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かが屋・錦鯉…人気芸人が協力、厳しい今こそ伝えたい劇場の魅力
新型コロナウイルスの影響で厳しい状況が続く劇場は、観客の前でネタを磨く芸人にとって特別な場所です。都内のお笑いライブも無観客配信や客席制限など、コロナ前のようにはまだ開催できないですが、プロモーターの片山勝三さん(47)はまた劇場に集まれる日を願い、「劇場にいつ行こう。」と題したキャンペーン企画を始めました。企画には「かが屋」「錦鯉」「どぶろっく」など、16組の芸人が協力。「コロナが落ち着いたらお客さんのタイミングでまた、劇場に足を運んでほしい」と話します。
「色んなことを忘れられるところ」(かが屋・賀屋壮也さん)、「同じ所で笑う人に会えます!」(かが屋・加賀翔さん)。
あなたにとって劇場とは何ですか? という問いに、16組の芸人がそれぞれの言葉で答える。劇場の姿に密着した写真とともに「劇場にいつ行こう。」と記されたポスターが24日から、小田急・京急線の下北沢駅や下北沢・三軒茶屋の店舗などに掲出されました。
2009年に「スラッシュパイル」を立ち上げ、数々のお笑いライブを手がけてきた片山さん。新型コロナ感染防止のため制限されるようになったライブ公演は、活動の根幹を揺るがすものでした。
それでも「どうやったらお笑いライブを届け続けられるか」を考え、無観客有料配信など様々なチャレンジをしていきました。公演の配信は、遠方に住んでいたり、仕事や家庭の都合があったりして、劇場へ足を運べない人もライブに触れられるようになり、裾野は確実に広がりました。
だからこそ、片山さんは「配信で興味を持ってくださった人たちに、世の中が落ち着いたら、次は劇場に来てもらいたい」と言います。「劇場で観るお笑いライブは格別だからです」
片山さんにとって劇場は「何でも許してくれる場所」です。
「劇場には、世の中の倫理観や価値観に必ずしも左右されない、その空間だから共有されるものがある。すべてのものを受け入れてくれる感じがするんです」
「客席で観るときも、スマホの電源を切って色んな情報も遮断して、目の前の自分が好きなものに集中する非日常があります」
そして、芸人のパワーと客席の熱量が最高潮に達したときには「何物にも代えがたい幸福がある」と片山さん。「演者とお客さんが直接顔を合わせる劇場は、エンターテインメントの原点だと思っています」
「劇場にいつ行こう。」
— 片山勝三(SLUSH-PILE.)#劇場にいつ行こう。 (@katayamashozo) May 24, 2021
ポスターが本日より1週間、
【小田急・下北沢駅】
3番線・4番線ホームの真ん中辺り
地上フロア掲示板
【京王・下北沢駅】
改札前デジタルサイネージ
で掲載されています。
下北沢へお立ち寄りの際は、
実物をその眼でご確認下さい。#劇場にいつ行こう pic.twitter.com/Q3TyaZ0egl
企画に協力した16組の芸人はスラッシュパイルの主催ライブに出演経験のある芸人ばかりです。「お客さんの反応を見て初めて分かることはたくさんあり、特に若手にとっては精進の場です。その機会がどんどん奪われているので、もう1度しっかり整えるつもりです」。
都内はまだ緊急事態宣言下で、「日常」が戻る見通しも不確かです。それでも片山さんは「宣言が明けてコロナの状況が落ち着いたときに、『劇場にいつ行こう』と思っていただけたら。配信でも楽しめる時代になりましたけど、やっぱり劇場でお客さんも一緒にライブを作ってほしいなと思います」と力強く語りました。
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「劇場にいつ行こう。」に出演の芸人一覧
かが屋、カナメストーン、キュウ、ザ・ギース、さすらいラビー、ザブングル加藤、真空ジェシカ、ストレッチーズ、どぶろっく、トム・ブラウン、永野、錦鯉、パンプキンポテトフライ、ヒコロヒー、街裏ぴんく、ママタルト、みなみかわ(50音順)
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