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日常の「特別じゃないこと」褒められたい 高橋優さん、新曲への思い

NHKドラマ主題歌「spotlight」

ドラマや映画のタイアップ曲を数多く作って来たシンガーソングライターの高橋優さん。曲作りで大切にしていることや新曲に込めた思いを語ってくれました=2023年6月5日、東京都港区、関田航撮影
ドラマや映画のタイアップ曲を数多く作って来たシンガーソングライターの高橋優さん。曲作りで大切にしていることや新曲に込めた思いを語ってくれました=2023年6月5日、東京都港区、関田航撮影

目次

特別ではない日常にこそ、スポットライトを当てたい――。シンガーソングライターの高橋優さん(39)は、新曲「spotlight」に込めた思いをそんな風に話します。ドラマや映画などのタイアップ曲も数多く手がけますが、大切なことは「物語を読み込んで、一度、忘れる」ことだとも。制作で心がけていることを聞きました。(withnews編集部・武田啓亮)

高橋優(たかはし・ゆう):秋田県横手市出身のシンガーソングライター。2010年に『素晴らしき日常』でメジャーデビュー。テレビ朝日系「熱闘甲子園」のテーマソング「虹」や東京メトロのCMソングに使われた「福笑い」などヒット曲多数

寄り添いたい「なにげない日常」

<6月12日からNHK総合で放送が始まったドラマ「褒めるひと褒められるひと」(原作マンガ・たけだのぞむさん)。高橋さんの新曲「spotlight」はこのドラマの主題歌です>

――「褒めるひと褒められるひと」は、普段の仕事でなかなか評価されない主人公がちょっとした失敗で怒られてしまい、「褒められたい」とこぼしたことで物語が始まります。どのようにして、作品の世界観を表現することにしたのでしょうか?

楽曲を作るにあたってドラマ製作スタッフの方々と打ち合わせをした際に、「褒められたような気持ちになれる楽曲」というリクエストをいただきました。

取り立てて特別ではない日常にこそ、スポットライトを当てたいという思いを込めました。

直接的に褒めるというよりは、人々のなにげない日常の生活に寄り添うようなイメージです。
高橋優さんは新曲「spotlight」の制作で意識したポイントについて明かしてくれました=2023年6月5日、東京都港区、関田航撮影
高橋優さんは新曲「spotlight」の制作で意識したポイントについて明かしてくれました=2023年6月5日、東京都港区、関田航撮影

「誰かのための”当たり前”作るのは機械じゃない」「君が思ってるよりも 君はとても素敵だよ」

こうした歌詞に込めたのは、会社の同僚やグループの仲間といった、頑張っている人の姿を日々見守り続けている人の言葉です。

原作漫画を読み込んで

――タイアップ曲を作る際には、どのような工夫をされているのでしょうか?

今回のように原作漫画がある場合には、刊行されているものは全て読みます。原作がないドラマや映画の場合、台本をお借りすることもあります。

「褒めるひと褒められるひと」の原作漫画は、総務部の人たちのやりとりが面白くて。

上司の板東さんは落ち込む主人公を元気づけようとするのですが、「目がゾウみたいですごくいい」「仕事ぶりが忍者的」と褒め方がずれていてクセが強い。登場人物それぞれに人間味が感じられました。
シンガーソングライターの高橋優さんは、タイアップ曲作りの際に心がけていることがあると言います=2023年6月5日、東京都港区、関田航撮影
シンガーソングライターの高橋優さんは、タイアップ曲作りの際に心がけていることがあると言います=2023年6月5日、東京都港区、関田航撮影
ただし、曲や歌詞を作るにあたっては、特定の登場人物や場面のイメージに寄せすぎないようにもしています。

物語を読み込んだ上で、一度忘れる。そうしないと、いかにも意図に満ちているというか、歌詞がわざとらしくなってしまうんです。

ドラマと主題歌は、あくまで点と点の関係。それをどう解釈して結びつけるのかは、受け手のみなさんに委ねたいと思っています。
――今回、原作漫画を読む以外にされたことはありますか?

実は僕、あまり人を褒めるのって得意じゃないんです。

それで今回、ドラマのスタッフのみなさんにアンケートを取ったんですよ。「どんな風に褒められたら嬉しいですか」って。そうしたら、特別では無い、日常のなんてことないことを褒められるのが一番嬉しいという答えが多かった。

自分のことを振り返っても、そうだなと思いました。

僕はカメラが好きで、きれいな写真が撮れた時にはSNSにアップするんですが、自分が好きでやっていることであっても、「すごいね」「上手だね」と褒めてもらえると、続けよう、もっと撮ろうというモチベーションにつながるんですよね。

シンガーソングライターとしての原点

――大学時代からすでに、札幌の繁華街で弾き語りをされていたと聞きました。

大学時代は札幌の繁華街、狸小路で歌っていました。「目立ってやろう」というつもりはなくて、壁の薄いアパートでは演奏できないから、代わりに路上で演奏していただけなんです。

けれど、この頃に制作した曲が、メジャーデビュー後に発表する曲の原型になっていますし、路上ライブ時代はシンガーソングライターとしての原点だったと思います。
高橋優さんが音楽の世界に興味を持つきっかけは、少年時代にあったそうです=2023年6月5日、東京都港区、関田航撮影
高橋優さんが音楽の世界に興味を持つきっかけは、少年時代にあったそうです=2023年6月5日、東京都港区、関田航撮影
――小さい頃から歌うことは好きだったんですか?

父親が民謡歌手だったんです。その背中を見て、自然と歌に興味を持つようになったんだと思います。自宅にはカラオケセットがありました。

家に帰ると、自宅近くの山に登っては声を張り上げて歌うのが日課でした。歌ううちにだんだん喉が温まって、最後には声が枯れてくる。その感覚が心地よく、不思議な充実感がありました。

仲間ができた中学、高校時代にはコピーバンドを結成し、学園祭などの舞台で歌を披露しました。当時の仲間たちとは、今でも時々、お酒を酌み交わしています。

「指パッチン」しながら聞いて

――新曲は軽快で乗りやすい、明るいメロディーラインが特徴的ですね。

編曲してもらう際にも、何度もやり取りを重ねてこだわり抜きました。

イントロ部分の演奏も、最初はエレキギターを効かせたものだったのですが、最終的にはアコースティックギターを基調にしたフォーキーな仕上がりになりました。

エレキもかっこよかったんですけれど、より暖かみを感じられるような曲調にしました。
「spotlight」の軽快で暖かいメロディーが生まれるまでのいきさつを語る高橋優さん=2023年6月5日、東京都港区、関田航撮影
「spotlight」の軽快で暖かいメロディーが生まれるまでのいきさつを語る高橋優さん=2023年6月5日、東京都港区、関田航撮影

歌詞カードを見なくても分かる、聞き流しながら体を揺らしながらうきうきした気分になれるような曲です。

イントロの2回連続の指パッチン(スナップ)を作る際には、指が腫れるほど重ねて録音しました。ちゃんと鳴らそうとすると、これが案外難しいんです。

もしよければドラマを見ながら、ぜひ一緒にスナップ、出来ない方はクラップ(手拍子)しながら聞いてもらえると嬉しいです。

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