ネットの話題
表紙の犬がドヤ顔になった? 改訂版「英単語ターゲット」が話題に
「ドヤ顔」に見えます?
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「ドヤ顔」に見えます?
旺文社が刊行している「英単語ターゲット」シリーズ。そのうちの一つの表紙に登場している犬の「ドヤ顔」が先日、ツイッターで注目を集めました。新しい表紙の狙いと、犬を起用し続けている理由を取材しました。
英単語ターゲットシリーズは、「入試に出る順」に単語が掲載されていて、効率よく単語学習を行える点が特長です。
ラインナップは入門編の「1200」、共通テストや中堅私立大を目指す人向けの「1400」、難関私立大や国公立大を目指す人向けの「1900」となっています。
大学入学共通テスト開始に合わせて、2020年1月に8年ぶりに改訂。
1984年に創刊して以来、シリーズ累計で1900万部を突破しているロングセラーです。
話題になったのは、「英単語ターゲット1900 6訂版」です。
表紙に登場しているのはペーパークラフトのラブラドールレトリバーで、キリッとした目元が「ドヤ顔に見える」と注目を集めました。
「店頭で読者と視線が合うように、ペーパークラフト作家AJINさんの作品の特長で魅力でもある「目力(めぢから)」を、これまでどおり大切にしました」
そう説明するのは、第一書籍出版部ターゲット編集部の鈴木基弘さんです。
表紙に犬のペーパークラフトが登場したのは、2001年9月に刊行された「英単語ターゲット1900 3訂版」「英単語ターゲット1400 改訂新版」から。
当時の担当者がすでに退社しているため、犬を起用した理由ははっきりとわからないそうですが、三つの説があるそうです。
(1)犬には「標的(ターゲット)」を忠実に追いかけるイメージがあるから
(2)好きな動物として、犬の人気が高かったから
(3)ペーパークラフトに向いているから
(1)については、書名の由来のひとつである大学入試で出る可能性の高い単語に「的を絞った」と、犬が「ターゲット」を追いかけるイメージがピッタリだったというもの。
(2)は、当時は特に犬の人気が高く、この単語集が受験生にとって親しみやすく感じられるのではないかと考えた、という説。
そして(3)は、犬は他の動物に比べて種類や色・表現方法にバリエーションがあるため、ペーパークラフトのモチーフとして扱いやすかったから、というものです。
AJINさんの作るペーパークラフトが時代を問わず魅力的に感じられることもあり、「ペーパークラフトの犬が表紙にある本」として、高校生や先生たちに認知されるように。
最新の「英単語ターゲット1900 6訂版」の企画段階で、他の動物を起用する案も出たそうですが、「犬の単語集として認知されている」と判断し、継続することになりました。
犬種については、以下のような選定基準があるそうです。
・これまで起用していない犬種を選ぶ
・書籍レベルに応じて大型犬、中型犬、小型犬を選び、3点のバランスを見て選ぶ
・あまりにも個性的な顔や表情の犬は避けるなど、ペーパークラフトにしやすい犬種にする
・ペーパークラフトにしたときに元の犬種がわかりやすいものを選ぶ
ちなみに最新版では、1900がラブラドールレトリバー、1400がシェットランドシープドック、1200がパピヨンとなっています。
編集部や営業部では当初、ツイッターで話題になっていることに気づいていなかったそうです。
「AJINさんのペーパークラフトの特長・魅力は目力にあります。『ドヤ顔』に感じるかどうかは個人差があると思いますが、読者の皆さんに向けられた強い目力を感じ取ってくださったのであれば、魅力が十分に伝わったということだと思いますので、たいへん嬉しく思います」
そして、こう付け加えます。
「ぜひ、この1冊をとことん使い倒して、希望する大学の合格をつかんでいただければと思います」
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