この資料はあくまでも子育て世代と祖父母世代の「子育ての常識」の「ギャップを埋める」ためのもの。祖父母世代には30年で子育ての常識、そして環境が大きく変わっているとした上で「できないこと、やりたくないことは断る勇気」「パパとママの子育て方針を聞いておく」「必要以上に手や口を出さない」などとアドバイス。祖父母世代が「よかれと思って」したことが、子育て世代にとっては上から目線として捉えられてしまう可能性を、やさしく説明しています。
子育て世代には、「子育て知識はその人が子育てをする中で育まれた価値観そのもの」「頭ごなしに『古い』『間違っている』と声高に伝えると、価値観を否定されたと感じてしまうかも」とアドバイス。その上で、「祖父母はいざというときの選択肢として」「子育ての違いは配偶者ではなく実子から伝える」などの現実的なポイントも紹介しています。そして、この資料が「『今はこんな感じだよ』とマイルドに(祖父母世代に)理解していただくきっかけになれば」と結びます。
「教えてドクター!」の中の人の一人である小児科医の坂本昌彦さんは、今回の資料を作成・公開した経緯を「きっかけは、佐久市から『祖父母向けの子育て資料』があるといいのではとご提案をいただき、子育て支援課を通じて依頼を受けたことです」と明かします。
「そこで私たちのチームで内容について相談しました。『子育て世代』『祖父母世代』のギャップがSNSで話題になるとき、少なからず、お互いに対して『今の子育てを分かってない!』『役に立ちたいと思っているのに!』というやりとりが目立ち、コミュニケーションエラーの存在を感じていました。
そこで、両者のコミュニケーションをマイルドにできればと。共通して参考にできる資料があれば、祖父母世代も今のやり方を抵抗感なく受け入れ、子育て世代もストレスなく子育てできるのでは、と考えました。表現はチームメンバーで細かく見直し、押しつけているような表現をマイルドに修正するなど推敲を重ねました」
また、今回の資料は「紙に印刷して祖父母世代に渡しやすいように、A4サイズのもの、
PDFデータも用意しました。プリンターのないご家庭はコンビニのマルチコピー機にあるネットワークプリント(ファミマとローソン)を通じて印刷可能です(登録番号はOSHIETEDOCTOR1)。ご家族で情報を共有しながら、マイルドに知識をアップデートしていただければと思います」としました。
・2021年1月31日13時58分に「教えてドクター佐久」アカウントが資料を修正し、再投稿したため、あわせて本記事を修正しました(2021年1月31日15時15分)。