連載
#105 コミチ漫画コラボ
「お母さんは、バカじゃないよ」漫画で描く 卑下しないでと伝えたい
「コミチ」とのコラボ企画でマンガを募集しました
高校時代、介護職に就く母から日常的に仕事の話を聞いていた作者。あるとき認知症について話を聞き、想像もしていなかった世界に複雑な思いを抱きます。
数年後、自身も介護士として働くようになり、お年寄りの生活や認知症がリアルなものとして感じられました。
若い世代にとって、老後の生活や認知症は縁の薄いテーマかもしれませんが、いずれ自分事になります。漫画は、母との会話や自身の経験を通して、お年寄りや将来を考えるきっかけをくれました。(選評:河原夏季)
「母になる」「母である」ことは、それだけで一つの偉業だと、自分に子どもができた今、しばしば感じます。夫は、誰も、「母」にはなれません。
一方で、母や妻という役割は、時代によりさまざまな影響を受けてきたことを感じさせるのが、このお母さんの言葉です。自分を卑下する必要がないことを、娘さんがちゃんと伝えている関係がすてきです。
同時に、本来、負うべきでない(例えば夫の世話のような)役割は、次の世代に引き継がせないよう、自戒しなければと思いました。(選評:朽木誠一郎)
年を重ねると、自分の肩書が増えていく感覚が私にはあります。「母」「妻」「主婦」「会社員」――。ただ、正直ちょっとモヤッとしています。いまある肩書は、自分が望んだものではあるのだけれど、どこかオリジナルじゃないような。夢をつかめたような、つかめていないような。
この作品からは、モヤッとする肩書とは違う、「つかんだ」実感のある肩書を得た母と、得ようとしている娘の思いが感じ取れます。
夢って、いつだってつかめる。人って、いつだって変われるんだな。(選評:金澤ひかり)
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