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中高一貫校を中退、イギリスの高校に留学したYouTuberの「勉強論」

大人200人に調査「勉強する意味って何?」

YuzzyさんのYouTubeから
YuzzyさんのYouTubeから 出典: 【イギリス留学】日本人0高校のリアルな1日 Study abroad in the UK

目次

「勉強がそのまま仕事や日常生活に役立つとは思えない」。現在、YouTuberとして活動するYuzzyさんは、そんな挑戦的な問いを立て、中学1年生の時、200人の大人にアンケートをしました。中高一貫校を中退し、イギリスの高校に留学。土日は12時間も勉強漬けになる生活の中で見えた「それでも勉強する意味」について、聞きました。

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等身大の「日本人0高校のリアルな1日」256万回再生

日本人が1人もいないイギリスの高校の寮生活で、奮闘する様子を紹介したYouTuberが注目を集めています。

17歳のYuzzy さんは19年12月にYouTubeを始め、現在は1年半で登録者が18万人を達成した、YouTuberです。 タイやインドネシア、ドイツなど様々な国籍や性別の友人と仲むつまじく授業を受けたり、ランチを食べたり、自然な日常を映した「日本人0高校のリアルな1日」は8月1日現在256万回再生を記録しています。

日常の様子として伝えるのは、良いことばかりではありません。毎日毎日ジャガイモの「茶色い」食事ばかりの出てくる学食を日めくりで紹介。「ジャガイモは僕の中で普通になってしまいました」。

寮の隣の部屋の生徒が夜中にがんがん音楽を鳴らしていて、毎日睡眠不足になり、とうとうその部屋に乗り込んだことも。「自分から意見を言わないと駄目だ、と思い、成長しましたね」。

昼ご飯にはジャガイモが毎日のように出た
昼ご飯にはジャガイモが毎日のように出た 出典:YuzzyさんのYouTubeから

勉強する意味が分からない」→大人200人にアンケート

動画では、休日に12時間も勉強をする様子も紹介されていました。しかし、Yuzzyさんが、イギリスに留学するきっかけは「勉強する意味が分からなかったから」でした。

難関中高一貫校に進学したYuzzyさんは、中学1年のときに疑問を抱きました。「試験に向けた勉強をしていて意味があるのか?」「勉強がそのまま仕事や日常生活に役立つとは思えない」。最低限の試験勉強以外はゲームに没頭するなど、くすぶっていたといいます。

普通の中学生なら、そこで、勉強をさぼって遊んでしまったり、そのままレールに乗って試験勉強に没頭していたかもしれません。しかし、Yuzzy さんは行動に出ました。社会人200人にアンケートを取ったのです。

【当時のアンケートのページから抜粋】
試験前は部活などもなくなり勉強ばかりになります。勉強がそのまま仕事や日常生活に役立つとは思いません。
学校で習うことは幾つかの教科を通して問題への取り組み方を色々な方向から考える力を学ぶことだと思います。
しかし、それはあくまでも13年しか社会を経験していない僕自身の考えなので、勉強に一生懸命になれるまで納得できていません。
社会を経験している人たちから勉強とはどういうことなのかを聞き、勉強が本当に役に立つかを調べたいと思ったのがアンケートを作った理由です
当時のアンケートのwebページはこちら

お好み焼き屋店主やエステティシャン、エンジニア、ITコンサル会社…Yuzzyさんは、約115の職種の人にアンケートを取りました。その結果、分かったことがありました。「中学校のときにもっとしっかりやっておけば今の仕事に生かせた」という教科で圧倒的に多かったのが英語で29%だったのです。

Q2中学の時にもっとしっかりやっておけば、今就いている職業や日常生活にもっといかせたと思う科目はありますか?(複数回答可)の回答結果のグラフ
Q2中学の時にもっとしっかりやっておけば、今就いている職業や日常生活にもっといかせたと思う科目はありますか?(複数回答可)の回答結果のグラフ

企業訪問をして渡英を決意

さらに、ブログでYuzzy さんは中学時代についてこんなことを書いています。

【引用】
勉強は好きなわけではなく、良い点数を取り続けなければならないというプレッシャーからいやいや勉強しています。テストが終わったあとはやる気を完全に失い、ずっとゲームをしています。
そこで一時期いたった結論がこちらです。「うん、高校は行かないことにしよう」
このとき母からはこんな言葉が。「高校卒業していないと大学にいけないよ」

「あ、、、大学行けないじゃん。」
私は大学には自分の興味があることが学べると聞いているので行く意味があると思っています。そのため、大学を受ける資格は持っておきたいのです。

やりたいことをやりつつ高校卒業の資格が取れるところはないかなーなんて考えたりもしました。
私が一般的に大切だとされている勉強をしたくない理由を考えたときに将来に直接つながらないことが多いということが挙げられます。

だったら直接将来につながることなら頑張れるのでは?

将来につながること、、、

そうだ!働いている人達に会ってみよう!
ブログ「yuzzyの日記」

Yuzzyさんは、急に留学するのではなく、将来にどんな仕事をしたいのか、広い世界を見るために、海外の企業へ足を運びました。大好きだったゲームを作っているフィンランドのゲーム会社に企業訪問をし、カンボジアのインターンシップにも参加しました。そこで、確信を持ったのがアンケートの結果にもあった「英語を身につける必要がある」ということでした。

そこで「嫌々また3年間日本の学校に通うより、弱い自分を変えるという意味でも『留学』という選択がベストだと思いました」と決意。ハリーポッターの大ファンだったこともあり、イギリスへの留学を決めました。学費は高かかったため、両親を説得するのに時間がかかりましたが、熱意が伝わり、とうとう留学することができました。

Yuzzyさんは2019年秋から、イギリスの寮生の高校に入学しました。以前から英語は学んでいましたが、実際に使うとなると、難しかったといいます。経済や化学なども全部英語の授業。専門用語も一から学びました。YouTubeの解説動画などで調べるなど、毎日夕方から4時間、土日は12時間勉強することも普通でした。

休日に寮で勉強するYuzzyさん
休日に寮で勉強するYuzzyさん 出典:YuzzyさんのYouTubeから

その結果、無事今年の7月頭に卒業。希望していた米カリフォルニア州サンフランシスコに本部を置くミネルバ大学に特別聴講生としての入学が決まりました。イギリスから離れてまた海外の大学で学ぶ予定だといいます。

「自分に投資する理由」を家族にプレゼン

小学生のころ家族ノマドで訪れたハワイでは友達ができた
小学生のころ家族ノマドで訪れたハワイでは友達ができた 出典:ブログ「yuzzyの日記」から

公務員を辞めて起業した父親からは、何をするにも、自分の意志を持ってやるよう言われていたというYuzzyさん。

小中学生のころは、家族で、定期的に拠点を移して生活する「家族ノマド」をし、夏休みなどを利用し、毎回約1カ月間海外に滞在しました。そこでは、観光ではなく、実際に海外の学校に体験入学したり、ポケモンGOを使って外国人と交流したりするなど、海外でコミュニケーション力を鍛えました。

お小遣い制ではなく、欲しいものを買う時は、両親に「そのものに投資する理由」をスライドショーでプレゼンしていたそうです。テニスラケットを買うために、お金をどうやったら得られるか考え、もともと持っていた好きなゲームカードやフリーマーケットなどで安値で仕入れたフィギュアなどをインターネットオークションで売ったこともあったといいます。

「両親が留学のために払ってくれたお金って投資だと思うんです。最終的に、どう自分が生かすかということを見せないとならない。自分の頑張りを見せるため、理解してもらうためにYoutubeを始めました」

その結果、飾らないリアルなイギリスの留学生活が、視聴者を引きつけ、人気YouTuberとなりました。

視野を広げるための一歩 新たな視点に

学生時代に海外留学に憧れていた筆者は今、就寝前、疑似体験としてYuzzyさんの動画を楽しんでいます。海外留学の良いところだけでなく等身大の様子を自然に映しているのが魅力だと感じています。

「勉強することに意味はあるのか」という悩みは、多くの人が子どもの時にぶつかるものかもしれません。中学生活に疑問を持ち、くすぶりそうになったYuzzyさんは、一度立ち止まり、行動を起こしました。実際に働いている大人にインタビューしたり、海外でインターンをするなど動いてみて、まったく違う世界を知ろうとしたのです。

Yuzzyさんに将来の目標を聞いてみると「まだ分からない」といいます。「どれだけ年を取っても、新しい環境に身を置いて、新しいことに挑戦することは続けたいです。自分で考えて、能動的に動きたい」。その言葉からは、何になりたい、というのではなく、どうありたいかというのを常に考えて行動しているYuzzyさんのスタンスが伝わってきます。

何かに行き詰まったら、一度立ち止まって「自分のいるべきところはここなのか」と考えてみる。そして、そのために「全然違うことをしている人の話を聞いてみる」。年齢問わず、視野を広く持つために必要な行動について、Yuzzyさんに教えてもらった気がしました。

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