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BRDOCK、VOISING…何の会社? 若者があこがれる経営者
トップ10に入った経営者の企業に共通するのは
「BRDOCK」「VOISING」――。先月、若者に人気のキーボードアプリ「Simeji」の運営会社バイドゥが10~24歳に「あこがれの経営者」を調査しました。「BRDOCK」「VOISING」は、その1位と2位の経営者が代表を務める企業です。アンケート結果から見える若者像とは。
バイドゥは8月9日から16日にかけて、10~24歳の636人を対象にアプリ上で「あこがれの経営者」を調査しました。
複数の選択肢を設定し、一つを選ぶ形で投票を行いました(「その他」の自由記述欄もあり)。その結果、1位に選ばれたのが、人気YouTuberグループ「コムドット」の運営会社であるBRDOCKの社長であり、コムドットのメンバーでもあるやまとさん(103人)。2位がアイドルのサポートやライブ制作などの事業をてがけるVOISINGの代表・ないこさん(66人)でした。ないこさんは歌い手グループ「いれいす」のリーダーも務めています。
今年36歳になった記者ですが、社会人歴が長くなってきた私たちの世代が想像する「あこがれの経営者」の候補にあがりがちなのは、歴史のある企業や、上場企業、グローバル企業の経営者。一方、今回の1、2位の結果は、大変お恥ずかしながら社名を聞いて何の会社かパッと頭に浮かべることができませんでした。
この結果についてバイドゥの担当者は「やまとさんも、ないこさんも、Z世代なら誰でも知っている有名人で、Z世代らしい結果」としつつ、「一方で、ただ『かっこいい』という単純な理由だけではなく、エンタメの最前線で現役で活躍しながらも企業の社長としても責任を持ち苦労する姿に尊敬のまなざしを向けているのではないか」と分析します。
アンケートで集まった声の中にも「YouTuberと社長の二刀流になりたい」 「歌い手もやっているのに歌い手グループの会社を作って社長までやって本も書いて、色々スゴすぎる」などと、「二刀流」を評価する声がありました。
1、2位が大人世代にとってピンと来にくい会社だったのに比して、3、4位は歴史ある企業の経営者でした。
3位は1889年創業の任天堂・古川俊太郎社長、4位は1960年創業のサンリオ・辻朋邦社長でした。
「2社は従来型の企業のように見えますが、Z世代にとっては神的な存在です。経営者の名前は知らずとも、多くのZ世代が任天堂のゲームで遊んだ経験はあるでしょうし、サンリオのハローキティを知らない人はいないのではないでしょうか」と、バイドゥの担当者はコメントします。
「グローバルにも展開しており、日本だけでなく世界中から愛されているコンテンツを作ったという点にもZ世代は注目しているのかもしれません」
ランキングの5位以降は、滝沢秀明さん(TOBE)、城島茂さん(TOKIO)、前澤友作さん(前澤ファンド)、ヒロミさん(ビィー・カンパニー)、島村恒俊さん(しまむら)、小栗旬さん(トライストーン・エンタテイメント)と続きました。
今回のアンケートを通じて、若い世代にとって「あこがれの経営者」はどんな存在に映っていると感じたのか、バイドゥに聞きました。
担当者は「誰もが知っている一流のコンテンツを生み出す経営者になるまでの挫折や苦労、厳しさを見透かしたうえで、成功するまでストイックに努力し続ける戦略家たちを尊敬しているのかもしれません」とした上で、「TOP10にランクインした企業が提供するエンタメやコンテンツは全てZ世代が馴染みのあるものばかり。日常でお世話になっている経験もあるため、感謝の思いもあるかもしれません」。
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