「60~75点くらい」だといいます。
次の目標は、「中華料理」の作品を作ることだそうです。
@withnews 小学生クリエイター・いつきさん@1ch.wood_carving の〝木彫り〟の「ピザ」がすごすぎた 師匠はキボリノコンノさん@kibori_no_konno ♬ オリジナル楽曲 - withnews
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