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ネットの話題

これぞリアルモルカー!モルモット「ご帰宅イベント」渋滞すら愛しい

「まるで東名高速」秀逸なコースの秘密

あまたあるモルモットの「ご帰宅」イベント。その一つで、最近ツイッター上で話題になった取り組みについて、ご紹介します。
あまたあるモルモットの「ご帰宅」イベント。その一つで、最近ツイッター上で話題になった取り組みについて、ご紹介します。 出典: 町田リス園提供

目次

動物園などで行われている、モルモットたちの「ご帰宅」イベントが、ツイッター上でたびたび話題を呼んでいます。多くの個体が、一直線になって走る様子が人気です。最近注目を集めたのが、町田リス園(東京都町田市)の取り組み。高速道路を思わせる絶妙なコース構成が、一味違った魅力を醸しています。制作の経緯について、関係者を取材しました。(withnews編集部・神戸郁人)

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「可愛いが渋滞している」

1月14日、45秒の動画がツイートされました。映っているのは、町田リス園で実施された「モルモットの大行進」の一幕です。モルモットたちが、日中を過ごす展示場から、飼育スペースへと移動するタイミングで行われています。

地上から少し浮くようにして設置され、二股に分かれた走行用の直線コース。スタッフが仕切り板を外すと、画面右下で待機していた大量のモルモットたちが、一斉に前進し始めます。

左方向に伸びたコースは、モルモット2匹がぎりぎり通れるくらいの幅です。ぶつからないよう適度に距離を取り、1匹が急停止すると、後続の個体もその場でピタリと歩みを止める。2車線の道路を整然と走る、自動車の車列を思い起こさせます。

いくつかの分岐点の先に運搬用の大きなケージが置かれ、その中にモルモットたちが次々と吸い込まれていくさまは、圧巻の一言です。同時に、何とも言えないおかしみと、愛おしさにもあふれています。

投稿主の禁酒7日目/57さん(@jpy_desuwa)は自身のツイートで、大行進の様子を、こんな風に書いています。「東 名 高 速 道 路 横 浜 町 田 I C」。交通量が多い、同ICを引き合いに出した表現です。

ツイートには「的確で草」「可愛いが渋滞している」といったコメントが連なりました。モルモットと自動車を掛け合わせたキャラクター・モルカーが活躍するアニメ「PUI PUI モルカー」シリーズになぞらえて評価する人も、少なくありません。

自由さを保障する「幅」

今回のイベントの詳細について、町田リス園の樋口健治園長に話を聞きました。

樋口さんによると、「大行進」は10年ほど前に始まりました。雨天以外は毎日、閉園の30分前に実施しているそうです。

通常、展示場にはメスだけが集められています。オスよりも気性が穏やかで、互いに干渉することが少ないためです。そのため繁殖期を除き、雌雄双方の個体が共に走ることはないといいます。

直線コースは木製で、全長が約5メートルと、約6メートルのものの2つがあります。前者の幅は約20センチ。モルモットたちが途中で脱走しないよう、両側に高さ20センチほどの金網とアクリル板が添えられています。

「モルモットたちは個性豊かで、途中で止まる子もいれば、逆走する子もいます。進路の幅が狭く、窮屈になりすぎてしまうと、そうやって自由に動くのは難しい。適度に余裕を持たせてあるからこそ可能なのだと思います」

「ちなみにコースはスタッフのお手製です。ケージの数を増やすのに合わせて、少しずつ延長したり補強したりしながら、10年前と同じものを使い続けています」

「モルモット大行進」の様子。
「モルモット大行進」の様子。 出典: 町田リス園提供

幼少期の訓練が重要

毎回スムーズに進行しているかに思える「大行進」ですが、モルモットたちは、始めからすいすいと動けるわけではありません。樋口さんいわく、コースに十分慣れていない個体だと、怖がってその場から動かないことも多いそうです。

そこで重要なのが、幼少期からの訓練。生後5カ月くらいの段階で、大人たちと一緒に移動させるのです。1カ月ほど経つと、問題なく走行できるようになるといいます。

モルモットには、集団で列を作り移動する習性があります。その生態と、飼育スタッフたちの創意工夫が織りなすイベントは、これからも人々の目を楽しませることでしょう。

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