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大相撲1月場所に起きた異変……行司装束にモンスターボールが!
ポケモンコラボ、実現させた担当者の思い
行司さんの装束の柄がモンスターボールに、懸賞旗に続々とポケモンが登場……! 大相撲1月場所でのポケモンとのコラボがSNSなどで話題になっています。装束や化粧まわしは、ポケモン社のデザイナーが「相撲文化」とポケモンを重ね合わせ、職人に依頼して制作したというこだわりぶり。いったいなぜ、こんな企画が生まれたのか。コラボの理由と反響を聞きました。
相撲観戦が趣味の記者。1月場所の初日に訪れた時、場内の〝異変〟に気づきました。国技館内にはポケモンの化粧まわしが飾られ、幕内の取組にはほとんどポケモンの懸賞旗がかかるのです。
午後にはピカチュウとマクノシタがロビーに登場。相撲ファンも写真を撮りまくり、大喜びでした。
お孫さんからポケモンの説明を受けてニコニコと話を聞くおじいちゃんがいたり、配布されたピカチュウの紙製サンバイザーをつけて喜ぶ子どもたちがいたり……。会場では、このコラボによる「世代間交流」が起きていました。
株式会社ポケモンに取材すると、コラボ企画が検討され始めたのは2021年6月ごろ。日本相撲協会側と縁があり、ポケモンを介してなら、子どもやその親を含めた若い世代にもっと相撲を知ってもらえるのではないかという話が持ち上がったそうです。
ちょうど21年はポケモンのゲームが誕生して25年の節目の年。ポケモンは、単なる「子どもに人気のゲーム」ではなく、世代を超え親しまれ、世代間をつなげるコミュニケーションツールという面も持ちつつありました。
株式会社ポケモンの北村壽四郎さんは「1500年以上の長い歴史を持ち、親しまれている相撲。ポケモンもそんな風に末永く愛され、長い歴史を紡いでいきたいという思いがありました」と振り返ります。
「双方の魅力を組み合わせることで、より多くの人に注目してもらえるのではないかと思いました」
1月場所のコラボ企画の目玉のひとつは、ポケモン社のデザイナーがデザインし、京都の西陣織の職人に依頼して完成まで4カ月かかった行司さんの装束だといいます。
幕内の行司が着る装束は、ゲームボーイでプレイしたポケモンの原点に立ち返り、地紋にゲームのドット柄が採用されています。
北村さんは「いちからポケモンを捕まえ、チャンピオンを目指す主人公。相撲も横綱という頂点に上り詰めるところが重なり合うと弊社デザイナーが考えました」とコンセプトを明かします。
三役行司の着る装束では、ピカチュウの紋のしっぽは「つながり」を表現。モンスターボールの紋では、草・炎・水タイプの3匹からポケモンを選ぶ「物語の始まり」も表しています。
<ポケモンコラボ>
— 日本相撲協会公式 (@sumokyokai) January 15, 2022
今場所は行司装束もポケモン仕様が!
全7種類の装束をご案内します🙌
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相撲にとっても縁起のいい「勝ち虫」がトンボであることから、ヤンヤンマというトンボにすがたが似ているポケモンも採用。協会の紋である桜も取り込み、末広がりの「扇」には「ポケモンも相撲も、より発展していく」という願いを込めました。
そしてピカチュウとハリテヤマが登場する化粧まわしも注目です。
浮世絵テイストでデザインされたピカチュウと、張り手が得意なハリテヤマが躍動感にあふれて配置されています。
担当者は「博多織の職人に依頼し、立体感にこだわってもらいました。『会心のでき』と職人さん自身がおっしゃるのも納得の、すばらしい化粧まわしに仕上げていただきました」と話します。
さらに1月場所では、幕内の取り組みに257本の懸賞旗が掲出されています。
来場しない子どもにも相撲を知ってもらおうと、ポケモン公式YouTubeチャンネルの一つ「ポケモン Kids TV」には、元横綱・稀勢の里の二所ノ関親方が登場。国技館を案内したり、マクノシタと7番勝負をしたりしています。
もともと相撲をテレビで観るのは好きだったという北村さんですが、「現地で観戦したり、文化・歴史を改めて学んだりするうちに、一層相撲にハマってしまいました」と笑います。
特に立ち合いの「間」に魅了されているそう。「『この刹那に全てが決まる』という雰囲気がいいですよね。それぞれの力士が集中して、いつ手を置くか、どこから攻めるか、駆け引きもすごく面白い」と語ります。
「中継でポケモンの懸賞旗に気づき、報告くださる方も多いです。相撲協会の方からは『ポケモングッズを身につけた来場者が多い』と報告をいただきました。ポケモンを通して、相撲そのものの楽しさや魅力も知ってほしいです」
これまでに発見されたポケモンは800種類以上。今回は「けいこを繰り返して強くなる」「力比べがとくい」といった特徴が相撲と共通点のあるマクノシタやハリテヤマが特に活躍しました。
広報担当者は「今回この2匹を初めて知った方もいるかもしれません。1匹1匹、それぞれの魅力を引き出すプロデュースが私たちの仕事。これをきっかけに知られざるポケモンの魅力も知ってもらえたらうれしいです」と話しています。
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