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絵本ぐりとぐら「遂に、この時が」ファン待望の展覧会限定グッズは…

多くの反響が寄せられた「食器」には、担当者の35年越しの思いがこもっていました

洋食器と作品への担当者の35年以上の思いがつまった「ぐりとぐら」の展覧会グッズ(East提供)
洋食器と作品への担当者の35年以上の思いがつまった「ぐりとぐら」の展覧会グッズ(East提供) 出典: https://play2020.jp/article/shop-guri-gura-tableware/

目次

「遂に、この時が来ました…!」 展覧会にあわせ、絵本『ぐりとぐら』をモチーフにしたプレートやマグカップを制作するメーカーの喜びのツイートが、1.9万を超える「いいね」を集めています。ファンに待ち望まれた「ぐりとぐら」の食器の誕生には、担当者の35年以上にわたる思いがこもっていました。

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「食器」に寄せられた想像以上の反響

ぐりとぐらの食器は、「絵とことば」がテーマになっている美術館「PLAY! MUSEUM」(東京都立川市)で1年間にわたって開かれる「ぐりとぐら しあわせの本」展(4月10日に開幕)にあわせて販売されているグッズです。

この展覧会のグッズを担当するのは、20年以上にわたってミュージアムショップのグッズ製造や販売をしている「株式会社East」でした。

3月末、East代表取締役の開(ひらき)永一郎さんが「遂に、この時が来ました…!」と食器についてつぶやくと、想像以上の反響が寄せられました。
たくさんの人が「食べたいなぁ」とあこがれた、ぐりとぐらのふんわりかすてら。その挿絵があしらわれたプレートなどの食器は、あたたかみのあるデザインです。ツイート直後から、多くの人が「ほしい」「かわいい」と反応しました。

Tweetはすでに170万人の人が閲覧したといい、1.9万人が「いいね」をしています。
今回販売される5種の食器(East提供)
今回販売される5種の食器(East提供) 出典: https://play2020.jp/article/shop-guri-gura-tableware/

以前の展覧会でもグッズを担当

もともと、絵本の作者である姉妹の中川李枝子さん(お話)と山脇百合子さん(絵)は、「ぐりとぐらは絵本の中で楽しんでほしい」という強い思いから、グッズ制作には慎重な考えを持っているそうです。

しかしEastが初めてグッズ制作に参加した2014年の「誕生50周年記念 ぐりとぐら展」(朝日新聞社など主催、2016年まで全国各地で開催)や、今回の「ぐりとぐら しあわせの本」展でも、「展覧会に足を運んでくださった皆さまへのお楽しみのひとつ」として、展覧会限定のグッズの制作が実現したといいます。
Eastがグッズを担当した「誕生50周年記念 ぐりとぐら展」のミュージアムショップのようす(Eastホームページより)
Eastがグッズを担当した「誕生50周年記念 ぐりとぐら展」のミュージアムショップのようす(Eastホームページより)

窯業とのご縁は35年以上、ものづくりの原点

さらに開さんには、「ぐりとぐらの〝食器〟をつくることができるというのが特別うれしい」という、ある思いがあったのです。

開さんは「洋食器屋さんになりたい」という夢を抱いて19歳で上京し、食器をつくる会社に入社します。16年間勤めるなかで、さまざまなグッズ制作の経験をし、その後、独立して会社を立ち上げました。

「さかのぼると35年以上前から、窯業とはずっとご縁が続いていました。自分のものづくりの原点。食器に対しての思いが強かったんです」

だからこそ、絵本『ぐりとぐら』のファンの皆さんが喜んでくださるような食器をカタチにしたい――。開さんはずっとそう願っていたそうです。
Eastが担当した過去のミュージアムショップの一部(Eastのホームページより)
Eastが担当した過去のミュージアムショップの一部(Eastのホームページより)

みんなで食べる 分け合ううれしさを表現

そんなぐりとぐらの食器は、ファンにとっても待ち望んだものでした。

「黄色いふわふわの食べ物を焼いて食べるシーンが印象的で、象徴的ですよね。ぐりとぐらも、ゾウもモグラもライオンも、おいしいものをみんなでつくって、みんなで分け合って食べる。その大切さや幸せが、あの1枚の絵に全て表現されているし、『仲間に入りたい』と思わせてくれます。だから皆さんの〝食器〟というグッズへの思い入れも深かったんだと感じます」
『ぐりとぐら』より(福音館書店) ©Rieko Nakagawa © Yuriko Yamawaki
『ぐりとぐら』より(福音館書店) ©Rieko Nakagawa © Yuriko Yamawaki
開さんも、5,6歳の時に絵本『ぐりとぐら』を読んで、強烈な印象があったといいます。今回のツイートを見た幼なじみからは「小学生の頃、ぐりとぐらのことを一生懸命語ってくれたことを思い出したよ」と連絡があったそうです。

「僕自身はその時のことをよく覚えていないのですが、小さかった自分にとってもそのくらい大事な作品だったんだなと思います。そこから50年以上経っても、なおベストセラー。多くの方に、世代を超えて愛され続けている作品なんだなと改めて感じました」
『ぐりとぐらのおきゃくさま』より(福音館書店) ©Rieko Nakagawa © Yuriko Yamawaki
『ぐりとぐらのおきゃくさま』より(福音館書店) ©Rieko Nakagawa © Yuriko Yamawaki

一人でも多くの方に届くように

ツイートのあまりの反響に、美術館や開さんは販売方法を変更。会場にサンプルを設置し、入場券1枚につき各アイテム1点ずつ購入可能で自宅配送(送料700円が別途必要)の仕組みとしました。

できるだけ転売されてしまうのを避け、来場者が正規の値段で手に入れられる環境をつくりたいという思いでした。当分は受注販売の方法をとり、製造が追いついてきたら改めて販売の体制を整えていきたいそうです。
開さんの思いのこもった食器。ツイートするときも「食器が生き生きするように」とトリミングにこだわったそうです(East提供)
開さんの思いのこもった食器。ツイートするときも「食器が生き生きするように」とトリミングにこだわったそうです(East提供)
「グッズを届けるまでには、たくさんの人たちの苦労や思いがあるので、転売はとても悲しいです。時間はかかるかもしれませんが、一人でも多くの方のお手元に正規のルートで届くようにしたいと考えています」

楽しみ・うれしさを増幅するグッズに

今回の展覧会は、絵本とは違ったかたちで「ぐりとぐら」の世界を体験できる仕掛けになっているそうです。食器のほか、ポストカードやハンカチといったグッズも販売されています。

開幕してさっそく多くの方が食器を予約したといい、開さんは「お手元に届き、そこでどんな顔をしてごはんを食べてくれるのだろう?と想像すると、ワクワクします。幸せな仕事です」と話します。

「ぜひ絵本の世界を体験しにきてもらえたらうれしいです。その時に私たちのグッズが、その日の楽しみやうれしさを増幅するとか、楽しかったことを誰かに伝えたりするのに役立ったらいいなと願っています」
「ぐりとぐら しあわせの本」展  PLAY!MUSEUM
会期:2021年4月10日(土)〜2022年3月末予定
休館日:原則無休(展示替え期間、年末年始除く)
開館時間:
MUSEUM 10:00~18:00(平日は17:00まで/入場は閉館の30分前まで)
SHOP 10:00-18:30 / CAFE 10:00-19:00(L.O 18:30)
※平日に限り、MUSEUM・SHOP・CAFEは1時間短縮営業
「ぐりとぐら しあわせの本」展

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