連載
#9 記憶をつなぐ旅
戦死した魂が「描かせている」漫画家が向き合う南の島の〝六日戦争〟
「本当は逃げたい、でも……」
![伊江島の中央にある「城山(ぐすくやま)」の展望台で、沖縄戦を描く理由を語る新里堅進さん。ここから見える海は当時、アメリカの1500隻もの軍艦で黒く埋め尽くされていたといいます=2022年3月、水野梓撮影](https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/storage.withnews.jp/2022/04/18/3/80/3802c301-l.jpg)
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#9 記憶をつなぐ旅
「本当は逃げたい、でも……」
白い砂浜と青い海が美しい沖縄・伊江島。ここで77年前の4月、住民を巻き込んだ6日間にわたる死闘が繰り広げられました。この戦いを漫画で描いた新里堅進さん(75)は、半世紀にわたって沖縄戦をテーマに作品を制作してきました。「もっと楽しい漫画も描きたい。でも、ここに引き戻されてしまう」。絞り出すように語った新里さんとともに、伊江島を訪ねました。
いまも休みなく早朝からアトリエにこもり、一人きりでペンを取って、1日1ページほどを執筆している新里さん。
戦後も、住民の土地が接収されて基地がつくられ、伊江島の苦難は続いています。この日は米軍機オスプレイが離着陸を繰り返していました。
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