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マンガ

「あのさ、帰れば?」同僚の言葉に戦慄…コミュ障と闘う漫画家の半生

「人間が嫌い、でも寂しい」

胸に刺さって抜けない、アルバイト先の同僚の言葉。「コミュ障」な自分と向き合い続ける漫画家の、実録漫画です。
胸に刺さって抜けない、アルバイト先の同僚の言葉。「コミュ障」な自分と向き合い続ける漫画家の、実録漫画です。 出典: ゆめのさん提供

目次

生きていれば、他人と関わることが怖いと思うことは、誰しもあるのではないでしょうか。漫画家のゆめのさん(ツイッター・@yumenonohibi)は、そんな悩みと、幼い頃から向き合い続けてきました。クラスメートと会うだけで疲れる。アルバイト先になじめず、同僚から距離を置かれてしまう……。人付き合いは苦手だけれど、何とかうまく交わりたい。こじれた気持ちをほどくため、もがいてきた日々について、漫画で振り返ってもらいました。

「コミュ障の、人間嫌いです」

「コミュ障の、人間嫌いです」。ゆめのさんは自らの性格について、そう表現します。

雑談が苦手。会食の場で、他の人と同じタイミングで笑えない。お店のスタッフに話しかけるのがつらい。人と顔を合わせると、何だか気疲れする……。繊細な性格が災いし、そこはかとない生きづらさを、身にまとわせながら暮らしてきました。

保育園に通っていた頃に、兆しは出ていました。家族と普通にしゃべれるのに、友達の前では黙ってしまう子どもだったのです。成長するにつれ、状況は悪化するばかり。中学校時代には、うまくクラスになじめず、不登校も経験しました。

出典: ゆめのさん提供

バイト仲間とのカラオケで起きた悲劇

高校に進学すると、何とか生活リズムを整え、学校に通えるようになります。そして接客業のアルバイトを始めたことで、他人と交わることへの抵抗感が、少しずつ薄まっていきました。

ある日のことです。ゆめのさんは、バイト先の同僚から、カラオケに誘われます。「オールしよ~!」。思いも寄らない声がけに、胸を高鳴らせて参加しました。

ところが。仲良しグループが盛り上がる一方、全く輪に入ることができません。部屋の隅っこで、ぽつんとたたずむばかりです。その様子を見かねたのでしょうか。ゆめのさんをカラオケに誘った同僚が、衝撃的な言葉を発しました。

「あのさ、帰れば?」

「あ、はい」。泣きながら自転車をこぎ、帰路につくゆめのさん。満天の星空の下、大声で本音を叫びます。

「みんなみんな、嫌いだー!」

出典: ゆめのさん提供

未来への不安と、かすかな希望

人間関係に絶望しながらも、何とか現実と折り合ううち、いつの間にか30代になっていました。その過程で、心を許せる、何人かの友人と知り合えたことも。誰かから拒絶されたという、苦い記憶は消えないけれど、段々と前に進んでいる感覚も抱けています。

コミュ障の悩みは、いつまで続くのか。もしかしたら今の性格のまま、40代・50代を迎えてしまうかもしれない――。未来への不安を抱きつつ、かすかな希望を込めて、ゆめのさんはこんな言葉で漫画を締めくくりました。

「おばあちゃんになる頃には、コミュ障を卒業して、世話好きな明るいおばあちゃんになりたいものです」

出典: ゆめのさん提供

他人は煩わしい、でも一人じゃ生きられない

幼少期からの付き合いである、コミュニケーションにまつわる悩み。ゆめのさんは他人を嫌いつつ、人生に欠かせない存在として、上手に付き合おうと努力してきたそうです。

「30代にもなったら、コミュ障から卒業できるだろうと漠然と思っていたんです。でも、全然でした。コミュ力ってすぐに衰えるから、毎日の絶え間ない努力が必要ですよね。難しい……」

「人間関係の煩わしさは、誰もが抱えるものです。人付き合いなんて煩わしいだけ。傷つくくらいなら、関わらない方がいい。でも一人では生きていけないし、寂しい。人とうまく交流したい……。そんな気持ちが、自分の中に渦巻いている気がします」

ゆめのさん自身、まだ最適解を見つけられたわけではありません。それでも、日々もがいていく中で、状況を好転させるヒントを得たい。そのような気持ちで、漫画を描いていると教えてくれました。


 

 


ゆめの:
マンガ家。著書に『心を病んだ父、神さまを信じる母』(イースト・ブレス)。好きなことは寝ること。

【連載「人間なんて、みんな嫌い!」】
生きていれば、他人と関わることが怖いと思うことは、誰しもあるのではないでしょうか。クラスメートと会うだけで疲れる。アルバイト先になじめず、同僚から距離を置かれてしまう……。人付き合いは苦手だけれど、何とかうまく交わりたい。こじれた気持ちをほどくため、もがいてきた日々について、漫画家・ゆめのさんが描きます。不定期掲載。
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