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ネットの話題

オタクの老後、どうする?SDGs風行動指針「学びが深い」と話題に

人生を豊かにする17項目の提言

最近、ニュースで取り上げられる機会が増えた「SDGs」。その「オタク版」の解説画像が、ツイッター上で人気を集めています。
最近、ニュースで取り上げられる機会が増えた「SDGs」。その「オタク版」の解説画像が、ツイッター上で人気を集めています。 出典: しげのさんのツイッター(t_shigeno)

目次

昨今、メディアが盛んに報じるようになった「SDGs」。より良い世界を目指す上で、分野ごとに定められた、社会課題を解決するための国際目標を指します。この概念にインスピレーションを得た「オタク版」SDGsの画像が、ツイッター上で人気です。大好きなものを愛で続けるための行動指針は、なぜ生まれたのか。作者に聞きました。(withnews編集部・神戸郁人)

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SDGsと同じ17項目の目標

「Sustainable Otaku Goals(SOGs=持続可能なオタク目標)」。昨年12月下旬、そう名付けられた画像がツイートされました。

本家SDGs(Sustainable Development Goals=持続可能な開発目標)は、貧困や飢餓の撲滅・ジェンダー平等の達成など、17項目から構成されています。SOGsが設定する目標も、同じく17個です。

1 健康を大切にしよう
2 社会生活と両立させよう
3 お風呂に入ろう
4 経済を循環させよう
5 推しは推せるうちに推そう
6 適切な課金と貢献を
7 楽しんで続けよう
8 良い人間関係を構築しよう
9 人は人 自分は自分
10 正しい情報を得よう
11 法令とマナーを守ろう
12 所有物を大切にしよう
13 消費だけでなく発信しよう
14 内にも外にも冷静な目線を
15 後進を育成しよう
16 変わる勇気 休む勇気
17 不測の事態に備えよう

これら端的な呼びかけ文に、ピクトグラムを組み合わせることで、視覚的にメッセージが理解できるつくりとなっています。

「全ての項目が的を射ている」「夢中になると忘れがちなことばかり」。ツイートにはたくさんのコメントが寄せられました。自らの趣味との向き合い方に、SOGsの内容を照らし合わせ、達成度を測る人々も少なくありません。

「Sustainable Otaku Goals(SOGs=持続可能なオタク目標)」の解説画像。
「Sustainable Otaku Goals(SOGs=持続可能なオタク目標)」の解説画像。 出典:しげのさんのツイッター(t_shigeno)

オタク仲間との会話から発想

画像を手掛けたのは、40代後半の会社員・しげのさん(@t_shigeno)さんです。「秋葉原に住む」がテーマの評論や、鉄道に関する同人誌を制作。コミックマーケット(コミケ)を始めとした同人誌即売会にも参加しています。

SOGsを考案したきっかけについて聞くと、こんな答えが返ってきました。

「十数年の付き合いがあるオタク仲間と、今後も趣味を続けるのに必要なことについて、前々から雑談していました。『健康が一番大事だね』とか、『オタクの老後』『オタクの終活』をどうするか、とかいった具合です」

「その中で、『SOGs』というタイトルを思いつきました。そこで、オタク活動の持続に必要な項目を、列挙してみようと思い立ったのです」

心がけたのが、汎用性を担保することでした。一般に思い起こされやすい漫画・アニメに留まらず、ゲームやアイドル、ガジェットに鉄道など、様々なジャンルを愛する人々が使えるものにしたといいます。

「例えば5の『推しは推せるうちに推そう』は、アイドルの『推し活』を想定しているとみられがちかもしれません。しかし鉄道に当てはめれば、『(路線や車両が廃止になる前に)乗れるうちに乗ろう』とも言い換えられると考えています」

SDGsが「目標」を強く打ち出すのに対し、SOGsの場合、「~しよう」という行動指針となっているのも特徴的です。この点が、「地に足が着いている」と捉えられたのではないか――。しげのさんが、ヒットの要因を分析します。

「健康」は何よりも大切

大学時代、鉄道研究会に入っていたという、しげのさん。1996年冬のコミケに参加して以来、同人活動を続けてきました。時が経ち、結婚や妊娠・出産、転勤などがきっかけとなり、趣味を離れたオタク仲間も多いといいます。

「人生の後半を迎えた今、オタク趣味を続けるには何が必要か。SOGsは、それを自分なりに考えてみたものです。まず暫定版の11項目を公開したところ、かなりの反響や意見が届きました」

「暫定版の11項目は『自分が趣味を続ける』ためのものでした。一方、画像を見た人々は『情報発信』『後進の育成』『オタクコミュニティの持続』に多く言及したのです。そこで該当する項目を追加し、希望を受けて英語版も作ってみました」

そしてSOGsには、自らの経験も反映されています。

一例を挙げると、最近、友人と健康について語らう機会が増えました。約3年前、40代前半の同人仲間が、脳出血で急逝したこともあります。こうした点から、1の「健康を大切にしよう」は最重要と感じているそうです。

健康がなければ、何もできない――。そんな思いを込め、英語版では”No Heath, No Life”と訳しました。あえて”No Otaku Life”としなかったのは、「健康第一」の考え方が、生活一般にまで及ぶと考えたからです。

「とはいえ、自分でも全部を実践できているとは思えません。特に心がけているのは、1・7・9・14・16あたりです」
SOGsの英語版解説画像。
SOGsの英語版解説画像。 出典:しげのさんのツイッター(t_shigeno)

「可能な範囲で、できることを実践して」

画像を見た人々からは、「推している物事がある全ての人々に見て欲しい」などの感想が上がりました。いわゆるオタク層以外にも、共感の輪が広がっています。この状況を巡って、しげのさんは次のように語りました。

「一口にオタクといっても非常に幅広く、ジャンルにより活動内容は異なります。だから、なるべく幅広いジャンルに当てはまり、生活の送り方に関する情報まで含めました。結果として、趣味に限らない範囲まで網羅できたのかなと思います」

そしてSOGsの実践方法については、こう話します。

「17項目全部を実践する必要はありませんし、難しいと考えております。私自身もできていない部分はあります。可能な範囲で取り組むのが良いと思います」

「オタクの方に限らず、多くの皆さんに笑いと話題を提供できたのであれば幸いです」

※記事中「17 不慮の事態に備えよう」としていた部分を、「17 不測の事態に備えよう」と直しました。(1月6日)

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