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どっちにするか迷ってたら…店員からの助言、絵描きの私だから響いた

作者に詳しく聞きました

漫画「ラケット屋のおやじのいい話」の一場面
漫画「ラケット屋のおやじのいい話」の一場面 出典: 大場玲耶さんのツイッター

目次

 テニスのラケットを買いに行って、ピンク色と水色のどちらにするか悩んでいたら店員が思わぬアドバイスをくれた――。そんな実体験を描いた漫画がツイッターで注目を集めました。作者に詳しく話を聞きました。

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漫画「ラケット屋のおやじのいい話」
漫画「ラケット屋のおやじのいい話」 出典: 大場玲耶さんのツイッター

漫画家の大場玲耶さん


 物心ついたころから絵を描くのが好きだった千葉県在住の漫画家・大場玲耶さん。

 漫画家を目指したきっかけは、近くに住んでいた小学生のお姉さんに見せてもらった「美少女戦士セーラームーン」の漫画でした。

 ぶれることなく漫画家を目指して夢をかなえ、「隠れオタクの恋愛戦略」(KCデラックス、全3巻)などの作品を生み出しています。

 そんな大場さんは大学1年生の時、テニスサークルに入ります。

 しかし、同人誌を出すためにアルバイトでためたお金がサークルの飲み会や合宿で消えたり、練習場が遠くて漫画を描く時間が確保できなかったり。

 そうした理由から1年でサークルをやめました。

ラケットを買いに行って


 1年間だけの活動でしたが、忘れられない出来事があります。

 テニスを始めるにあたって、友人たちとラケットを買いに行った時のことです。

 とにかく軽いものにしようと店頭で商品を絞り込み、ピンク色にするか水色にするかで迷っていました。

 すると、近寄ってきた男性店員から「お嬢さん、悩んでるねぇ」と声をかけられます。

 「通路が狭いお店だから邪魔だったかな? 急いで決めなくちゃ」

 慌てていたからか、とっさに「どっちがいいと思いますか?」と左右1本ずつラケットを握って見せたそうです。

 すると店員が「お嬢さん、利き手はどっち?」と尋ねてきたので、「右ですけど」と回答。

 それを聞いた店員は「今、右手に持っているピンク色をお選びなさい」と言って、理由を説明してくれました。

 「ラケットは手に持って扱うもんだから、自然と利き手が選んだ方が良い運命を持っているんじゃないかって気がするよ。多分自分でも『こっち』っていうイメージが無意識の中にあってそれを利き手で選んでるんだと思うよ」

 幼いころから漫画を描き続けてきた大場さんにとって、それは十分すぎる理由でした。

 描く上で利き手である右手は、とても大事なパーツ。

 その手が握っているんだからと「これにします」と即決しました。

漫画「ラケット屋のおやじのいい話」の一場面
漫画「ラケット屋のおやじのいい話」の一場面 出典: 大場玲耶さんのツイッター

漫画にしてツイッターで公開


 4月中旬、ラケットの話を漫画にしてツイッターで公開。

 いつか描きたいと思っていたことを思い出の日記のつもりで書くと、多くの反響が寄せられました。

 漫画家として今、自分が好きなものや描きたいものをもう一度しっかり見つめ直すために、作品の枠を決めずにweb上で個人発信している大場さん。

 大きな反響に感謝しつつ、再び商業連載できる力をつけて単行本を出し、メディア化も目指したいと考えています。

 「これからも、たくさんの人に届く作品を作っていきたい」。あらためてそう思った出来事になりました。

    ◇

 大場さんの作品の一部はKindleでは無料で読むことができます。

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