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「ジャスコ」復活? あの店名をイオンが商標出願、意図を聞いてみた

「我々は今でも、ジャスコを大事に思っています」

イオンが今年3月に商標出願した、ジャスコのロゴマーク(J-PlatPatから、出願番号:商願2021-30188)
イオンが今年3月に商標出願した、ジャスコのロゴマーク(J-PlatPatから、出願番号:商願2021-30188)

目次

イオンが今年3月に「ジャスコ」を商標出願しました。出願情報が公開されると、SNS上では「懐かしい」「ジャスコ復活か?」などと、スーパー探訪愛好家たちが騒然となりました。あのジャスコが本当に復活するのか? 真相を確かめるべく、出願の意図をイオンに聞きました。(北林慎也)

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「ブランド力を高める」ため消滅

国内小売り最大手のイオンは、三重県四日市市の岡田屋呉服店と関西の2店が提携して1970年に設立されたジャスコが前身です。1989年には創業20周年を記念して、同社を中核とするジャスコグループの名称を「イオングループ」に変更しました。ちなみに、「イオン」は「永遠」を意味するラテン語です。
さらに2001年には、社名もイオンに変更。創業家出身の岡田元也社長(当時)の下でM&Aによる事業拡大を進め、売上高8兆円を超える一大流通グループとなりました。
この間、グループ傘下に「ジャスコ」「サティ」など複数のブランドが併存していましたが、2011年から順次、それぞれの総合スーパーの店名を「イオン」に統一。宣伝の効率を上げ、ブランド力を高める狙いからです。
その結果、店名としての「ジャスコ」は消滅しました。

資本・業務提携の発表会見で握手するイオン・岡田元也、丸紅・勝俣宣夫、ダイエー・西見徹の各社長(左から、肩書は当時)=2007年3月9日
資本・業務提携の発表会見で握手するイオン・岡田元也、丸紅・勝俣宣夫、ダイエー・西見徹の各社長(左から、肩書は当時)=2007年3月9日

「ジャスコが復活する前触れ?」

無くなって久しいジャスコですが、今でも往時の店舗を懐かしむファンがいます。
イオンの屋上看板に旧ジャスコ時代のロゴマークがうっすら残っている様子がSNSで拡散するなど、いまだ多くの人にとって郷愁と愛着のあるビッグネームが「ジャスコ」です。
そんなジャスコの店名ロゴを、イオンが商標出願しました。今年3月15日に出願され、同月30日に出願情報が公開されています。
するとSNS上では、何らかの形でジャスコが復活する前触れか? と、期待と歓迎の声が上がりました。
一方で、クイズ番組「東大王」(TBS系)に出演し、「ジャスコ林」のニックネームで知られる林輝幸さんが、今春から本格的なタレント活動を始めると自身のSNSで宣言。イオンの商標出願は「名前を使わせないためでは?」といった臆測も飛び交いました。

翌年2月の閉店方針が示されたジャスコ赤湯店=2005年11月
翌年2月の閉店方針が示されたジャスコ赤湯店=2005年11月

「そういう意図は全くありません」

その意図を巡って期待と臆測が入り交じる、今回の商標出願。真の狙いは何か? イオンに聞いてみました。
コーポレート・コミュニケーション部の担当者によると、ジャスコの店名が消滅した後も、過去の商標を引き続き登録するため、何年かおきに出願を続けている、とのことでした。
ジャスコの店名を捨てた今でも商標を登録し続けているのは、「ジャスコという名前は、会社にとって大切なもの」という思いからだそうです。
「ジャスコは、当時の社員が一生懸命に作り育ててきました。我々は今でも、ジャスコを大事に思っています」
つまり、ジャスコの復活を具体的に企図した出願ではないとのことでした。
また、「ジャスコ林」こと林輝幸さんを意識したアクションでは? との臆測についても、「そういう意図は全くありません」と否定しています。

「売りつくしセール」が始まったジャスコ生駒店=2008年4月
「売りつくしセール」が始まったジャスコ生駒店=2008年4月 出典: 朝日新聞

熱心なリクエストへの回答は……

近年のレトロブームを受けて、自社ブランドの往年のシンボルをあしらったノベルティー制作やグッズ販売に取り組む企業が増えています。
いまだ多くの人の記憶に残る、往年のジャスコの白と赤と緑の四角いロゴマーク。これを活用してグッズを展開する考えはないか? 自らもジャスコに深い愛着のある記者が、期待を込めて聞いてみました。
すると、記者の熱心なリクエストに感謝しながらも、残念ながら「そういった構想や予定は、今のところありません」とのことでした。

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