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おにぎりの固定概念を壊す…信長からバッハまで「おにぎりアート」
信長の着物の「紋」をよーく見ると……?
織田信長やバッハがおにぎりに――。「おにぎり劇場」さんが制作し、Twitter(@mZHtgivNQr33RCL)に投稿したおにぎりアート作品に注目が集まっています。なぜおにぎりで立体アートを作ろうと思ったのでしょうか。これまでの「おにぎり」の固定概念を壊す、おにぎりアートの魅力を聞きました。
「男おにぎり」と題して投稿された5月5日のツイートには、織田信長、ジャン・レノ、バッハ、武田信玄とおぼしき4人が、おにぎりでリアルに表現されています。
「クオリティーが高すぎて、おにぎりに見えない」「家族でおにぎり当てクイズをやりました」「食べるのがもったいないけど食べたい」といった反響が寄せられ、5万を超す「いいね」が寄せられています。
#ゴールデンウィークSNS展覧会
— おにぎり劇場 (@mZHtgivNQr33RCL) May 5, 2021
男おにぎり pic.twitter.com/l9zbgcECAT
おにぎり劇場のアカウントを運営しているのは、三重県在住の女性です。美術系大学の出身で、「2019年夏、おにぎりのコンテストがあることを知り、おにぎりアートに目覚めました」と振り返ります。
#ド直球に言いますがフォローしてください
— おにぎり劇場 (@mZHtgivNQr33RCL) April 24, 2021
楽しいおにぎりを握っています pic.twitter.com/FTuwD0VbU8
おにぎりを写真に撮って記録として残していましたが、作り方や使っている食材を尋ねられるようになったため、2020年1月からYouTubeに制作方法の動画を投稿するように。さらに視聴者を増やしたいと、2月にはTwitterでの投稿も始めたそうです。
「おにぎりの作品記録をこつこつためている感覚です。撮影しながらの制作は気を遣いますし、編集作業にも時間がかかりますが、メイキング動画として残せること、世界中の人が観てくれるのがうれしくてモチベーションになっています」
週1回メイキング動画を投稿し、それにあわせて週1個はつくっているというおにぎりアート。おにぎり劇場さんは「三角や俵型などのおにぎりの固定概念を壊して様々なカタチを作ることにチャレンジしています」と、その魅力を話します。
そもそもベースとなる「ごはん」は崩れやすいもの。どっしりした形でないと安定しないので、モチーフ選びも苦戦するそうです。ごはんの上に載せる素材も、トロッとしているとごはん粒の表面を伝って流れてしまいます。
「どんな表現ができるのか、やってみなければ分かりません。ごはんと具材で再現できそうな色と形を基本としつつ、色々なモチーフに挑戦しています。想像していたものと違う形に仕上がることがほとんどですが、おにぎり劇場を観てくださった方から温かい応援のメッセージをいただくのが本当に嬉しく励みになっています。失敗を乗り越え、完成した時の喜びもひとしおです」
話題になった「男おにぎり」もインパクトのある人物を選んだモチーフが印象的です。織田信長の裃(かみしも)の紋がごはん粒だったり、武田信玄の着物の柄が海苔でリアルに表現されていたり……細部へのこだわりを感じます。
織田信長は大葉や海苔、映画「レオン」に登場するジャン・レノの帽子にいなりあげ、バッハはケチャップやカニカマ、武田信玄は白カマボコや黒ごまペーストなどが使われているそうです。ジャン・レノの首がきゃしゃなため、頭部のバランスを安定させるのがとても難しかったといいます。
おにぎり劇場さんは「武田信玄の着物の柄を、海苔でできるだけ似せた柄にカットしたところが一番のこだわりです。実は貼り付けた時に位置がズレてしまってうまくいかずショックでした」と笑います。
実はおにぎり劇場さんのおにぎりアートには、写真からは判別できませんが「おにぎりの具」が入っているのだそうです。
「隙間ができたり具の水分が滲みだしたりすれば、強度が落ちて崩れやすくなり、難易度も高まります。しかし『おにぎり』といえば具も楽しみのひとつ。具に辿り着いた時の幸福感も味わいたくて、なるべく具を入れるようにしています」
過去の作品のなかでは、バランスや形がうまくいったと振り返る「信楽焼たぬき」がお気に入りだそうです。
今後も「おにぎり劇場」さんがどんなモチーフをおにぎりアートにするのか、楽しみです。
明けましておめでとうございます。
— おにぎり劇場 (@mZHtgivNQr33RCL) January 1, 2021
2021年も沢山のおにぎりアートをお届けできますように😊 pic.twitter.com/7XuMIEqMSY
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