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〝BUMP愛〟デザイナーのファッション観 Adoコラボで見えたもの

生き様こそが最高のファッション

ha|za|maのデザイナー、松井諒祐さん
ha|za|maのデザイナー、松井諒祐さん

目次

パンプスのヒール部分に手や銃のモチーフが用いられ、一目見てその造形に驚かされるパンプスなど、SNSで拡散されることもあるファッションブランド「ha|za|ma」。「見えないものを見ようとして見上げた夜空のシャツワンピース」「ニートニット」など、特徴的な商品名をつける狙いや、ファッションへの考えを、デザイナーの松井諒祐さんに聞きました。

「BUMPに影響されて…」

 ――前回は、「惹きずり込まれる運命のヒールパンプス」誕生の舞台裏や、SNS戦略について聞きましたが、商品のネーミングも特徴的ですよね。そもそも名前のついた服って、あまり出会ったことがありませんでした。どんな意図があるんですか?
 一番最初に名前をつけたのは「大人に向けたセーラー服」でした。スウェット地でつくられているので、普通だったら「スウェットセーラー」みたいな名前になりますよね。
 単純に、デザインを説明する言葉を商品名にするとわかりやすいなと思ってつけています。愛着もわきますしね。

――名前はどう決めているんですか。
 半分くらいは、「こういうテーマで作ろう」と、作り始める時点でつけています。そうじゃないときは、できあがった物をみて、この服から感じ取れるものは何だろうかとか、どんな想いからつくり始めたんだろうとか、しっくりくるものを探していく感じです。

 あと、BUMP(BUMP OF CHICKEN)ももちろんそうですけど、音楽は曲名つけるじゃないですか。じゃあ、逆に服に名前つけない理由もないじゃんと。

――ここでもBUMP愛が。
 そもそもBUMPに影響されて物作りを始めているので。
 学生時代から、「BUMPみたいに何かを作って生きていくのはかっこいい」と思っていました。それが人に受け入れられて仕事になっているってすごくやりがいに満ちていて、楽しそうだなと。でも僕は歌は歌えないですし。でも、服は好きだなっていうことで、大学4年のときに服飾の専門学校に進学することを決めました。

「大人に向けたセーラー服」=ha|za|ma提供
「大人に向けたセーラー服」=ha|za|ma提供 出典: ha|za|ma提供

どの世界観の中でもなくならない「個性」

――松井さんのファッション観についても、うかがってみたいです。
 身も蓋もない話ですが、ファッションでは「何を着るか」より、その人の生き様が大事だと思っています。要するに、藤くん(BUMP OF CHICKENのギターボーカル・藤原基央さん)がデニムとカットソーだけでもめちゃくちゃかっこいいのは、生き様という裏付けがあるからかなと。
生き様こそが最高のファッションです。

 あと個性の話ですが、例えばロリータな世界観が好きな人がいたとして、ロリータの格好をそのまま取り入れることが個性を発揮することだとは思っていません。「自分のフィルターでロリータを見るとこうなります」というのを示すことが個性だと思うんです。だから個性を追求したいと思ったら、どの世界観に入っていってもなくならないものを探せばいいと思っていて、この考え方は自分のデザインにも通ずるものがあります。
 そして僕自身、自分の個性を知るために創作活動を続けているという節もあります。だからこそ、ha | za | ma のブランド名の由来の一つでもある、「あらゆる世界の狭間」に入っていきたいんです。

 本当の個性っていうのは、(様々な経験をするなどして)相当な分母を通らないと絶対見えてこない。
 最近になって僕は少しずつ「自分の中にある、確かになくならないものや変わらないもの」が少しずつ鮮明に見えてきました。でも、あまのじゃくなので「わかりたくない」みたいなのもありますが。

 ――最近、歌手のAdoさんとのコラボもありました。コラボすることが、個性を見つけていくということにもつながりますか。
 表現したいテーマはずっと探していて、(個性がすでに強いコンテンツと)コラボさせて頂くと逆に ha | za | ma ってこういう良さがあるよなというのも見えてくる。コラボを経ることで、自分や ha | za | ma の練度が上がっていく感じがしています。

「惹きずり込まれる運命のヒールパンプス」
「惹きずり込まれる運命のヒールパンプス」

思い切ったファッションをきっかけに

――松井さんのファッション観はどうやって形成されたんですか。
 そもそも僕は、大学生になるまでファッションには全く興味がなかったんです。ただ友だちに勧められて色々見ていくうちに、一気にのめり込んでいった感じだったんですよね。でも、そこから「自分をこういう風に見せることもできるんだ」みたいなところに面白さを感じました。

 その経験もあって、ha | za | ma や、ファッションは常に「きっかけ」になってほしい気持ちがあります。

――きっかけですか。
 ha | za | ma を好きでい続けてくれることはもちろん嬉しいけれど、ha | za | maというブランドで装いを楽しむみたいな概念に出会ってもらって、知らない自分に出会うきっかけになってほしい。ちょっと寂しいですけど、そこから他のブランドに興味を持っていっても良いと思いますし。服への興味が薄れても良いと思います。
 想いはシンプルで、一度思うがままのファッションに挑戦してみたという「きっかけ」があると、その後、例えばシンプルな服装だったとしても、どこか垢抜けた見せ方ができたり、服に限らず観点が拡がったりしてくると思います。大きな意味で姿勢が変わると思うんです。

 ――そうなると、人生も前向きに進めるよう気がします。
 自分の見せ方を、一度「ちゃんと意識する」というか。そういう経験をすることで、確かに人生に対する姿勢も変わるかもしれません。

 思い切ったファッションに挑戦することで、すぐに何かが変わったりするわけではないと思うんですけど、その経験が1つのきっかけになれば、すごく素敵なことだなと思っています。

「見えないものを見ようとして見上げた夜空のシャツワンピース」
「見えないものを見ようとして見上げた夜空のシャツワンピース」

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