連載
#39 どうぶつ同好会
漁師体験と思ったら逆だった…「アジ」になりきる施設コーナーが人気
「つかまる」から「たべられる」まで体験できます。
網に捕られ、加工され、干され、調理され、食卓に並ぶ。これら全てを体験できる施設が、静岡県沼津市の水族館「伊豆・三津(みと)シーパラダイス」(通称:みとしー)にあります。漁師の職業体験? いえいえ、子どもたちが「アジ」になりきって遊べるのです。
4月3日、ツイッターに投稿された1枚の画像が話題になりました。
なにこれ
— みのむしまろ (@minomushimaro) April 2, 2022
いきたーい!https://t.co/zKISNj7F3h pic.twitter.com/BIXD77PbNs
画像には「〜アジになりきり体験〜あじっこパラダイス」と書かれ、アジの衣装を着た子どもたちが干されている様子が!
「子供がコレ着て並んでる姿想像しただけで…可愛すぎる…」「思わず検索しました。子供じゃないけど私がやりたい!」といった反響が寄せられ、「いいね」は1万8千を超えています。
「あじっこパラダイス」は、2019年12月にみとしーのキッズコーナーの一角にオープンしました。対象は「小学校3年生以下」です。
担当者は次のように話します。
「伊豆・三津シーパラダイスがある沼津市は、2019年当初、養殖活アジの収穫量とアジの干物の生産量が日本一でした。地元の名産であるアジをモチーフにして、漁獲から食卓に並ぶまでを体験・遊びながら知ってもらいたいと始まりました」
体験は、「つかまる」「かこうされる」「ほされる」「ちょうりされる」「たべられる」の五つのエリアに分かれています。
スタートは「つかまる」ところから。網に囲まれたトランポリンでぴょんぴょんと跳ねる様子は漁をイメージしています。
まな板と包丁のクッションでは、さばかれ加工される体験です(「かこうされる」)。
さばかれた後は、ネットにもたれかかって干物になります(「ほされる」)。
コンロや鍋のエアークッションでいよいよ調理です(「ちょうりされる」)。
最後はアジ定食になって食卓へ並びます(「たべられる」)。
全ての遊具に子どもたちは大喜び。「おもしろい写真が撮れる」と保護者にも好評です。
担当者は「お子様には『つかまる』の網で漁獲されることをイメージしているトランポリンが人気があるように思います」。
今回ツイッターで話題になった「ほされる」や「たべられる」も人気が高いそうです。
また、地元の内浦漁業協同組合や沼津ひものの会の協力で、アジやおいしい干物の見分け方についての解説板も設置していて、「小さいお子様でもわかりやすく、ご家族と一緒に学べるようになっています」(担当者)。
対象は小学校3年生までですが、保護者はキッズコーナーに入ることができます。
ツイッターで話題になったことを、担当者はどのように受け止めているのでしょうか?
「できた当時も話題にはなりましたが、もう一度注目されるのはすごく嬉しいですし、2年経ってまた話題になっているのが不思議な感覚です」
「都会型で最先端のおしゃれな水族館ではなく、郊外にあるような地元に根ざしてやっている水族館です。多くのお客様に来てもらい、広く沼津を知ってもらえたらと思います」
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