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#62 どうぶつ同好会
水嫌いなアルマジロが水浴びするワケは 飼育員がシャワーかけても…
「水が嫌いだと思ってた」「びっくり」――。そんな感想が寄せられて話題になっているのが、大分市の水族館「うみたまご」のアルマジロの水浴び動画です。野生では乾燥した草原にすむというアルマジロ。飼育員に話を聞きました。
パシャパシャ、クルクルと水の入ったケースの中で激しめに水浴びをするアルマジロの動画が話題になりました。何ともかわいらしい姿で、見ているこちらも癒やされます。
SNS投稿には、「アルマジロの水浴び初めて見た」「水浴びするんですね。びっくり」「勝手に水を嫌う動物かと思ってた」などとコメントが付いています。
この動画を投稿したのは、大分市の大分マリーンパレス水族館「うみたまご」。水族館ですが、2匹のアルマジロを飼育しています。名前は羊一くん(オス)とヤシ子ちゃん(メス)といい、水浴びの動画に登場しているのは羊一くんです。
水浴び動画がもう1本ありました💁
— 大分マリーンパレス水族館「うみたまご」 (@umitamago_staff) July 27, 2023
※Instagram掲載済みの過去動画です#お散歩アルマジロ pic.twitter.com/Ag8gH29mo8
ムツオビアルマジロという種類で、どちらも10歳くらい。8年ほど前に動物研究家の人から譲り受けたそうです。
うみたまごによると、アルマジロはもともと南米のブラジルやボリビアに生息しています。草原で穴を掘って巣を作ります。雑食なので何でも食べます。
うみたまごでは、ハリネズミ用のペレットや、オレンジ、パプリカ、芋類といった果物・野菜を与えています。たまに、館内の植え込みに生えている植物の葉をかじったり、砂場を掘ってミミズやアリを食べていたりすることもあるそうです。
野生では乾燥した草原地帯にすむアルマジロですが、うみたまごのアルマジロは楽しそうに水浴びをしています。飼育員の桑野涼さんは「体がほてって暑そうなときに水浴びをしています。シャワーの冷たい水も気持ちいいんでしょうね」と推測します。
もともと週に何度か、体が汚れたときにシャワーで洗ってあげるそうですが、「そのときはめちゃめちゃ嫌がっています。水自体は好きじゃないのかなと思います」と桑野さん。
水浴びは毎日ではないそうですが、夏の暑い日や、体を動かした直後などに自ら水場でクルクル回って体を冷まそうとしているようです。10月ごろまで、水浴びをする姿を見ることができそうだといいます。
また、運動不足解消のために、1日に30分から1時間ほど、リードをつけずに館内を散歩させているそうです。桑野さんは「時間も場所も気まぐれですが、運が良ければ、散歩するかわいい姿も楽しむことができます」と話しています。
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