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連載

#80 #となりの外国人

「なんでうちにサンタさん来ないの?」 日本のフツウが分からない

25日朝の友達との話題で気付く違い

「12月25日の朝になると、日本の子どもはみんな『サンタさんからプレゼントをもらった』という話をします」(イラスト・逸見恒沙子)
「12月25日の朝になると、日本の子どもはみんな『サンタさんからプレゼントをもらった』という話をします」(イラスト・逸見恒沙子)

目次

教科書にも、辞書にも載っていない「日本のフツウ」。違う文化で育ち、日本で子育てをしている外国人の親たちが集まる子育て勉強会を見ると、そんな「フツウ」が、実は誰にとっても、ちょっときゅうくつだったかも、ということに気付かされます。

今回は12月の年末年始特別回。モンゴルから来たザヤさんが、日本のクリスマス、年末年始で驚いたことのお話です。

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日本のフツウ?


年末年始
12月から1月は、クリスマスや年越し、新年のお祝いなどイベントが続きますが、その習慣は国によってそれぞれです。近年年越しイベントなども増えてきましたが、日本伝統の年越しは、他の国に比べて静かで厳かです。

 
イラスト・逸見恒沙子
イラスト・逸見恒沙子

プレゼントを渡す日はいつ?

24歳で日本に来るまでの間、私はずっとモンゴルにいました。もちろんクリスマスも年末年始も、モンゴルのことしか知りません。それが当たり前だと思っていましたが、日本に来て、だいぶ違うことがあって驚きました。

一番違うのは、クリスマスの日にちです。モンゴルは仏教の国ですが、日本と同じように「クリスマス」というイベントがあります。

ただ、クリスマスは12月25日ではありません。12月31日、ニューイヤーイブの日にクリスマスもお祝いします。親が子供にプレゼントを渡すのも、31日です。だから日本で子どもを産んで、夫が24日夜にプレゼントをあげたときはびっくりしました。

(イラスト・逸見恒沙子)
(イラスト・逸見恒沙子)

サンタと言ったら「青い服」の人

私は夫が日本人なので、それが日本の習慣だと、子どもがまだ小さいころに知りましたが、モンゴル人同士の夫婦だと、子どもが幼稚園や小学校に入ってから知ることも多いそうです。

12月25日の朝になると、日本の子どもはみんな「サンタさんからプレゼントをもらった」という話をします。その話に入れなかったモンゴル人の子どもが、家に帰ってから「なんで自分にはサンタさんが来ないの? 悪い子だったからかな」と言ってきて、親が慌てて準備したという話も聞きました。

ちなみに、モンゴルのサンタさんは、日本とだいぶ違います。まず服は青。背中に大きなマントをつけています。白い髭を生やしているのは同じですね。そして親の職場の誰かが、青い服のサンタの役をします。年末になると子どもを職場に呼んで、子どもはサンタさんから直接プレゼントをもらいます。

イラスト・逸見恒沙子
イラスト・逸見恒沙子

静か過ぎる年越し

12月31日のニューイヤーイブは、モンゴルの一年の中でも一番大きなお祝いです。

私がモンゴルにいたころは、まだスーパーなどが少なく、食料品を買い集めるのは大変でした。それでもこの日は大人が頑張ってごちそうやワイン、ケーキを買ってきて、夕方から夜遅くまでお祝いします。家族や親戚にプレゼントを贈るのもこの日です。テレビではずっと踊りや歌などの番組をやっています。

日本の年越しは、私が知っているものと全然違いました。日本に来て、最初の年末、夫は冬休みに入ると、ずっと掃除していました。「どうして今掃除をするんだろう」と思いながら、私も一緒に家中を掃除しました。

31日も、すごく静かでした。夫が「ボクシングを見たい」と言って、テレビで静かにボクシングを見ました。「ここからどうなるのかな?」と思っていましたが、夜遅くに蕎麦を食べて、それで終わりでした。

「これが日本の年越しなんだよ」と言われて、「そうなんだ!」とびっくりしました。その後夫の実家にも行きましたが、たしかにみんな静かに年越しをしていました。

イラスト・逸見恒沙子
イラスト・逸見恒沙子

モンゴルと日本、それぞれの「フツウ」

日本の年末年始は、モンゴルの2月の雰囲気に少し似ています。モンゴルの正月は旧正月なので、2月にお祝いします。大掃除をして、正月のお祝いをします。だから、日本にいる今も自分の中にその習慣があって、いまは、日本の慣習に合わせて12月、そしてモンゴルの慣習である2月にも大掃除をしてしまいます。

モンゴルにいる親からも「お正月(旧正月)には、ちゃんと掃除をして、モンゴル料理を作りなさい」と電話がかかってきます。今は日本の習慣に慣れてしまったので、親にはいい返事だけして、モンゴル料理は作らないことが多いです。

モンゴルの正月料理といえば、「ボウズ」です。ボウズは中国料理の小籠包に似た、小麦粉の皮で羊などの肉と玉ねぎのみじん切りを包んだものです。作るときは、小麦粉をこねて皮を作るところから始めます。正月には、一つの家族につき、3,000~5,000個作ります。モンゴルは寒いので、外の倉庫に置いておくと自然に冷凍されて、お正月休みの間、長期で保存ができます。

日本はお正月に、年賀状で挨拶をしますよね。モンゴルは人と会って交流することが多いです。だからお正月には、親戚や友人に自分の家のボウズを食べてもらうこともあるし、反対に他の家のボウズを食べることもあります。

ボウズが小さいとケチだと思われるので、大きくします。中国の小籠包の二回りくらいは大きいです。ボウズには家のプライドがかかっているので、一生懸命作ります。

イラスト・逸見恒沙子
イラスト・逸見恒沙子

日本では、お正月に楽をするために、長く食べられるおせちを作ると聞きました。モンゴルのボウズは、みんなで一緒に作って食べて、お祝いすることが目的です。

モンゴルではお年玉を子どもにあげる習慣はありませんが、逆に年上の人(お年寄り)にお金を渡す文化があります。モンゴルにいるときは、それがフツウで当たり前だと思っていました。

日本に来て、全然違うところもあれば、少し似ているところもあって、面白いねと思います。

ひらがなネットめも


年末年始の習慣は国によって色々です。詳しく聞くと、驚くような違いがあったりします。周りに外国出身の方がいれば、ぜひ聞いてみてください。その話をきっかけに、仲良くなれたら素敵ですね。

ちなみに、ひらがなネットのスタッフで、タイ出身のエドにも年末年始について聞いてみました。タイは仏教徒の国なのでクリスマスはなし。本当のお正月は4月で、その時期に長いお休みがありますが、12月・1月にも年末年始の休みがあるそうです。

2回もお正月があるなんて、なんだか不思議で羨ましいです。

★ひらがなネットでは、外国人と日本人が一緒に歩く散歩ツアー「みんなで散歩」を、毎月開催しています(8月を除く)。
2022年の1月22日(土)は、タイ出身エドもガイド役で参加し、神楽坂~九段下を歩く「新年散歩」。くわしくは、ひらがなネットのウェブサイトをご覧ください。 

 

【#日本のフツウが分からない】この記事はひらがなネットとの共同企画です。子育てやご近所づきあい、仕事……。日本では「常識」として、言葉にしていない独特の文化があります。でも、「当たり前」だと思って飲み込んでいるだけなのかもしれません。育った文化や習慣と違う日本で生活している外国人ママたちの視点でみると、不思議なものとしてうつっている「日本のフツウ」。どうしたらみんなにとって生きやすい社会になるのか、一緒に見つめてみませんか?

記事の感想やあなたがモヤモヤしていることを、#日本のフツウが分からない を付けてツイートしてください

 
 

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