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フィギュア世界国別対抗戦、普段のライバルが仲間に…応援が見どころ

今年はコロナ禍で規模を縮小。選手同士のやりとりにも注目!

前回大会で、アイスダンスの小松原美里、ティム・コレト組に声援を送る日本チームの選手たち=加藤諒撮影、2019年4月13日、福岡
前回大会で、アイスダンスの小松原美里、ティム・コレト組に声援を送る日本チームの選手たち=加藤諒撮影、2019年4月13日、福岡 出典: 朝日新聞

目次

今シーズン最後のフィギュアスケートの国際大会、世界国別対抗戦(丸善インテックアリーナ大阪)が、15日に開幕します。6カ国が出場する団体戦で、日本は、男子の羽生結弦選手(ANA)と宇野昌磨選手(トヨタ自動車)、女子の紀平梨花選手(同)と坂本花織(シスメックス)選手、ペアの三浦璃来、木原龍一組(木下ク)、アイスダンスの小松原美里、コレト・ティム(小松原尊)組(倉敷ク)が出場します。見どころはなんといっても、普段はライバルである選手が、一丸となって応援する姿です。14年間、競技経験のある筆者が大会を楽しむポイントやふだん選手がしている応援を紹介します。

国別対抗戦って?団体戦って何?

国別対抗戦は2009年に始まった、まだ歴史の浅い大会です。普段は個人や男女で組むフィギュアスケートですが、2011年のソチ五輪から団体戦が正式導入されました。五輪の団体戦の前哨戦としても国別対抗戦は重要視されるようになりました。

国際スケート連盟が主催し、そのシーズンの主要国際大会の成績ランキング上位6カ国が出場します。シングルの男女各2人、「氷上の社交ダンス」ともいわれるアイスダンス1組、リフトなどアクロバティックな技もあるペア1組が、4種目でそれぞれ2度の演技をし、順位に応じて与えられるポイントの合計点で最終順位が決まります。

五輪ではソチ五輪から初めて団体戦が導入された。フィギュア団体女子フリーで、鈴木明子の演技を見守る日本チーム=山本裕之撮影、2014年2月9日、アイスバーグ
五輪ではソチ五輪から初めて団体戦が導入された。フィギュア団体女子フリーで、鈴木明子の演技を見守る日本チーム=山本裕之撮影、2014年2月9日、アイスバーグ 出典: 朝日新聞

日本が優勝するために…

フィギュアスケートの世界選手権。フリーで演技をする羽生結弦=角野貴之撮影、2021年3月27日、ストックホルム
フィギュアスケートの世界選手権。フリーで演技をする羽生結弦=角野貴之撮影、2021年3月27日、ストックホルム 出典: 朝日新聞

今大会は、アメリカ、日本、ロシア、カナダ、フランス、イタリアの6カ国が出場します。

優勝には総合力が問われます。選手層の厚いアメリカやロシアが強豪で、過去6回中4度アメリカが優勝しています。

日本の優勝には、ポイントの比重が高い男女のシングルで高順位を目指すことが重要です。実際、シングルが強い日本は過去2度優勝しています。

男子は、羽生・宇野両選手が表彰台に乗れば、優勝に近づきます。アメリカからは、世界選手権3連覇中で4回転が武器のネーサン・チェン選手、7位でスケーティングに定評のあるジェーソン・ブラウン選手が出場予定です。
世界選手権で見られた羽生vsチェンの再びの直接対決は楽しみです。世界選手権で羽生選手は、フリーのジャンプの着氷に乱れが続き3位に。宇野選手は4位でした。そこからいかに修正できるかがポイントです。

女子は紀平・坂本選手が、世界選手権の悔しさを晴らせるかが見どころです。4回転ジャンプも得意で世界選手権優勝のアンナ・シェルバコワ選手、そして3回転半のトリプルアクセルを武器とする2位のエリザベータ・トゥクタミシェワ選手というロシア2選手にどれだけ食らいつけるか。
世界選手権のフリーでトリプルアクセルなどのミスが続き7位だった紀平選手と、6位の坂本選手ですが、ミスなく演じられればロシア勢に食い込める可能性は十分にあります。

男女が組むアイスダンスやペアは指導者や競技人口の多いアメリカやロシアが歴史的に強いです。ただ、日本も追いつこうと強化に力を入れています。
アイスダンスは選手層も増え、2020年12月の全日本選手権には5組が出場しました。男子シングルの五輪メダリスト・高橋大輔選手がアイスダンスに転向したこともあって話題を呼んでいます。
今回出場予定のアイスダンス小松原・コレト組は世界選手権で19位(31組中)ペアの三浦、木原組は10位(24組中)位と、まだまだこれから成長が期待できます。

団体戦の「応援」と選手同士の素顔に注目

前回の国別対抗戦では、得点を確認する宇野昌磨(中央)を、坂本花織(右端)、紀平梨花(右から2人目)らがもり立てた=加藤諒撮影、2019年4月12日、福岡
前回の国別対抗戦では、得点を確認する宇野昌磨(中央)を、坂本花織(右端)、紀平梨花(右から2人目)らがもり立てた=加藤諒撮影、2019年4月12日、福岡 出典: 朝日新聞

世界国別対抗戦の見どころはなんと言っても各国のチームワークと個性のある応援です。普段はライバル同士の選手が、各国の代表として一丸になる姿が見られます。

各国の選手がキスアンドクライ(点数が出るまで演技終了後に選手が待機するリンクサイドの場所)に集まり、応援をします。かぶり物をしたり、コスプレをしたり…。過去の大会では、宇野選手がセーラームーンのかぶり物をしたり、紀平選手がウサギの帽子を被ったりと、盛り上がりました。

選手同士で会話する様子はふだん、なかなかテレビ中継で見られませんが、この大会では点数が出た後にチームみんなでハイタッチをしたり抱き合ったりと喜び合う、仲むつまじい様子が見られます。
前回大会では、男子を応援する坂本選手が「あとはまかせろ!」というボードを持ったり、紀平選手が「しょうま!」と書いた文字ボードを持ったりと、まるでジャニーズの応援のような盛り上がりでした。国ごとに応援スタイルが違うので比べてみるのも面白そうです。

今大会はコロナ禍での開催なので、選手同士の応援はいつもよりも規模を縮小して行うとのことです。またコロナが終わったらほほえましい姿が見られるのが楽しみです。

普段の選手同士の応援は?

年上も年下も~くん、~ちゃん呼び
年上も年下も~くん、~ちゃん呼び 出典: イラスト=橋本佳奈

国別対抗戦以外の大会では、どんな応援をするのでしょうか。
全日本選手権では、一般のお客さんが満員になり、お客さんの拍手や声援が響きますが、それ以外の国内大会は保護者や関係者だけで閑散としていて実はさみしいです。主に同じクラブチームや大学の仲間が応援します。

スケートの応援のマナーは、鳴り物は禁止。演技の間ずっと大きな声を出してしまうと、音楽の妨げになってしまいます。
選手がコールされて、最初のポーズをとるまでの間に思い切り声援を送ります。みんなで一緒に合わせて応援する場合もあれば、短くサッと言う場合もあります。たとえば……

アナウンス 「1番、山田太郎さん、ナントカクラブ」

選手がスタートのポジションへ移動中

応援「太郎君がんばって~」「太郎ガンバ」

ポーズを取り始めたら静かにしなければなりません。音が始まるまで集中するためです。
演技中の応援は、ジャンプやスピンなど技の後に行います。ジャンプを成功した場合は主に拍手、失敗したときは「頑張れ!」「ガンバ!」などと後押しする言葉をかけます。

スケート界は先輩や後輩など関係なく、仲が良いです。そのため、同じクラブチームで小学生が年上の子を「ちゃん」などと親しく呼ぶことが多いです。
応援のときもかしこまった呼び方ではなく、「君」や「ちゃん」またはニックネームなどで親しみをこめて呼びます。

コロナ禍の開催。今年は密を避けるため、観客動員は座席数の50%に制限し、1席ごとに隣接する前後左右を空席としています。また、声を出しての応援は禁止されています。平穏な日が戻ったら会場で選手に力になるような応援ができたらいいですね。
15日からの国別対抗戦はテレビ中継もあります。選手たちの普段とは違う表情や選手同士のやりとりに注目してみてはいかがでしょうか。

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