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ネットの話題

改札に巨大アヤナミレイが出現!JR社員、深すぎるエヴァ愛を具現化

超人気作に魅せられた社員の情熱を結晶

壁いっぱいに掲げられた「アヤナミレイ(仮称)」のイラスト。超大作の完結編を公開し、JR社員たちが総力をあげて手掛けました
壁いっぱいに掲げられた「アヤナミレイ(仮称)」のイラスト。超大作の完結編を公開し、JR社員たちが総力をあげて手掛けました 出典: JR東日本提供

目次

3月8日に公開され、大ヒットを記録しているアニメ映画「シン・エヴァンゲリオン劇場版」。作品の人気を一層高めるべく、JR東日本が打ち出した連動企画が、ネット上で注目を集めました。本編に登場するメカやキャラクターを、愛情たっぷりに「具現化」し、駅構内に展示したのです。多くのファンから喝采を浴びたイベントの舞台裏について、取材しました。(withnews編集部・神戸郁人)

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巨大すぎて目が合うように錯覚

「シン・エヴァンゲリオン劇場版」は、1995年に放送されたテレビアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」の続編として制作されました。97年に通称「旧劇場版」2作、2007~12年に「新劇場版」3作が公開されており、最新作はその完結編にあたります。

シリーズの主人公は、14歳の少年少女たちです。それぞれ巨大人型兵器「エヴァンゲリオン(エヴァ)」に乗り、全人類の命運を賭けた戦いに臨みます。壮絶な格闘シーンや、難解で緻密な世界設定が話題を呼び、四半世紀にわたり人々に愛されてきました。

物語の終結に合わせ、JR東日本は、映画とのコラボイベントを実施。3月15日~28日、首都圏の50駅に、新劇場版由来のキャラクターパネルを設置しました。更に一部の駅で、パネルにあしらわれたキャラにちなみ、社員が自作した掲示物がお披露目されたのです。

とりわけ話題を呼んだものの一つが、柏駅の改札口近くに登場した「アヤナミレイ(仮称)」の鉛筆画です。エヴァパイロットの一人として、重要な役割を果たす少女。その儚(はかな)げ表情を、複数の模造紙をつなぎ合わせ、壁一面を覆うほどのサイズで再現しました。

あまりの大きさに、目の前を通ると、視線が合うように錯覚してしまうほど。同駅の担当者は「こだわったポイントです」。テレビアニメ放送当時からの大ファンや、今回のイベントを期に作品に親しんだ、総勢50人の社員が、仕事の空き時間に手掛けたそうです。

制作作業は、アヤナミレイが登場する映画のワンシーンを拡大印刷し、紙に描き写すところからスタートしました。そして濃さが異なる鉛筆で、輪郭や陰影を付けたといいます。「愛を感じる」「駅員さんありがとう」。ネット上には、温かい感想があふれました。

柏駅構内に貼り出された鉛筆画。脇には、劇中の一幕を切り取った、キャラクターパネルが設置されている
柏駅構内に貼り出された鉛筆画。脇には、劇中の一幕を切り取った、キャラクターパネルが設置されている 出典: JR東日本提供

野獣のようなエヴァを立体化

見る人の度肝を抜いた作品もあります。大井町駅構内の「みどりの窓口」で公開された、「エヴァンゲリオン2号機(獣化第2形態 ”ザ・ビースト”)」のフィギュアです。

同駅では、エヴァパイロットの一人「式波・アスカ・ラングレー」のパネルを設置しました。そこで、アスカの愛機である2号機を、インパクト抜群の姿で立体化することにしたのです。

本体は高さ約130センチで、段ボールやペットボトルを加工し、ボディーに仕上げています。特徴である深紅の体色を再現するため、赤い色紙を貼ったり、腕部分にバイク用の保護カバーを取り付けたり。更に四つの目に緑色のLED電球を配し、点灯する仕組みとしました。

印象的なのは、「顔」です。新劇場版では強敵「第10の使徒」を前に、口を目いっぱい開き、牙を剝(む)きだしにした、野獣のような風貌(ふうぼう)が描かれます。忠実に表現するため、段ボールを細かく切り、歯として使うなど、原作の質感を損ねないよう意識しました。

加えて、発泡スチロールを使い、使徒との戦いで倒壊した市街地をジオラマ化。高さ約30センチ・幅約90センチの土台として完成させています。フィギュア本体は社員が一人で、土台は別の社員二人と協力して、業務時間内に作り上げたそうです。

大井町駅によると、駅付きの社員にはエヴァのファンが多く、劇場最新作を封切り当日に見に行った人も少なくありません。「先に鑑賞した社員に『絶対ネタバレしないで!』と話すほど、一人ひとりが公開を楽しみに、心待ちにしている雰囲気でした」(担当者)

展示期間中、お客さんから直接出来栄えを評価されたり、窓口で写真撮影を申し出られたり、といったことが頻繁にあったそうです。担当者は「温かいお言葉を頂戴し、盛り上げて頂き、大変感謝しております」と喜びをあらわにしました。

「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」に登場する、「エヴァンゲリオン2号機(獣化第2形態 ”ザ・ビースト”)」のフィギュア。アスカの顔をかたどった、切り絵風のボードは、本体を作った大井町駅社員の手になるもの
「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」に登場する、「エヴァンゲリオン2号機(獣化第2形態 ”ザ・ビースト”)」のフィギュア。アスカの顔をかたどった、切り絵風のボードは、本体を作った大井町駅社員の手になるもの 出典: JR東日本提供

新型コロナでイベント中止、でも諦めなかった

そもそも今回のイベントは、映画公開を記念した、スタンプラリーとなる予定でした。しかし新型コロナウイルスの流行により、昨年6月の上映開始日が二度延期に。今年1月から開催するはずだった、JR東日本の企画も、先延ばしせざるを得なくなります。

そして3月。ついに劇場版アニメの上映が始まるも、感染対策のため、スタンプラリーは中止を余儀なくされました。それでも、少しでもお客さんに楽しんでもらいたいと、パネル展示を実施したのです。

両駅以外でも、劇場アニメの一場面を加工した看板を作ったり、駅構内の彫像をキャラクター風に加工したりと、めいめいに作品への情熱を形にしました。原作ファンも「参加型企画みたいで心がポカポカする」などと、好意的に受け止めています。

先述の柏駅の担当者は、こうした状況について、次のように語りました。

「ここまで大きな反響をいただくとは想像しておらず、驚きと喜びでいっぱいです。駅や電車内で、感染防止にご協力下さっているお客さまへの、感謝の気持ちを込めて取り組みました。一人でも多くの方に、笑顔と元気を届けられていればうれしいです」

池袋駅のシンボル・いけふくろうは、「使徒」風に「イケフクエル」と改名。チャーミングなお面をかぶせることで、装いも新たになった。
池袋駅のシンボル・いけふくろうは、「使徒」風に「イケフクエル」と改名。チャーミングなお面をかぶせることで、装いも新たになった。 出典: JR東日本提供
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