【大賞】ママじゃない私のための(えぽ著)
通りかかったショーケースで見つけた「一目惚れ」のネックレス。でも、子育て中に買ってもつけられないし、このお金でいろいろ買えるし……。
子どもが優先になり、「自分のためだけの買い物」に踏み切れない。そんな風に悩む女性の思いに、多くの人が共感するのではないでしょうか。
読んでいて、大好きなNetflixのリアリティー番組「クィア・アイ」を思い出しました。特に美容担当のジョナサンの「自分自身もケアしてあげて」という言葉にいつも励まされています。
子どものことを思う忙しいお母さん。「たった30分、身につける」「誰に見せる為でもない」というシーンに胸が熱くなりました。自分へのケアの時間が、少しでも持てますように。(選評:水野梓)
【入賞】スウェーデン旅行(sakuraberry著)
「どうしてスウェーデンへ行きたかったのか?」
作品の後半でこの疑問が回収される場面では、目頭が熱くなりました。
生きる意味が分からなかった苦しい子ども時代。対比するように描かれた夕焼け空や「ニルスのふしぎな旅」など情景の美しさ。不安一杯でチケットを購入した作者が、顔を覆った描写には、また、もらい泣き。
作品の構成とタッチが丁寧で、私自身が子どもと大人の境目で経験した「決断」とその「喜び」を鮮やかに思い出しました。
「自分の力で世界を広げていくことができる自信と希望」という最高の価値あるもの。
今は旅行がなかなか難しい時代かもしれませんが、どんな形であれ、大人になる前に誰もがこんな経験ができるよう、願って止みません。(選評:松川希実)
【入賞】夢の結婚式(みりこ著)
この春、引っ越しを考えている人も多いかと思います。中にはマンションを買おうと思っている人もいるかもしれません。でも、実際に住んでからより、部屋探しの方がテンション上がることってありますよね。むしろ、そっちの方が〝本丸〟のような気がしてくるくらいです。
アイドルオタクのみりこさんが描いてくれた理想の結婚式。気持ちいいくらいの妄想を全開していますが、もうこの時点で目的を達成しているのではないでしょうか。ここまでの妄想を生みだせた「ヲタ活」は自信を持っていいレベルです。
実際にできることには限界があります。その人の環境にも左右されるでしょう。でも妄想は無限です。最後のオチとともに「何をもって幸せとするか」を問いかける、深くて明るい作品でした。(選評:奥山晶二郎)
今回ご紹介できなかった応募作品は、コミチのサイト(https://comici.jp/stories/?id=465)でご覧ください。ご応募いただき、ありがとうございました!
withnewsは2018年10月から、マンガのSNSを運営する「コミチ」とコラボ企画を始めました。毎月のお題に沿って、身近な出来事や思い出をストーリーにした作品を募集しています。
1月のお題は「#わたしの伴侶」です。
パートナーと共に歩むことを決めた瞬間、自分に力をくれる〝伴侶動物〟や大切なものとの出会いなど、あなたの「伴侶」とのエピソードをお待ちしています。締め切りは1月30日です。