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猫が虎になりきれる「顔ハメ」 円山応挙「虎図」所蔵の美術館が制作
猫用「顔はめ」を制作した美術館を取材しました
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猫用「顔はめ」を制作した美術館を取材しました
虎の実物を見たことがない江戸時代の画家は「猫」を参考にして描いていた――。そんな事実をもとに猫用「顔はめ」を制作した美術館を取材しました。
江戸時代から近代にかけての日本画をコレクションしている福田美術館(京都市)。
4月10日まで「トラ時々ネコ 干支セトラ」を開催中で、有名画家の虎の絵を主役に、猫や干支にちなんだ作品を展示しています。
生息していない日本でも、絵画や工芸品などの意匠として用いられてきた虎。
江戸時代の画家たちが参考にしたのが輸入された毛皮や絵画だったため、頭のすぐ後ろで肩が盛り上がっていたり、前脚の関節がなかったり。
よく分からない部分は実際に観察できる猫を参考にしたため、猫のような「ネコトラ」が描かれたそうです。
そんな事実に基づいて美術館に設置されたのが、「ネコ用顔はめパネル」です。
パネルに使用されている日本画は、円山応挙の「虎図」。
顔の部分に穴が開いていて、そこから猫が顔を出すことで、作品の虎になりきることができます。
同様のチラシも作成し、ホームページ上で印刷用データも公開しているため、自宅で顔はめを楽しむこともできます。
「コロナ禍ということもあり、自宅で楽しんでいただけたらと公開しています」
そう話すのは、広報担当の中島真帆さんです。
「日本画はハードルが高い」と思っている人たちにも興味を持ってもらえたらと、人気の猫にあやかった今回の企画。
公式ツイッターでも顔はめについてアピールしましたが、思ったほどは伸びず。
ところが、実際に愛猫で撮影した人のツイートが拡散し、結果的にはアピール成功だったそうです。
「アートに詳しくなくても楽しめるコンセプトの美術館です。これをきっかけに知っていただき、ぜひお越しいただけたらうれしいです」
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