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ゆかり三姉妹、うめこ、ひろし… 三島食品社長に聞く「命名」の由来
新商品はシンプルに「かつお」となりました
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新商品はシンプルに「かつお」となりました
ごはんのお供として人気の赤しそふりかけ「ゆかり」。姉妹品「かおり」「あかり」を加えて三姉妹として売り出し、「うめこ」「ひろし」も誕生しましたが、新商品はシンプルに「かつお」となりました。命名の経緯を三島食品の社長に聞きました。
1970年に発売され、日本の食卓で愛され続けている「ゆかり」。
その後、1984年に青じそふりかけの「かおり」、2010年にピリ辛たらこの「あかり」が発売され、「三姉妹」となりました。
2020年には、梅の酸味とカリカリ食感が楽しめる混ぜごはんの素「うめこ」を発売。
商品名がそれまでの「り」つながりではなく、「こ」となったことから、ネット上でも話題に。
2021年には、地元・広島県産の「広島菜」を100%使用した混ぜごはんの素「ひろし」が発売され、「弟」も加わりました。
それぞれの商品名の由来は以下の通りです。
・「ゆかり」=しその紫色が「ゆかりの色」と呼ばれることから、「ご縁を大切にしたい」との思いを込めて
・「かおり」=文字通り、青じその香りが良いことから
・「あかり」=三島食品が福岡で展開していた総菜店「あかり」の名前を引き継いで。ほっとする我が家の『灯り』を表現
・「うめこ」=「演歌歌手のイメージでいきたい」という社員の声を受けて、社長の末貞操さんが提案
・「ひろし」=末貞さんの鶴の一声で「ひろこ」から変更。広島菜の読みの最初の3文字「ひろし」がしっくりくるという理由で
それぞれにユニークな由来があるなか、今年2月に発売する新商品は「かつお」となりました。
現在も販売中の「のり弁の秘密 鰹ふりかけ PREMIUM」で使っているカツオ節「本枯節」だけを使った商品。
ゴマや海苔を配合せず、カツオのうまみを味わってもらおうと企画しました。
鹿児島県枕崎市で加工された本枯節を主原料にし、必要な時に必要な量だけを自社工場で削っているそうです。
「商品名に関しては三島食品のアットホームな社風から誕生しました」と末貞さんは言います。
末貞さんが命名した「うめこ」「ひろし」がヒットしたことを受けて、今回も社長が名付ける流れに。
最初に頭に浮かんだのが「かつお」でしたが、インパクトが足りないと思ったそうです。
素材や削りたてにこだわっているからと、「けずる」や「かんな」を提案するも、社員の反応はいま一つ。
普段から散歩をしながらアイデアを練るそうですが、半年経っても良い案が浮かばず、当初案の「かつお」を提案したそうです。
「徹底的に素材にこだわったんだからシンプルに『かつお』くんで行こうよと提案したところ、周りの人たちも『まあよかろう』ということで決まりました」
パッケージは三姉妹やうめこ、ひろしに通じるシンプルなデザインに。
その理由については、こう説明します。
「当社はテレビCMなどのプロモーションに費用をかけず、その原資をより高品質の原材料へ使用する考え方で歩んでいます」
小売店に並んだ時、三島食品の商品であることを認識しやすいよう、統一感を持たせているといいます。
また、いずれの商品も価格帯を合わせることで、小売店が販促企画を立てやすくなるようにしているそうです。
原材料へのこだわりは、2020年から2021年にかけて販売していた「あおのり」にも表れています。
従来「青のり」として販売してきましたが、スジアオノリが不漁だったためウスバアオノリとヒラアオノリで代替することに。
香りや滑らかさで劣ることから、「青のり」ではなく別商品の「あおのり」として内容量を少し増やして販売したのです。
新商品の「かつお」について、末貞さんはこう話します。
「自称、本枯節大使として多くの方に本枯節を広めたいと思っています。どうぞ、『かつお』くんをよろしくお願いします」
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