連載
#81 コミチ漫画コラボ
親に隠れてマヨネーズ、おいしかったはずが…マンガで描く「ひと皿」
コミチ×withnewsコラボで大賞に輝いたマンガは?
母が祖父の入院に付き添うことになり、不在に。自分でつくった「ハムマヨ焼き」をおやつ代わりに食べていた女の子ですが、だんだんおいしく感じなくなって……。
小さな頃によく食べていた「思い出の味」ってありますよね。小学生の頃、仕事で遅くなる母が作り置いてくれた「おでん」を温めて、好きな具材だけ食べた「特別感」を思い返しました。
一方で、コロナ禍で「誰かと食べる喜び」も改めて感じます。マンガの女の子からも、お母さんと食べるうれしさが伝わってきてジーンとしました。「いま作っても、当時の感動の味を超えられない」という振り返りにも、思わず頷きました。(選評:水野梓)
料理は好きだけど要領がちょっと悪いぼく。吹き出しとナレーションを上手に使い分けたことで、妻への感謝の思いが丁寧に伝わってきます。
吹き出しで描くのは目の前の作業に没頭する姿。ナレーションではそんな自分にツッコミを入れるバランスの良さが光ります。
何げない会話のやりとりに潜むかけがえのない時間。家族との〝いつもの食事〟を大切にしている作者の日常が浮かぶ作品でした。(選評:奥山晶二郎)
家事を一切やらない「ボス猿父ちゃん」から、一度だけ作ってもらった弁当の思い出です。
ぺらぺらの卵焼きや、焼き目のないウインナー……。全力思春期&反抗期中の娘は、文句たらたら、それでも、慣れない台所で四苦八苦する父を想像しながら、一品一品かみしめます。
普段は口をきかない父娘の、不器用なコミュニケーションが、ひと皿に生き生きと描写されていて、目頭が熱くなりました。
手の込んだ手作り料理や、キャラ弁じゃなくても、子どもたちは「ひと皿」の向こう側にあるいろいろな思いを、時に敏感に感じとっているのかもしれませんね。私は冷食も好きでした!
ちょっと距離があるからこそ伝わる「弁当コミュニケーション」のご提案、うちもぜひ試してみたいと思います!(選評:松川希実)
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