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連載

#37 「きょうも回してる?」

卵かけご飯ガチャ「光らせる発想考えた人が天才」 制作者のひらめき

中央の黄身を押すと光る卵かけご飯ライト=いずれも筆者撮影
中央の黄身を押すと光る卵かけご飯ライト=いずれも筆者撮影

目次

TKGという略称も浸透し、多くの人から愛される卵かけご飯。見ているだけでお腹が空いてくるフォルムをキタンクラブがガチャガチャにしました。しかも黄身の部分を押すと光るライト付きです。「卵を光らせるという発想を考えた人が天才」という反響が出たほどの一作はどのように生まれたのか。ガチャガチャ評論家のおまつさん(@gashaponmani)が取材しました。
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ガチャガチャ評論家おまつの「きょうも回してる?」

SNSで「かわいい」「ほしい」

カプセルトイでご飯と言えば、思い浮かぶのがオリジナル商品で定評があるキタンクラブから販売されている「おにぎりん具」です。

このコラムでも紹介しましたが、今年3月に発売した第3弾までの累計販売数は120万個を突破するほどの大ヒットとなり、8月には第4弾も発売されました。おにぎりは日本のソウルフードと言える身近な存在であり、カプセルトイの親和性の高さがヒットした理由と言えます。

ご飯系のカプセルトイとして、キタンクラブが新たに仕掛けたのが、今回紹介する「卵かけご飯ライト」です。

卵かけご飯もTKGと呼ばれるほど愛される食べ物の一つです。専用の醤油が何種類も販売され、専門店も。歴史は古く、朝日新聞によると、江戸の料理本でも卵かけご飯は多く紹介されているそうです。また、10月30日は島根県雲南市でシンポジウムが開催されたのをきっかけに「たまごかけごはんの日」となっています。

そんな日本のソウルフードを商品化した卵かけご飯ライトは、茶碗に入ったご飯の上に乗った生たまごの黄身を押すと光る仕掛けとなっています。

今年5月下旬から発売して以来、SNSでは「かわいい」「ほしい」という声が上がり、あっという間に販売個数が約11万個を達成。ヒット商品となったことを受け、10月中には再販する予定です。

ヒット商品となったことを受け再販が決まった卵かけご飯ライト
ヒット商品となったことを受け再販が決まった卵かけご飯ライト

卵にひかれる自分がいた

「卵を光らせるという発想を考えた人が天才」。こんな反応もあったという卵かけご飯ライト。一体どのようなきっかけがあったのか尋ねると、グルメサイトを見ることが好きな企画担当者が料理の画像を眺めていたところ、ヒントを得たそうです。

「おいしそうな料理がたくさん並んでいるなかで、卵が乗っているものにパッと目がいきます。とくに卵好きではないのに、なぜか魅かれている自分がいました。卵かけご飯は、卵料理の王道であり、ビジュアルが強く、白身が透明なところもきれいです。ガチャガチャに落とし込むとしたら、ライトが合うのではないかと考えました」(企画担当者)

オリジナル商品は企画が命です。そして、毎月の点数が多く、新商品が出るスピードが速いガチャガチャ市場では、マーケティングも大事ですが、ものづくりに対する想いがないとお客様に商品の良さは伝わりません。手軽に買えるガチャガチャだからこそ、企画担当者が売り場でお客様が並んで買うイメージが湧くことも重要になっていきます。

常日頃から、「どういうガチャガチャを作りたいか」「ガチャガチャにしたら、どういうイメージ化になるか」というアンテナを張っているからこそ、広く支持されるユニークな商品が誕生したではないでしょうか。

ぷにぷにの触感のこだわり

商品化するうえでこだわった部分も企画担当者は語ってくれました。「おいしそうに見える造形と黄身が光るライトのギミックに苦労しました。開発当初は、卵白がなかなか透明にならず、最初できたサンプルは触った時の感触も硬かったです。できるだけ実物の白身に近づけるように、ぷにぷにの触感になるように調整しました」。また、黄身を押した時にきちんと光るよう、ボタンとライトの接触にも試行錯誤したことを明かしてくれました。

これらの課題を乗り越えた結果、「透明な白身と黄身の美しさを再現でき、卵黄を押すと光るギミックも実現できました」(企画担当者)。確かに商品を見ると、卵黄の絶妙な色合い、卵白の艶、そしてご飯の一粒一粒まで細部も丁寧につくられ、キタンクラブの強さが存分に表現された、ぬかりなしの仕上がりになっています。

卵かけご飯ライトは、おにぎりん具同様にカプセルレスとなっていて環境に優しい商品です。カプセルレスを採用することで、商品サイズをカプセルと同じ65㎜まで大きくできました。カプセルの下半分がそのまま茶碗になっており、満足感が得られる商品になっています。

カプセルの下半分がそのまま茶碗になっている
カプセルの下半分がそのまま茶碗になっている

また、末永くお客様に遊んでもらいたいので、電池交換ができるようにしてあります。繰り返し使える仕様にしたことは、企画担当者がお客様目線も大切にしていることも伝わってきます。

今までありそうでなかったガチャガチャ。それが卵かけご飯ライトです。

キタンクラブの広報の斎藤さんは「食品フィギュアとしてのクオリティが高いことはもちろん、光るギミックやぷにぷにとした触感もクセになり、目で見ても手で触れても楽しめます」と魅力を教えてくれました。実際に触ってみるとわかりますが、卵白のぷにぷにのやわらかい触感はクセになります。

     ◇

卵かけご飯ライトは、醤油がけ生たまご(白茶碗)、生たまご(黒茶碗)、濃い黄身の生たまご(金茶碗)の3種類。1回300円。

ガチャガチャ評論家おまつの「きょうも回してる?」
この連載は、20年以上業界を取材しトレンドをチェックしているおまつさんが注目するガチャガチャを毎週金曜日(原則)に紹介していきます。

     ◇
ガチャガチャ評論家・おまつ(@gashaponmani
ガチャガチャ業界や商品などをSNSで発信中。著書に「ガチャポンのアイディアノートーなんでこれつくったの?ー」(オークラ出版)。テレビやラジオなどのメディアへの出演や素材提供も多数ある。

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