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「ダイエットに食物繊維」本当に効果ある?医学的な摂取量のおすすめ

ダイエットには食物繊維が効果的とされるが……。※画像はイメージ
ダイエットには食物繊維が効果的とされるが……。※画像はイメージ 出典: Getty Images

目次

世の中にはダイエットについて、さまざまな情報があふれています。その一つ、しばしば取り上げられる食物繊維は、本当にダイエットに効果があるものなのでしょうか。医学的な摂取量のおすすめや、最大の効果を得る方法をあわせて紹介します。(朝日新聞デジタル企画報道部・朽木誠一郎)

“最大のダイエット効果”得るには

医療現場で参照される、日本肥満学会が発行する『肥満症診療ガイドライン2022』には、<体重減少のためには、食事摂取エネルギーの減量が必要である。><運動療法は減量(体重減少)にはあまり効果的ではない。>と明記されています。

では、効果的とされる食事療法に“コツ”はないのでしょうか。実は、同ガイドラインで<減量に有用>とされているのが、「食物繊維」です。

食物繊維とは「小腸で消化・吸収されずに、大腸まで達する食品成分」と定義されます。よく知られている働きは、便秘の予防などの整腸効果ですが、それだけではありません。

他にも、例えば血糖値上昇の抑制、血液中のコレステロール濃度の低下など、多くの働きがあります。

同ガイドラインによれば、食物繊維が人間の体に及ぼす作用を検証した介入試験58件をさらに研究した結果、「食物繊維の摂取量が多い人は、体重や収縮期血圧、総コレステロール、LDL-コレステロール、トリグリセライドが有意に低いこと」が示されました。また、全粒粉穀物の摂取が多い人も、有意に体重が減少していました。

このとき、1日の食物繊維の摂取量が25~29gの場合に、最大の効果を得られていたということです。

また、別の研究では、水溶性食物繊維を食事に追加することで、摂取エネルギーの制限とは関係なく、体重・BMI・腹囲が有意に減少していました。
 

1日1食の主食を置き換えると…

『日本人の食事摂取基準(2020年版)』では、18~64歳は男性21g以上、女性18g以上、65歳以上は男性20g以上、女性17g以上を摂取目標量として定めています。

一方で、厚生労働省によれば、ほとんどの日本人は食物繊維の摂取量が不足しています。日本人の平均食物繊維摂取量は減少傾向にあり、最近の報告では、平均摂取量は1日あたり14g前後と推定されています。

つまり、目標量にも足りず、前述の“最大のダイエット効果”を得るにはさらに足りていません。

同省によれば、「1日のうち1食の主食を玄米ごはん、麦ごはん、胚芽米ごはん、全粒小麦パンなどに置き換えると、効率的に食物繊維が摂取できる」そう。また、食物繊維は豆類、野菜類、果実類、きのこ類、藻類などにも多く含まれています。

食品では、そば、ライ麦パン、しらたき、さつまいも、切り干し大根、かぼちゃ、ごぼう、たけのこ、ブロッコリー、モロヘイヤ、糸引き納豆、いんげん豆、あずき、おから、しいたけ、ひじきなどには、1食あたり摂取する量に食物繊維が2~3g含まれており、“ちょい足し”することで調節しやすく便利だといえるでしょう。
 

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