花火を楽しむ人も多い夏。しかし、花火のようなアクティビティには特に小さい子どもの事故もついて回ります。3歳以下の子どもの事故が多く発生し、衣服に着火した事例などについて、国民生活センターが注意を呼びかけています。どのような対策があるのか、まとめました。(朝日新聞デジタル企画報道部・朽木誠一郎)
夏の風物詩である花火を、公園や河川敷などで楽しむ姿が、よく見かけられるようになりました。
一方で、花火などのアクティビティでは、特に小さい子どもの事故が起こりやすくなるため、消費者庁は8月中旬、「特に子どものやけどには注意して、安全に花火を楽しみましょう」と注意喚起をしました。
花火では、向かい風のときに火花が体に降りかかったり、濡れたコンクリートに火球が落ちて爆(は)ぜたり、燃えカスがついて洋服などに着火したりする事故のリスクがあるとして、警戒を呼びかけています。
センターと消費者庁が共同で行う医療機関ネットワーク事業に寄せられた事故情報によると、花火で遊んでいる際にやけどを負ったケースが、2018年度から2022年度までの5年間に60件、寄せられているということです。
事故に遭った被害者の半数以上は1~3歳児と、年齢による傾向がみられました。また、中には着ている服への着火を伴う事例もありました。
<公園で花火を実施中、手持ちの花火が着火した瞬間に驚き、花火を振り回して左腕に花火が貼り付いた。>
<花火で遊んでいる最中に花火の火をつかもうとして受傷。>
<保護者が一瞬、目を離している隙に左足の靴に火の粉が移り、燃えていた。>
<花火を振り回し、直後に風で火花がスカートに飛んで着火し、燃え上がった。>
<線香花火の落ちた球を右手の指で触れてやけどした。>
<手持ち花火が終わって下に落ちていたものを触って右手に受傷。>
国民生活センターは、花火による3歳以下の子どもの事故が多く発生していることから、「取扱説明書に従い、3歳以下の子どもに花火を持たせることは避け、距離を置いて見せるなどして花火を楽しみましょう」としています。
また、肌の露出が多い服装や履物、裾の広がった服装で花火をさせる際には注意が必要。花火の風下には立たせないようにして、風が強い場合は遊ばせないよう呼びかけます。
そして、消火用の水を用意するなどの準備も徹底するように、と指摘します。熱が下がったように見える燃えカスでも高温の可能性があるため、「花火が消えたらすぐに水につけましょう」と注意喚起しています。