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あなたのオンライン会議が進まないのは?コロナ禍で重要性増すスキル

ファシリテーターとして会社の会議を進行する小澤美佳さん=knit提供
ファシリテーターとして会社の会議を進行する小澤美佳さん=knit提供

目次

新型コロナウイルス対策の影響もあり広がったリモートワーク。それに伴い、オンライン会議も当たり前になりつつあります。ただ、進行する立場になったときに「やりづらさ」を感じたことはありませんか? リクナビの副編集長などリクルートで10年間人材領域に携わり、現在はオンラインアウトソーシングのベンチャー企業で働く小澤美佳さん@mica823は昨年から、オンラインファシリテーターとしても活動。その経験から、会議をうまく進めるために必要なスキルを紹介します。
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「オンラインファシリテーター」を名乗る

昨年の春、少々照れながらも「オンラインファシリテーター・小澤」という名前で活動を始め、オンラインでのイベントや研修のファシリテーション、商談化支援などを務めることが増えました。

同じころに始めた副業の大学講師も、1年間全てオンライン。一度も教壇に立ったことがありません。結果、100回ほどのファシリテーションや講演、研修講師などをしました。

オンラインファシリテーターとは、Zoomなどのオンライン会議システムを使って、イベントや研修の司会・進行をする人のことです。

オフラインとは違い、オンラインでは「その場の空気」がないので、ファシリテーターの存在がより重要になります。スムーズな進行に加えて、「皆さん、どうですか?」と話を振るなどすることが、参加者の満足度につながるからです。

私もいろんなオンラインイベントに参加しましたが、満足度が高いのは、やっぱりファシリテーターが楽しいイベントです。逆に、仕切り方や話術があと少しというイベントは、やはり物足りなく感じてしまいます。

進行役が会議を左右

ファシリテーターというと、特別なスキルを持った人たちというイメージがあるかもしれません。大切なのは実践的なコミュニケーションスキルです。オンラインの場合は会社や組織の会議でも、進行役にはファシリテーターの心構えやスキルが必要です。

オンライン会議で話がうまく進まず、消化不良になった経験が一度はあるのではないでしょうか。オフラインであれば、誰が仕切ると決めていなくても会話が自然と生まれ、議論が進むこともありますが、オンラインは複数人が同時に話せないため進行役によって、会の効果が大きく左右されます。

求められる役割はテレビ番組のMCに近いと思っています。番組の面白さはMCがあってこそだと思いますし、それはオンライン会議でも大きくは変わりません。会議の進行を任されることがあるならば、このスキルを磨くことがますます重要になってくると感じています。

ファシリテーターとして会社の会議を進行する小澤美佳さん(中央上)=knit提供
ファシリテーターとして会社の会議を進行する小澤美佳さん(中央上)=knit提供

必要な三つのスキル

オンラインファシリテーションの具体的なスキルとは――。良い会議には、「アジェンダが明確」「建設的な議論」「心理的安全性がある」「時間延長なし」などといった傾向があると思います。こういった会議を進めるために必要なスキルは三つです。

①全員が発言できるような目配せ力

Zoomなどのビデオチャットの特徴として、会話をかぶせづらいということがあります。発言が少ない人ばかりの場合は、一方通行のコミュニケーションになりがちです。なので、オンラインファシリテーターが間に入って、つなぎ役になることはとっても重要です。

一方、特定の人が話し続ける場合もあります。その際は、物怖じすることなく「はい!ありがとうございます!」などと、カットインすることが大事です。タイムマネジメントにもつながります。

②心理的安全性の醸成

議論が建設的で、活発な空間にするためには「発言していいんだ」という空気をつくることも大切です。例えば自分より若手の発言に対して「〇〇さんのこういう意見、〇〇という観点が入ってて、すごく良いね!」と反応したり、上司の言葉が伝わりづらければ、かみ砕いたりします。

その際、参加者にも反応してもらうように促します。最近のZoomでは、反応ボタンも6種類に増えました。「理解した人はハートマーク!理解し切っていない人は泣きマーク!」など、ボタンを上手に使うことも一つの策です。
Zoomの場合は反応ボタン(右下)を使ってリアクションを示すことも一つの策だという小澤さん=knit提供
Zoomの場合は反応ボタン(右下)を使ってリアクションを示すことも一つの策だという小澤さん=knit提供
議論が盛り上がれば、お互いの意見が異なる場面も出てきます。「違うな」と思うことはもちろんあると思いますが、ファシリテーターが全体の前で否定をする際は注意が必要です。仕方によっては発言した人にとって、その場が心理的安全性の無い空間になり、「これ以上は発言するのをやめとこ」となってしまいます。

否定をするのではなく、いったん受け止めてみましょう。発言してくれたことに感謝し、良い部分を褒め、違う部分は誰かに意見を求める。そうやって、場をモチベートしていくことをオススメします。

③ITリテラシー

ITリテラシーは、WEB会議で困っていることを調査したランキングでも上位に入ってきます。例えば、会議中に話がプツプツ切れるのは、想像以上のストレスです。重要な会議などは特に、事前の接続確認などを行うことで、随分と違ってきます。

明るくもピリッとした空気を

社内会議の場合、オフラインだと参加者も「私は参加しています」という顔で臨んでいるかもしれませんが、オンラインだと顔出し無しにしていたら、表情が分からず、何を考えているのか検討もつきません。何なら、他の作業をしている可能性もあります。

結果的に、会議で1回も発言しないまま終了ということもオンラインの特性上、あり得ます。また、ホワイトボードや紙に書くといった行為ができないので、ITを駆使して進めないといけないものになります。

その場を充実させるためにも、空気は明るくも、ピリッという緊張感をつくる。参加者に発言の機会を与え、意見を集約する。そんなファシリテーションスキルが今後、ますます問われてくると思います。

小澤美佳 株式会社knit(ニット)広報。2008年に株式会社リクルート入社。中途採用領域の営業、営業マネージャーを経て、リクナビ副編集長として数多くの大学で、キャリア・就職支援の講演を実施。採用、評価、育成、組織風土醸成など幅広くHR業務に従事。2018年 中米ベリーズへ移住し、現地で観光業の会社を起業。2019年にニットに入社し、カスタマーサクセス→人事→営業を経て、現在、広報に従事する傍ら、オンラインでのセミナー講師やイベントのファシリテーターを実施。副業で嘉悦大学の大学講師。キャリアや就職などに関する授業を担当。Twitterアカウントは2万のフォロワーがいる。

Twitterアカウント:https://twitter.com/mica823
note:https://note.com/micakozawa

小澤美佳さん=knit提供
小澤美佳さん=knit提供
【小澤さんのnoteはこちらからも】
将来のビジネストレンド!新しい職種「オンラインファシリテーター」とは?

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