滝沢さんは「これほどまでに早く、多くの支援をいただいたことに、まずは驚きました」と心境を明かします。
「うれしかったのは、目標達成をしたこと自体もですが、群馬と縁もゆかりもない人も寄付をしてくれたこと。日本で、みんなで子どもを育てていくという機運を感じられたことです」
また、クラウドファンディングという方法自体が生み出す効果も実感したそうです。
「もし、大学の予算で実現できていたとしても、ここまでの話題にはならなかったでしょう。今回、多くの人に思春期ルームを知ってもらえたことで、今後、国内で同様の取り組みが広がってほしいと思います」
一方で、今回の思春期ルームのプロジェクトには、少子高齢化という社会課題も関わっています。これまで、常に満床に近い状態でフル稼働していた大部屋の病室が埋まらなくなり、病院内にスペースの余裕ができたことで、設置が可能になったからです。
滝沢さんはこのことを「小児医療の成熟」という言葉で表現し、「支援に感謝すると共に、新しい時代の小児医療に向けた一歩を踏み出せたことはうれしい」とします。
「子どもの絶対数が少なくなったことで、ようやく一人ひとりに提供する医療やケアの質を高めることができるようになったとも言えます。国の少子化対策が話題になりますが、今回のような取り組みも、大人が『子どもを大切にしよう』と思うきっかけになればと思います」
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