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「身を挺して落下を……」 段ボールについた〝顔面〟?に感謝の声

「リスペクトは忘れずにいたい」との声も。

丸越アピタ名古屋南店が投稿した画像
丸越アピタ名古屋南店が投稿した画像 出典: 丸越アピタ名古屋南店の投稿より

目次

「ドライバーさんが顔面で荷物の落下を防いでくれたであろう荷物を見てください」――。
名古屋の漬けもの店の、X(旧ツイッター)への投稿が話題になっています。添付されたダンボール画像には、顔……?! 梱包材であるダンボールに傷や汚れのある荷物が届いたら、みなさんはどう思いますか?

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配送業者をねぎらう声、続々

「どなたか段ボールの角が潰れて怒っているみたいですが、ここでドライバーさんが顔面で荷物の落下を防いでくれたであろう荷物を見てください」という文言とともに、ダンボールに「顔型」?がついた写真を投稿したのは、漬けもの店「丸越」のアピタ名古屋南店の公式アカウントです。

数日前に投稿され、様々な議論が巻き起こっていた、配送された段ボールの角がつぶれていたことに苦言を呈する内容の投稿(当該の投稿は現在削除)へのアンチテーゼとして投稿されたものです。

5万件以上の「いいね」がつき、「自分がやれないことを代わりにやってくれる方へのリスペクトは忘れずにいたい」「今日も配達員のみなさんにありがとう」と配送業者をねぎらう声や、配送業者とのやりとりを思い出す声などが寄せられました。

高価で柔らかいものも…「毎日の業務で理解、がんばってくれた」

丸越アピタ名古屋南店の代表によると、同店はスーパーの食品売り場内に展開する店舗。そのため、荷物はスーパーに届けられる他の荷物と一緒に、企業間輸送として運ばれるものです。

投稿した写真の箱を見た時、「身を挺して落下を防いでくれたんだな」と感謝の気持ちがわいたといいます。

というのも、同店で扱う漬けものの中には紀州梅など高価かつ柔らかいものも多くあります。代表は「ドライバーさんは毎日の業務の中で『崩れてはいけないもの』が含まれていると理解してくださり、がんばってくれたんだなと思います」。

代表によると、同店で扱う漬けもの類のほとんどが「冷蔵」で届きます。そのため、気温変化や湿度の影響で、段ボールが崩れやすくなっているのではと感じています。どこかのタイミングで崩れたのではと感じる荷物もありますが、「事故は起こるもので、仕方ない部分なのかな」と話します。

丸越アピタ名古屋南店で販売された「キレイこんにゃく紀州梅」
丸越アピタ名古屋南店で販売された「キレイこんにゃく紀州梅」 出典:丸越アピタ名古屋南店のアカウント

大量の荷物、時間内に……

配送中、意図せぬ事故があったときに「中身」を守る役割を果たしている、段ボール。代表も「僕らの業務での段ボールの役割は『中身の破損を防ぐ緩衝材』の役目も担っている」と認識しています。

「外見も綺麗な状態で届くに越したことはないですが、発送用の段ボールは配送業者の業務内では、相当ちぎれたり穴があいたりして中身に被害が出たりしない限りは仕方ないと思っています」

今回の投稿についたコメントも、「ほとんどが『配送者グッジョブ』という感じでホッとしている」と話します。

「毎日、これだけ大量に荷物が動いていて、しかも時間内に必死に荷物をしっかり運んでくださるドライバーさんの努力がみなさんに少しでも伝わったかしら、と思っています」

ドライバーの働く環境を巡っては、「2024問題」が課題とされています。2024年4月以降、自動車運転業務の時間外労働時間を960時間とする規制が設けられることによって生じる諸課題の総称です。写真はイメージ=Getty Images
ドライバーの働く環境を巡っては、「2024問題」が課題とされています。2024年4月以降、自動車運転業務の時間外労働時間を960時間とする規制が設けられることによって生じる諸課題の総称です。写真はイメージ=Getty Images

中身無事でも、買い取り求められる現状

トラックドライバーへの取材経験も多くある橋本愛喜さんは「やさぐれトラックドライバーの一本道迷路 現場知らずのルールに振り回され今日も荷物を運びます」(KADOKAWA)内で「段ボールは梱包材か商品か」と問いかけています。

ここで橋本さんは「宅配」か「企業間輸送」かによって少し状況は異なるとしつつも、基本的には段ボールは梱包材であるという認識です。現場では、中身は無事でも段ボールの傷を理由に、ドライバーが買い取りを求められることもあるのだといいます。

《何千歩か譲って、宅配の場合は「個人の所有物」であるからある程度そういうクレームが発生しても事情を汲む余地はあるかもしれない》

《(企業間輸送についての記述)末端の消費者に出す商品でもないのに、少しでも梱包材に傷がついていたらクレームになるというのは、もはやトラックドライバーへの「いじめ」でしかない》

「やさぐれトラックドライバーの一本道迷路 現場知らずのルールに振り回され今日も荷物を運びます」(KADOKAWA)より引用

このようなことが起きる背景について橋本さんに取材した際、橋本さんは「(ドライバーが)文句を言うと、荷主から『だったら別の運送屋さんに頼むよ』と言われちゃうような超縦社会がある」と指摘していました。

一方、丸越アピタ名古屋南店の代表は、自分が送り主となった場合の責任についても言及。

「こちらから発送する場合は、商品に影響がないように箱を二重にしたり、緩衝材をすき間なく埋めたり、運送業者に注意喚起をするなどして発送しています」

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