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IT・科学

たかがメール、されどメール「即レス」ベンチャー社長のメール整理学

「仕事ができる人、できない人」を分けるメールボックスの状態

「仕事ができる人、できない人」を分けるというメールの整理。その極意とは?
「仕事ができる人、できない人」を分けるというメールの整理。その極意とは?

目次

Slackなどのチャットツールが生まれた今も、メールは大事なコミュニケーションのツールとして存在しています。一方、返信(レス)が遅い人と一緒に仕事をすると作業が滞ってしまうことも。新卒で総合商社に入り、大手広告会社を経て、ネット広告のコンサルティング会社を立ち上げた加藤公一レオさんは、メールの扱い方が「仕事ができる人、できない人」を分けると言います。シンプルなメールの構造は仕事を整理する究極の「TO DO管理術」になると断言。加藤さんがメールにこだわる理由、そして自ら編み出した『メール整理学』を解説してもらいました。

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“究極にシンプル”なTO DO管理法『メール整理学』

私が長年実践している“究極にシンプル”なTO DO管理法とは、その名も『メール整理学』である。『メール整理学』とは、仕事上の自分のTO DOをすべてメールで管理する方法だ。

その定義は実にシンプルである。

受信メールをフォルダー分けしたり、フラグを付けたりするのが好きな人がいるが、余計なことは一切やらないでほしい。『メール整理学』では、フォルダー分けやフラグ設定などは100%不要である。

さまざまなフォルダーを作ってメールを分けてしまうと、フォルダーを行き来するだけで時間がかかるし、重要なメールが複数のフォルダーに分散することで抜け・漏れの原因になる。

そこで、『メール整理学』では「受信トレイ」と「送信トレイ」だけを使って、用が済んだメールはどんどん削除しながら、自分と相手のTO DOを管理するのである。

『メール整理学』の定義は超簡単。「受信トレイ=あなたのTO DO」「送信トレイ=相手のTO DO」。

以上である。

加藤公一レオ(かとう・こういちれお) 1975年、ブラジル・サンパウロ生まれ。アメリカで育ち、西南学院大学を卒業後、三菱商事入社。大手広告会社のアサツーディ・ケイ(ADK)などを経て、2010年に売れるネット広告社を設立
加藤公一レオ(かとう・こういちれお) 1975年、ブラジル・サンパウロ生まれ。アメリカで育ち、西南学院大学を卒業後、三菱商事入社。大手広告会社のアサツーディ・ケイ(ADK)などを経て、2010年に売れるネット広告社を設立

受信トレイ=あなたのTO DO

まず、受信トレイは「あなたのTO DO」とする。受信トレイには指示、相談、質問など対応が必要なメールが届く。『メール整理学』では、毎日届くこれらの大量のメールの中から、処理や返答が必要なものだけを残し、それ以外はどんどん削除するのである。

どうでもいい営業メールは当然ソッコーで削除するし、情報共有目的のメールも読んだらすぐ削除。処理や返答など何らかのアクションが必要なメールも、対応が完了した時点で削除してしまう。

アクションが済んだ時点でどんどんメールを削除し、受信トレイにメールをためないのが『メール整理学』なのである。

そうすることで、受信トレイは「アクションが必要なメールだけがTO DOとして残っている」という状態になる。タスク管理ツールなんか使わなくても、今どれだけのTO DOが残っているのか、一目瞭然だ。

この『メール整理学』をちゃんとやっていれば、受信トレイのメールは経験上10件ちょっとになるはずである。

「処理が終わったメールをどんどん削除するなんて、もしそのメールが必要になったらどうするの?」と思う人もいるかもしれないが、私の経験上、一度削除したメールはほとんど見ない。また、万が一必要になった場合はいつでもゴミ箱から検索して復活できるよう設定しておけば、困ることはない。

送信トレイ=相手のTO DO

受信トレイが「あなたのTO DO」なら、送信トレイは部下や同僚、取引先など「相手のTO DO」である。

つまり、送信済みメールは、「送信相手の未処理タスク=返答待ち」の管理用として活用するのである。誰かに回答の依頼や対応の依頼でメールを送ったら、相手がそれを完了するまでは送信トレイに残しておこう。

一方、単なる報告や情報共有、お礼などを目的に送ったメールは、送信後すぐ削除。送信相手が必要なアクションを完了していないメールだけ残しておいて、それ以外はどんどん削除し、送信トレイにメールをためないようにするのである。

ちゃんと相手にリマインドや催促をして処理してもらえば、送信トレイのメールは経験上、20件ちょっと程度になるはずだ。

1000件ためていた猛者

『メール整理学』は仕事の“基本中の基本”であり、それができているかどうかは、仕事の進捗管理に直結する。『メール整理学』が実践できていれば、依頼された仕事の納期に遅れることはないし、自分が依頼した仕事の納期を忘れることもない。

逆に、平気で納期に遅れる人や、自分が誰かに仕事を依頼したことも忘れるような人は、例外なく『メール整理学』が実践できておらず、トレイに何百件ものメールがたまっている……。

実は数年前、社員のメールの返信が遅く、仕事の期日遅れが頻発した時期があった。原因を突き止めるため、受信トレイを確認すると、数百件以上のメールがたまりまくっていたのである。中には、1000件以上もメールをためている社員もいた。これだけメールがたまっていれば大事なメールが埋もれてしまい、レスポンスが遅れるのも当然である。

ズバリ、『メール整理学』の実践度は、その人の管理能力そのものを表しているのである。

『メール整理学』実践のコツ四つ

『メール整理学』は、「受信トレイ=あなたのTO DO」「送信トレイ=相手のTO DO」と定義する “究極にシンプル”なタスク管理法だが、実践するうえでいくつかのコツがある。そこで、『メール整理学』をマスターして、「仕事ができる人」になるためのポイントをご紹介しよう。

(1)クライアントや上司のメールには“即レス”
私はこれまで、サラリーマン時代から現在にいたるまで、あらゆる部下や同僚、経営者を見てきたが、仕事ができる人には「レスが早い」という特徴がある。

「返信が遅い」というのは、ただそれだけで相手にストレスを与える。ちょっと想像してみてほしい。誰かがあなたに質問や仕事の依頼でメールを送っているのに、あなたが何日も返信しないままだと、メールを送ってきた人は仕事の一部が滞ったままになる。

しかも「あれまだ返信きてないよな、いつくるんだろう?」と考えたり、「あれ催促しないとな」と覚えたりするだけでも余計な労力がかかる。

返信する時点で対応が完了していなくてもいい。「承知しました。〇月〇日までに対応します」など、一次回答でもいいから即返信するのだ。それだけで相手は「この人はわかってるな」と感じ、信頼が得られ、評価アップにつながる。

(2)口頭で依頼しても改めてメール
コロナ禍でそんな機会も減ったかもしれないが、オフィスで仕事をしている場合、同僚や上司、部下に口頭でちょっとした仕事を依頼する機会が多いものだ。

タスクの抜け・漏れをなくすためには、口頭で依頼した場合であっても、改めてメールで対応を依頼する習慣をつけよう。そうすることで、相手の逃げ道をふさぐことができるだけでなく、「依頼したこと自体を忘れる」ということがなくなり、自分が依頼したタスクの期日を正確に管理することができる!

(3)依頼メールには“期日”を記載する
『売れるネット広告社』では、メールを送る相手が誰であっても、アクションを依頼するメールには必ず“期日”を記載することをルール化している。相手が上司であっても部下であっても、クライアントであっても、誰でもだ。

“期日”を記載しておかないと、対応を後回しにしたまま忘れてしまう人も多いし、“期日”を添えて依頼しないと、相手の対応が遅くても催促しにくい。反対に“期日”を記載すれば、過ぎていたら堂々と催促できるし、無理な“期日”を設定しないよう、早め早めに依頼するという習慣も付くのである!

一日の仕事が終わって帰宅する前には、自分の送信トレイを確認し、「もうすぐ期限ですよ」「期限過ぎてますがいかがですか?」とリマインドや催促をすることを習慣化しよう。

(4)TO DOは「自分宛にメール」
自分がやるべきTO DOは、 必ずしも“受信メール”という形で与えられるとは限らない。さまざまな情報収集をしたり、今後の戦略や計画を考えたりしているうちにふと「これはああすべきだな」「あれ何とかしないとな」と思いつくことも結構ある。

そんなときは、その場で「TO DO」として自分宛にメールをしてしまうのだ。そしてそのTO DOメールもほかの受信メールと同じように進捗を管理する。そうすることで“自分への約束”も抜け・漏れがなくなるのである。

「仕事ができる人」を決めるメール

最後に再度言うが、ズバリ「仕事ができる人、できない人の差」は、「『メール整理学』を実践している人、していない人」の差だ。『メール整理学』をやると、TODO管理が超正確になるし、レスも早くなるし、仕事が劇的に前に進む。

たかがメールと思わないでほしい。「仕事ができる人」というのは、相手の立場を想像し、余計な時間的・精神的コストを与えない人だ。相手がクライアントや上司であれば、“即レス”はなおさら重要になる。

メールの扱いは、けっして自分のためだけではない。一緒に働く仲間、ビジネスパートナー、ひいてはその先にいるユーザーにつながっていることを忘れないでほしい。

あなたも今日から、TO DOを劇的にシンプルにする『メール整理学』を取り入れてみてほしい。

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