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連載

#65 「きょうも回してる?」

松葉ガニ当たる「蟹ガチャ」も… 広がるガチャガチャ活用と〝異変〟

「気軽に購入できる」強み生かし

2022年に流行した昭和レトロを感じさせる商品。(左から)ケンエレファント「昭和ノスタルジックミニチュアコレクション第2弾」、ケンエレファント「純喫茶ミニチュアコレクション〜純喫茶のある風景」、トイズスプリッツ「本当に使える!ミニチュアレトロ水筒マスコット」
2022年に流行した昭和レトロを感じさせる商品。(左から)ケンエレファント「昭和ノスタルジックミニチュアコレクション第2弾」、ケンエレファント「純喫茶ミニチュアコレクション〜純喫茶のある風景」、トイズスプリッツ「本当に使える!ミニチュアレトロ水筒マスコット」

目次

ガチャガチャブームが続く中、昨年は様々な「活用事例」が多く見受けられた年だったと、ガチャガチャ評論家のおまつさんは振り返ります。ものづくりメーカーにとって大打撃の円安が続く今年、ガチャガチャメーカーの活路はどこにあるのでしょうか。おまつさんによる展望です。

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自治体、学校…2022年、ガチャガチャ大活躍

今では外に出れば、必ずといっていいほど、街のどこかでガチャガチャの売り場を目にするほど、ガチャガチャは日常生活の一風景になりました。2022年も、多くのメディアがガチャガチャを取り上げ、注目しました。

昨年はとくに、企業や地方自治体、学校施設などがガチャガチャをツールとして活用する事例が多かった年でもあります。
たとえば、昨年12月だけを取り上げてみても、少なくとも6件以上のガチャガチャの事例があります。

たとえば、JR西日本が営業終了した「みどりの窓口」の有効活用方法としてガチャガチャ販売機を設置しました。
また佐賀県の唐津工業高の生徒たちが取り組むプロジェクトでガチャガチャを活用していました。そのほか、認知度向上のため、鳥取県のアンテナショップ「とっとり・おかやま新橋館」で設置した、松葉ガニなどが当たることもある「蟹ガチャ」、神戸市の下水道技術の情報発信拠点「神戸下水道の歩み館」で販売する「肥料ガチャ」など、親しみやすく、気軽に購入できるガチャガチャの特徴を活かした事例だと言えます。

業界的には、コロナ禍でガチャガチャ専門店の出店ラッシュが続いた第4次ブームは一時期よりも落ち着きをみせたものの、今でも出店する専門店が増えており、ますます私たちの生活で売り場を目にすることが多くなりました。

「肥料ガチャ」(右奥)から出てきた下水汚泥からつくられた肥料の袋とすべらないマンホールバッジ=2022年11月17日午前、神戸市東灘区、小川智撮影
「肥料ガチャ」(右奥)から出てきた下水汚泥からつくられた肥料の袋とすべらないマンホールバッジ=2022年11月17日午前、神戸市東灘区、小川智撮影 出典: 朝日新聞

円安苦境の中……

昨年はメーカーにとって、原材料価格が高騰しているなかで、為替の影響を受けた年でもありました。22年1月は1ドル=115円だったのが、10月は1ドル=150円までになるほどメーカーにとって厳しい円安の環境になりました。その結果、今まで200円〜300円だった単価設定を 、300〜500円に変更しないと、現状維持のものづくりができないほど、今も苦境が続いています。

現在も、1ドル=130円台のため、今年も引き続き、メーカーにとっては、ものづくりが大変な年になってくるでしょう。

さらに、昨今ではガチャガチャ業界に、アミューズメント業界や雑貨業界のメーカーが参入し、1年前では30社前後だったメーカーが、約40社も増え、そのことで、競争が激化しています。

また、『鬼滅の刃』を超えるような大ヒットしたキャラクターはなかったため、23年はオリジナルの商品を目にする機会が多くなるように思えます。とくにオリジナル商品は売り場で商品を一人でも多くの人に買ってもらえるためには、今以上にコストを意識しながら魅力あるものづくりをしていかなければ、生き残っていくのは難しい時代に突入しました。

ガチャガチャ評論家おまつの「きょうも回してる?」
この連載は、20年以上業界を取材しトレンドをチェックしているおまつさんが注目するガチャガチャを紹介していきます。

     ◇
ガチャガチャ評論家・おまつ(@gashaponmani
ガチャガチャ業界や商品などをSNSで発信中。著書に「ガチャポンのアイディアノートーなんでこれつくったの?ー」(オークラ出版)。テレビやラジオなどのメディアへの出演や素材提供も多数ある。

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