ネットの話題
バットもフライパンも「振る」ものだから ミズノの不適合材を活用
大阪の町工場を取材しました
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大阪の町工場を取材しました
ミズノが手がける野球用バットの不適合材を取手に使用したフライパンが発売されました。バットもフライパンも「振る」という共通点があることから生まれたという「SWING PAN」について、大阪の町工場を取材しました。
SWING PANを手がけたのは、大阪府八尾市にある藤田金属。
持ち手が取り外せて、皿を使わずそのままフライパンで食べられる「フライパンジュウ」などが人気の会社です。
先日は、9年前から取扱説明書に起用し続けてきたフライパンのキャラクターがネット上で話題に。
それに合わせて急きょ名前を募集し、フライパンのプレゼントキャンペーンを実施して注目を集めました。
そんな藤田金属が新たに手がけたのが、ミズノとコラボしたSWING PAN。
ミズノの野球用バットの不適合材を取手に使用したフライパンです。
バットは木材を1ミリ単位で削りながら製造されますが、木の節が出てきたものは折れやすいため商品化できません。
そうした素材を活用して生まれたのが今回のフライパンです。
「木材の種類はメイプルで、耐久性に優れ、経年変化を楽しむことができます」
そう話すのは、藤田金属の社長・藤田盛一郎さんです。
これまでアウトドアブランドとのコラボ商品も手がけてきた藤田さん。
「アウトドアであれば鉄を使ったものが多いから親和性がありますが、ミズノさんの場合は何も思いつかなかったんです」
そう振り返る藤田さんですが、ミズノの担当者と話すうちにバットの不適合材の話題になって、ひらめいたそうです。
「バットもフライパンも『振る』という共通点があるから、フライパンの持ち手に使ったら面白いんじゃないか」
木製の持ち手はストレートな形状が多い中、あえてバットの形をそのまま生かすことに。
実際に作ってみると、フライパンを振った際にグリップエンドがあることで使いやすいことに気づいたそうです。
「バット用だけあってしっかり乾燥された状態なので、通常の持ち手よりも硬くて丈夫です。肌触りも良く、不適合材の活用にもなるのでメリットだらけでした」
6月中旬に発売するとすぐに話題となり、7月出荷予定分も含めて200本ほどが売れたとのこと。
不適合材が入り次第、追加生産するそうで、藤田金属のホームページやツイッター、インスタグラムなどで告知するそうです。
販売が好調なことについて、藤田さんはこう話します。
「面白半分で企画しましたが、町工場がミズノさんとコラボして、いいものづくりが出来たと思っています」
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