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連載

#45 「きょうも回してる?」

日産フィガロをガチャで徹底再現 工場で嫌がられてもこだわった部品

車好きも満足、オープンカーのこだわり

タカラトミーアーツが発売した「日産フィガロ・コレクタブルミニカー」(写真はエメラルド)=いずれも筆者撮影
タカラトミーアーツが発売した「日産フィガロ・コレクタブルミニカー」(写真はエメラルド)=いずれも筆者撮影

目次

子どもだけでなく、大人にも人気の自動車のガチャガチャ。大人向けの商品では、実車の再現度合いも大きなポイントとなってきます。11月に発売された名車「日産フィガロ」は屋根の取り外しができ、オープンカーの仕様も再現しています。手間ひまがかかった開発の裏側をガチャガチャ評論家のおまつさん(@gashaponmani)が取材しました。
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ガチャガチャ評論家おまつの「きょうも回してる?」

増える大人ターゲットのガチャ

1980年代に駄菓子屋を中心に売り場があったガチャガチャは、子どもが手軽に買える玩具のひとつでした。

現在はショッピングモールや大型スーパーマーケットにも売り場が拡大し、子ども以外も魅了する商品が増えてきました。大人をターゲットとした自動車をはじめ、鉄道、戦車といった乗り物などの商品は、今では当たり前のように見かけます。

「いつかはフィガロをガチャに」

大人向けの商品を先駆けて作ったメーカーが、タカラトミーアーツです。

前身の「YUJIN(ユージン)」時代から、「カプセルプラレール」や「カプセルトミカ」といった子ども向けシリーズを立ち上げてきた一方、自動車や戦車などをそろえた大人向けブランド「ホビーガチャ」は、約20年続くシリーズになっています。

ホビーガチャは、名車・バイク・戦艦・飛行機などをそれぞれの特性に合った規定スケールで表現していくことをコンセプトに受け継がれてきたシリーズです。現在そのバトンを引き継ぐ一人が、ガチャ・キャンディ事業部の森田和奏さんです。

今回は、森田さんがボビーガチャシリーズで担当した「日産フィガロ ・コレクタブルミニカー(以下、フィガロ)」を紹介します。

「日産フィガロ・コレクタブルミニカー」のラインナップ
「日産フィガロ・コレクタブルミニカー」のラインナップ

フィガロは、森田さんが今年4月に発売した「ホビーガチャ 日産フェアレディZ432 コレクタブルミニカー」に続く第2弾のホビーガチャで、11月下旬に発売されました。

「昔から好きだったフィガロをいつかは商品化したかった」という森田さん。フィガロが生誕30周年というタイミングもあって、今年初めに企画がスタートしました。

森田さんはフィガロについて、「近年の自動車に比べ、レトロでありながら近未来的な要素を感じる素晴らしい自動車です。美しい曲線的なフォルムにはスタイリッシュさがあり、レトロフューチャー的な魅力を感じます」と熱を込めて語り、「フォルムの美しさ、そしてスタイリッシュ魅力をホビーガチャクオリティで表現したかった」と、商品化を進めた理由を教えてくれました。

「日産フィガロ・コレクタブルミニカー」(写真はペールアクア)
「日産フィガロ・コレクタブルミニカー」(写真はペールアクア)

「見たことない」と言われても徹底再現

ガチャを作る上で森田さんは「マニアの方でも満足してもらえるような、もう一歩踏み出したこだわりを大事にしている」と言います。

ホビーガチャシリーズにはこれまで築き上げてきた技術とクオリティがあります。「プレッシャーでもありました」と森田さんは語りますが、フィガロにもそのDNAは詰まっています。

それは、実車と同じくオープンカーに変えられるよう、屋根の部分は取り外しができるギミックで仕上げたことです。屋根を外すと、精密に再現した車内のインテリアもじっくりと鑑賞できます。

車内もインテリアも精密に再現
車内もインテリアも精密に再現

このギミックをめぐっては、生産チームから「今まで見たことがない」と言われたそうです。普通なら、取り外さなくても実車と遜色はありません。しかし、あえて作業工程の手間を増やしました。実車に忠実に再現したいという森田さんの熱量を感じさせます。

森田さんは「フィガロはオープンカーです。そこはしっかりと抑えておきたい。どういう構造にすれば、車体の屋根が外れるか何度も生産チームと会議を重ねました」と言い、「生産工場で嫌がられながらも、コンマ何ミリのパーツをこだわりました」と振り返ります。

オープンカーを忠実に再現
オープンカーを忠実に再現

子どもが遊ぶミニカーは遊具的用途が多いですが、ホビーガチャには、車好きでも満足できるクオリティの高さや古き良き思い出を懐かしむことができるよう表現されています。例えば、自動車のミラーも端を折らず、丸みのあるヘッドライトも透明PSパーツにして、実車の再現度を徹底的に高めました。ここが「普通のミニカー」と「ホビーガチャ」との違いです。

初めて試作ができたとき、森田さんは完成度の高さに感動すら覚えたそうです。「今までは、塗装が汚かったり、ムラがあったりするケースが多かったのですが、今回のフィガロは高いレベルに仕上がっており、ホビーガチャのクオリティとして申し分ないと感じました」

このフィガロはホビー的な要素も含んでおり、あえてボディの色を成型色(材料に色を付けて成型したもの)にしています。「ここまで綺麗な成型色が出せたことはすごいと思います。ホビーが好きな人からしたら、成形色の方が塗装やリペイントがしやすい。プラモデル要素としてカスタムしてもらっても構いませんし、お客様自身でこだわりのアレンジしていただき、楽しんでもらいたいです」(森田さん)

実車の再現度を徹底的に高めた「日産フィガロ・コレクタブルミニカー」
実車の再現度を徹底的に高めた「日産フィガロ・コレクタブルミニカー」

名作映画やSFからも構想

今後のボビーガチャの展開について、森田さんは「もちろんフィガロのような実車の方向性も踏襲しつつ、名作映画に登場する車や、SF作品などのガジェットを持つ車なども商品化し、ホビーガチャに新しい要素を積極的に加えていきたい」と最後に抱負を語ってくれました。

ガチャのなかで、ずっと変わらないものと今でも新しさを感じさせるシリーズ。それがホビーガチャです。

     ◇

「日産フィガロ・コレクタブルミニカー」はエメラルド、ラピスグレー、ペールアクア、トパーズミスト、ブラックの全5種類。1回400円。

ガチャガチャ評論家おまつの「きょうも回してる?」
この連載は、20年以上業界を取材しトレンドをチェックしているおまつさんが注目するガチャガチャを毎週金曜日(原則)に紹介していきます。

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ガチャガチャ評論家・おまつ(@gashaponmani
ガチャガチャ業界や商品などをSNSで発信中。著書に「ガチャポンのアイディアノートーなんでこれつくったの?ー」(オークラ出版)。テレビやラジオなどのメディアへの出演や素材提供も多数ある。
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