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「選挙に行こう」だけではしんどい…だから「投票の手前」を考えたい

25~29日に開かれる無料のオンラインイベント「WILL FESTIVAL」。気候変動や働き方、選挙など七つのテーマによるセッションがある=NEWPEACE提供
25~29日に開かれる無料のオンラインイベント「WILL FESTIVAL」。気候変動や働き方、選挙など七つのテーマによるセッションがある=NEWPEACE提供

目次

衆院選という社会の未来を考えるタイミングで、政党や政治家の議論をするのではなく、社会課題に対して「わたしたちには何ができるのか」ということを、オープンに語り合いたい――。そんな無料のオンラインイベントが25~29日に開かれます。企画担当者は「『選挙に行こう』と呼びかけるのは大事だが、それだけではしんどい。気候変動・働き方・ジェンダー平等などといった目の前にある問題の輪郭をつかむ試みから始めたい」と話します。

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社会課題に対して企業や専門家が議論

イベント「WILL FESTIVAL」を開くのは、企業のビジョン作りや発信を手がける企画集団「NEWPEACE」です。

テーマは他に次世代の教育・多様性・新しい問いがあり、こうした社会課題に対して意志をもって向き合っている企業や団体、専門家が登壇します。例えば、気候変動のテーマは、メルカリの小泉文明さん、シューズメーカー・オールバーズの蓑輪光浩さん、パタゴニアの中西悦子さんが参加し、「地球規模の課題をいかに考え、どう行動につなげていくのか」といった視点で議論します。

そして最終日は「選挙」がテーマです。投開票日を2日前に控え「わたしたちは何を考えるべきか」という根源的な問いなどについて、選挙プランナーの松田馨さん、NO YOUTH NO JAPANの能條桃子さん、渋谷区議会議員の橋本ゆきさん、NEWPEACE thinktankの増沢諒さん、スローニュースの瀬尾傑さんが語り合います。

イベントは動画配信サイト「Vimeo」を使ってライブ配信。視聴者はチャットに意見や質問を書き込むことができ、登壇者と共有する時間も設ける予定です。「すべてを紹介することはできないかもしれませんが、登壇者と視聴者、視聴者同士でも『対話』が生まれたらいいなと思います」と企画を担当するNEWPEACEの渋谷麻里さん(31)は話します。

オンラインでの取材に応じた渋谷麻里さん
オンラインでの取材に応じた渋谷麻里さん

選挙で変わった実感ない

これまでの社会システムや価値観にとらわれることなく、すべての人や企業が自らの社会的意志を掲げ、自由に実践していける社会をつくることをミッションに掲げているNEWPEACE。広報を担当している渋谷さんは8月ごろから、代表の高木新平さんたち(34)と衆院選にどう向き合うか意見交換を始めました。

最初は、投票へ行くことを啓発する意見広告などがアイデアとして浮かびました。しかし、社内のメンバーからは「良い取り組みだとは思いますが……。そうした言葉で心が大きく動いたことはあまりないですね」と芳しい反応ではありませんでした。

それは、渋谷さんとともに企画を担当している照下真女さん(29)も同じ気持ちでした。「選挙に参加して、何かが変わったという体験を私たちの世代は実感したことがないと思うんです。それなのに、『選挙に行こう』とだけ言われ続けるのはしんどいなという思いはありました」

渋谷さんと企画を担当している照下真女さん
渋谷さんと企画を担当している照下真女さん

社会課題の輪郭つかむ機会に

前向きな気持ちで一票を投じようと思ってもらうためにはどうしたらいいか。渋谷さんや照下さんがたどり着いたのは「投票の手前」へのアクションでした。「政党や政治家のことを考える前に、ジェンダーや働き方といった目の前にある社会課題の輪郭がまだ、ぼやけていると思ったんです」(渋谷さん、以下同)

「何が問題で、このままの状態だとどうなってしまうのか。より良い未来にするためには何を変えたらいいのか。具体的な問題やその解決策が、多くの人からするとぼんやりしていると思って。そこに対してNEWPEACEとして、第一線でアクションを続けている企業や団体、専門家を招いて議論する場所をつくりました」

テーマは、社内へのヒアリングも参考にして決まりました。慶応大教授の安宅和人さんとワンキャリアの北野唯我さんによる次世代教育のセッションは、1歳の息子がいる渋谷さんがやりたかったテーマです。人選も机上の空論にならないよう、各回とも現場目線で語ってもらえる人を意識したといいます。

視聴は無料ですが、事前申し込みが必要になります。20日の募集開始からすでに2600超の応募があり、定員も増加されました。「どう捉えられるか分からない部分もありましたが、想像以上の反響があってうれしいです」と渋谷さん。最後にこうコメントを寄せました。

「どのテーマでもいいと思うので、一つでも『このままではいけないな』という問題の輪郭をつかんでもらえれば。そこから、『自分の選挙区の候補者はどう言っているんだろう』と選挙に対しても心が動いてくれれば、開催する意味があると思います」

「WILL FESTIVAL」の詳細はこちら

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