離乳食にしろ補完食にしろ、大きな考え方はともあれ、親としては結局のところ、具体的な料理に落とし込まなければ始まりません。実際に赤ちゃん用のレシピ本や、ネットのレシピを参考に、日々の料理を作ることになります。
そして、食べさせたときの我が子の反応は、当たり前ですが、どこにも書いてありません。笑顔のまま吐き出したり、時間が経ってミルクと一緒に戻してしまったり……。こうした実践の際の心構えについて、医師の相川晴さんに話を聞きました。
というのも、相川さんは著書
『赤ちゃんのための補完食入門』(管理栄養士・川口由美子さん監修/彩図社)の中で、例えば「8倍粥くらいで様子をみて2週間で5倍粥に移行した」のように、現実的な「相川家の実践例」を交えながら私たち親を後押ししてくれていたからです。
やはり、食べないときはなかなか食べない我が子。食べても(飲み込まずに)吐き出したり、時間を置いて戻してしまったりします。せっかく作ったもので、悲しくもなりますがーー。
相川さんはまず「水分が摂取できているか、おしっこはしっかり出ているか、顔色がいいか、機嫌がよく元気かなどを確認してみてください」「そうであるなら、その日に必要な水分やエネルギーが補えているので、大丈夫です」とします。
ただし、赤ちゃんの体調に不安がある場合や、発育が(母子手帳などに記録する)成長曲線のカーブから上や下に外れていく場合などは「まずはかかりつけの小児科医に相談を」とのことです。
ちなみに、補完食を吐き出したり戻したりしたとき、同じ量を食べ直させた方がいいのでしょうか。これには「赤ちゃんもいっぱい頑張って食べた結果ですので、どちらの場合も食べさせ直さなくてOKです」「赤ちゃんが口からべーっと出しちゃうのも、赤ちゃんにとっては成長していく上での一つの経験と思って、気を取り直していきましょう」と相川さん。
「よく吐き戻すときは、一度に食べさせる量を少し減らして、その分、補食をするようにしたり、食べた後お腹を圧迫しないよう、横にしないようにしてあげると吐き戻ししにくくなることがありますのでお試しください。
もしあまりに回数が多い・吐く量が多い・特定の食材のときに吐く・体重が増えない(減る)といったときには一度かかりつけを受診して相談してみてください」
「補完食にしろ離乳食にしろ、一人ひとり違う赤ちゃんですから、育児書の通りにはうまく進まなくて当然です」と相川さん。離乳に取り組む親にエールを送ってくれました。
「私の子どもは上の子も下の子も少食で、本当に山ほど悩みましたし、実は今も悩んでいます。海苔しか食べない日もありましたし、自分で手づかみできるものしか食べないし、それすらもほとんど食べない……なんて時期もありました。
それでも幸い、カーブに沿って、小さめながらもじわじわと大きくなっています。大変と思いますが、育児、お互いに頑張りましょうね(辛いときは抱え込まずに、保健所などの相談窓口も利用してみてくださいね)」