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お金と仕事

海外移住者に「〝出稼ぎ〟タグが…」 懸念する企業、移住理由を調査

「経済的な事情が一番の目的ではないという結果」

移住の理由、1位は……。写真はイメージです=Getty Images
移住の理由、1位は……。写真はイメージです=Getty Images

目次

円安などを背景に、海外移住をした日本人の報道が昨年末以降、相次ぎました。こうした報道を見ていたとある企業は「経済的な理由で取り上げられた印象が強い」と受け止めました。「実際に、移住した人たちの目的を知りたい」と、オーストラリア、ニュージーランド、カナダに住んでいる日本人を対象に調査を行いました。「海外に住んでいる日本人に対して、『出稼ぎ』のタグが強くついてしまうのを懸念している」という会社に、調査結果について聞きました。

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移住の理由、1位は……

調査したのは、海外在住の日本人と国内在住の日本人とをつなぐサービスを展開する「ロコタビ」。175カ国2500都市に住む日本人約5万人が登録していて、国内の日本人を含めた全体のサービス利用者は20万人に上ります。

ロコタビが今回調査したのは、主に30歳以下を対象としたワーキングホリデー制度の行き先として人気かつ、「出稼ぎ報道」で話題にあがった、オーストラリア、ニュージーランド、カナダの196人が対象(調査期間は2023年2月20日-2023年2月26日)。

移住理由を尋ねたところ、選択肢の中で一番多かったのは「学び(語学・留学)のため」の22.6%、二番目に多かったのは「家族・パートナーの転勤のため」で18.1%でした。その後、「結婚・恋愛・出会いのため」(17.1%)、「生活環境の改善のため」(15.1%)、「仕事・キャリアのため」(11.6%)と続き、「経済的な理由」を選択したは一人もいませんでした。

「移住者を一側面で見てほしくない」

海外移住を取り上げた一連の報道の中には、海外に行く目的が経済的なものだけでないことを伝えるものもありましたが、複数のメディアが使った「出稼ぎ」という言葉がキャッチーだったため、「金銭面が際立って報じられている印象だった」と、ロコタビの広報担当・岡慧隼さんは話します。

「海外に住んでる日本人は、国内に住む日本人と海外を繫ぐ『接点』として重要ととらえている」という岡さん。出稼ぎ報道が加熱することは、海外在住の日本人全般に対して、「お金目的で海外に行っている」との偏見につながるのではないかと懸念していました。

「海外移住者を一側面で見てほしくない」という思いと併せて、ロコタビを利用している人たちの実態把握もしたいと考え、今回の調査に踏み切りました。

調査結果で、岡さんが「意外だった」と話すのは、移住理由に「経済的な理由」を挙げていた人が一人もいなかったこと。「少しはいると思っていたのですが、0%という結果は、報道で受けていた僕個人の印象とのギャップがあり、おもしろかったです」
一方、パートナーの事情やキャリアのためだという移住理由が多かったことについては「やっぱりそうだった」。

「経済的な事情が一番の目的ではないという結果だったと思います」

ネガティブ意見も「スキルないと……」

調査では、「出稼ぎ報道」についての自由記述も募りましたが、「ポジティブな意見とネガティブな意見は同じくらいでした」といいます。

「『これを機に海外に行くのはオススメ』だというポジティブなものがある一方で、『英語ができなかったらスタートラインにすら立てないし、スキルがないと職業の幅もない。収入が高いからという理由だけで移住すると後悔する』というのがネガティブな意見の総論でした」(岡さん)

調査では、移住先での月収も聞き、30万円以上の割合が全体の6割以上を占めました。内訳は、「100万円以上」(7.1%)、「50万円以上100万円未満」(21.9%)、「30万円以上50万円未満」(34.7%)でした。


また、「所得水準に対する満足度」を質問したところ、4割以上が「満足している」と回答。「やや不満な気がする」(16.3%)、「非常に不満な気がする」(6.1%)と、不満に感じている人はが2割以上いました。

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