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こんな風に年をとりたい…マダム3人のルームシェアマンガ描いた理由

ネイルだって「やりたかったらやりゃあいいのよ」

ルームシェアをするマダム3人(沙苗・栞・晴子)を描いたsekoさんのマンガ。シワのある自分の手にマニキュアするのをためらう晴子に、栞が「やりたかったらやりゃあいいのよ」と背中を押す回にも励まされます
ルームシェアをするマダム3人(沙苗・栞・晴子)を描いたsekoさんのマンガ。シワのある自分の手にマニキュアするのをためらう晴子に、栞が「やりたかったらやりゃあいいのよ」と背中を押す回にも励まされます 出典: 画像はいずれもsekoさん提供

目次

ルームシェアで楽しく暮らす3人のマダムを描いたマンガがTwitterで人気を集めています。「素敵!」「こんな風に年をとりたい」といった感想が寄せられています。作者でイラストレーターのseko kosekoさんは、どんな思いを込めて3人を描いているのでしょうか。

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眠れない夜の花札…楽しく暮らす3人

ルームシェアをしているシニア女性3人が、眠れない夜に花札をしたり、バレンタインにカカオ100%のチョコレートに挑戦したり……。

年を重ねても日々を楽しむマダムたちが描かれた漫画のTwitter投稿には、それぞれ数万の「いいね」が集まり、共感を呼んでいます。

sekoさんが描くルームシェアする「マダム」シリーズ
sekoさんが描くルームシェアする「マダム」シリーズ 出典:sekoさんのツイッター

作者のsekoさんは「『こんな風になりたい』というコメントを頂くことが多いです。読んだ人たちの将来の目標や選択肢が広がってくれたならうれしいです」と語ります。

「1年だけ本気で描いてみよう」

イラストレーターのsekoさんは、小さな頃から絵を描くのが好きだったそう。小学生の時の夢は「漫画家」で、さまざまな漫画の絵柄をまねして描いたり、キャラクターを作ったりして遊んでいたそうです。

趣味で絵を描き続けており、「ダメもとだ」と就活でもイラストレーターの募集に申し込みましたが、全く受かりませんでした。「絵を仕事にするのは難しいのかな」といったんは夢を諦めました。

最初に就職した会社を辞めるとき、「思い切って1年だけ本気で絵を描いてみよう」と決意。バイトをしながら絵を描き、SNSへのアップを始めました。

「だんだんと見てくださる方が増え、細々と挿絵やイメージイラストなどのお仕事をいただけるようになって今に至ります。みなさんのおかげで、ありがたいです」と話します。

いくつになっても、楽しむ人を

Twitterに投稿しているマンガ「マダム」シリーズが誕生したきっかけは、花柄のワンピースを着た外国人のおばあちゃんが、ひとりで自撮りをしている写真を見つけたことでした。

「それがとっても素敵だった」と振り返るsekoさん。そこから、自分の好きなことを楽しんでいるシニア女性を描き始めました。

sekoさんのイラスト「お気に入りの服着て集合なんて言うから何かと思ったわよ」。それぞれが好きな服を楽しんでいるようすが素敵な1枚です
sekoさんのイラスト「お気に入りの服着て集合なんて言うから何かと思ったわよ」。それぞれが好きな服を楽しんでいるようすが素敵な1枚です 出典:sekoさんのツイッター

女性は若さが重要視されているようで、なんとなく年をとりたくない――。そんな古い価値観を社会からいまだに感じてしまいますが、sekoさんは「若さによって人生の可能性が広がることもありますし、若い人は性別に関係なく輝いて見えます。でも、歳をとっていく過程で得られる経験、知識、思考は何物にも変えがたい資産だと思います」と指摘します。

ファッションを楽しむ人はかっこいい

歳を重ねても、自分の好きな水着を着たり、スケボーに挑戦したり……そんなイラストを描いていくうちに、「こんな3人が登場するような漫画があったら楽しそう」と感じ、現在の「マダム」シリーズを描き始めました。

水着を着るシニア女性たち。現在の「マダム」シリーズの3人ではありませんが、sekoさんはいまの作品を形づくった大切な3人だと振り返ります
水着を着るシニア女性たち。現在の「マダム」シリーズの3人ではありませんが、sekoさんはいまの作品を形づくった大切な3人だと振り返ります 出典:sekoさんのツイッター

漫画のために、日常の面白いことをメモするようになったというsekoさん。おしゃれなファッションのマダムたちには、雑誌を眺めて最近の流行を採り入れているそうです。

おしゃれなマダムたち。sekoさんがほかにどんな作品に影響を受けたかうかがうと「高校生の頃に見た映画『マンマ・ミーア』」だそう。「ダンシング・クイーンに合わせて島中のいろいろな年齢の女性が踊るシーンが大好きで何度もそこを繰り返し見ていました」
おしゃれなマダムたち。sekoさんがほかにどんな作品に影響を受けたかうかがうと「高校生の頃に見た映画『マンマ・ミーア』」だそう。「ダンシング・クイーンに合わせて島中のいろいろな年齢の女性が踊るシーンが大好きで何度もそこを繰り返し見ていました」 出典:sekoさんのツイッター

自身は同じような服をローテーションで着ているそうですが、自分のそんなスタイルも愛しているそう。

「自分の好きなファッションを楽しんだり、自分に似合う服を知り尽くしているおしゃれな人はカッコイイし憧れますよね」

多様な人を自然と描く

さまざまなジェンダーや国籍をふくめ、多様な人が自然と登場するsekoさんの作品。

「意識して描いていますが、捉え方は見た方によって色々あると思うので、『この人はこういう人』という説明はもうしないようにしています」と話します。

sekoさんのイラスト
sekoさんのイラスト 出典:sekoさんのツイッター

いつかは「一枚の絵の中に、体形も肌の色も様々で、自分らしく生きている人たちを描けるといいな」と考えているそうです。

「将来こうありたい」という憧れ

「マダム」シリーズの読者にも、sekoさんのそんな思いは届いているようです。

「歳を重ねるのが怖いと思っていたけれど、この漫画を読んで『歳を重ねるのも良いな』と思えました」
そんな感想が寄せられ、sekoさんは「漫画を描いて良かったなと思いました」と振り返ります。

「私の作品は、私自身の『将来こうありたい』という憧れです。老いても、好奇心、探求心を忘れず、柔軟に、自分の思考を疑い、新しいことに挑戦することを忘れないように、自分への自戒を込めて描いています」

sekoさんのイラスト
sekoさんのイラスト 出典:sekoさんのツイッター

「歳は重なるけれど減ることはない。少しでも不安が和らいで温かい気持ちになってくれたらうれしいですが、とはいえ、あまり深く考えずに、おばあちゃんたちがルームシェアをしてワイワイしているほのぼの漫画として楽しんでもらえれば幸いです」

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