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MAXのNANA、コロナで思い出した「母の島言葉」息子のためできること
「なんくるないさ」の本当の意味
沖縄出身のダンスボーカルグループMAX。1995年にデビューしてから今年で25周年を迎えました。10代だった「スーパー・モンキーズ」時代から音楽業界が様変わりした今、第一線で走ってきた4人は何を思うのでしょうか?仕事や子育て、自分自身の活動など、それぞれが切り開いた道について語る「MAXコラム」。NANAさんが2021年の抱負と、最近の「新たな気づき」についてつづります。
なんだか砂の上を重い足取りで、ゆっくり慎重に歩いていたような2020年。
色々と考え過ぎて暗い気持ちになり、重くなって沈んでいきそうだから、気分だけでも軽やかに楽しいことを考えながら歩こう!
きっとその先には綺麗に整備された道が拓けると思っていた2021年!!
前向きにスタートを切った新年でしたが、思いのほか、引き続き「砂の上」でした。。
コロナの感染は収まらず、生活にも、仕事にも、さらなる影響を及ぼしている現状です
どうしようか、何をすればいいのか……。
まさに正念場というのは、こういうことなんでしょうか。
こうした窮地にたたされる時、くじけそうになる時、いつも心に浮かぶ言葉があります。
それは、故郷である沖縄の言葉の「なんくるないさ〜」。
沖縄には先人たちが残してくれた、心を豊かにしてくれる島言葉がたくさんあります。
「なんくるないさ〜」も、その一つ。
「なんとかなる」の意味だと思い、幾度となく心の中で唱えてきました。
だけど、コロナ禍の今、時に任せのんびり構えているだけでいいのか?と、違和感を覚えました。これまで見てきた母や祖母は、本当に大変な時、「なんとかなる」と呑気に何もしなかったわけではなく、「なんとかするさ〜」と言いながら必死で働き、知恵を絞り、時には愚痴をこぼしながら頑張っていました。
青い空と海に囲まれた暖かくのんびりとした沖縄。そこで暮らす女性は、ほんわかしているのではと思われるかもしれませんが、私の周りには母や祖母のような女性が多くいました。
その影響もあり、私の中での沖縄の女性は働き者でとにかく強いのです。
そんな話を実家の母と電話で話をしていた時、「なんくるないさ〜」の言葉は、本来「まくとぅそ〜け〜なんくるないさ〜」なのだということを教わりました。
きちんと調べると、“まくとぅそ〜け〜/(人として)正しい行いをしていれば、/なんくるないさ〜/自然と(あるべき様に)なるものだ”。
つまり「くじけず正しい道を歩むべく努力すれば、いつか良い日が来る」という意味で、「なんとかなる」だけの楽観的な意味合いではなかったのです。
そうだったんだ!恥ずかしながら、今になって本当の正しい意味を知りました。
違和感があると思ったこと自体が恥ずかしい……。
きっと、色んなことがあった沖縄の歴史の中で、たくさんの人々を助けてきた言葉なのだと思います。力強くて温かい言葉。本当の意味を知り、今まで以上に心に染みてきました。
母や祖母は働きながら子育てをしてきました。おそらく、今よりも恵まれていない環境だったと思います。それでも私たちに楽しい想い出をいっぱい作ってくれた。その背中を見てきたんだから、私にも出来るはず!
今年1歳になったばかりの息子も、少しずつ出来なかったことが出来るようになり、純粋無垢な笑顔を毎日見せてくれます。その笑顔を守り、その未来を明るいものするためにも、「母は強し」にならないと!
「まくとぅそ〜け〜なんくるないさ〜」
まだまだ上手くいかないことの方が多いけど、くじけずに努力すれば、きっと報われて良い日がやってくることを信じて、2021年も踏ん張って、頑張っていこうと思います!!
そうだ肝っ玉母さんで行こう!!
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〈MAX〉NANA/LINA/MINA/REINAの沖縄県出身4人組ダンスボーカルグループ。1995年にデビュー。翌年発売のサードシングル『TORA TORA TORA』でブレイク。1997年に『Give me a Shake』でオリコン初登場1位を獲得。その後も『Ride on time』など数々のヒット曲を発表し、紅白歌合戦に5年連続5回出場。近年は音楽活動の他に、個人でのバラエティ、ドラマ、舞台出演など活動の幅を広げている。12/9にセルフカバー配信シングル「一緒に・・・(Happiness2020)」をリリース。
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