MENU CLOSE

連載

#62 コミチ漫画コラボ

「世界の解像度が下がってしまった」満たされない気持ちマンガに

コロナ禍のオンラインコミュニケーションに、物足りなさを感じていました。

はるか180cmさんのマンガ「都内ワンルーム限界在宅サラリーマンの2020年」
はるか180cmさんのマンガ「都内ワンルーム限界在宅サラリーマンの2020年」

目次

世界の解像度が下がってしまったーー。マンガ投稿サービスを運営する「コミチ」とwithnewsがコラボし、「#わたしの2020年」をテーマに作品を募集した企画で、コロナ禍で増えたオンライン会話を振り返り、物足りなさを描いたはるか180cmさんの「都内ワンルーム限界在宅サラリーマンの2020年」が大賞に決まりました。

コロナ前より多くの人に会っていたけど

マンガは、作者・はるか180cmさんの実体験が描かれています。2020年4月、外出自粛を徹底し、オンライン通話を始めました。

大学時代の友人やドイツ在住の友人、出産したての友人、弟、全国各地の知り合い……。気付けば、「コロナ前よりむしろ多く人に"会った"」はるか180cmさん。数年ぶりに話す相手もいて、「今だからこそ繋がる関係性もあるんだなあ」と感じることもありました。

はるか180cmさんのマンガ「都内ワンルーム限界在宅サラリーマンの2020年」
はるか180cmさんのマンガ「都内ワンルーム限界在宅サラリーマンの2020年」

一方で、満たされていない自分にも気付きます。

「合わない視線」「人工的な声」「手のひらサイズのガサガサな姿」……。この様子を「世界の解像度が下がってしまった」と表現しました。

はるか180cmさんのマンガ「都内ワンルーム限界在宅サラリーマンの2020年」
はるか180cmさんのマンガ「都内ワンルーム限界在宅サラリーマンの2020年」

コロナ以前、飲み会など人と接する際には、「立体的なからだ」や「視線」、「空間や行動を共有する感覚」など「圧倒的情報量」がありました。

「そういうものを全身に刻んで、日々を生きていた」と感じ、対面コミュニケーションの大切さが身に染みるのでした。

はるか180cmさんのマンガ「都内ワンルーム限界在宅サラリーマンの2020年」
はるか180cmさんのマンガ「都内ワンルーム限界在宅サラリーマンの2020年」

オンラインで「アンバランスな疲れ」

「毎日誰かと電話したり、オンラインで話したり、会話の量はコロナ前に比べて増えていました。それでも、満たされずに不健康になっていたと思います」

はるか180cmさんはこう振り返ります。

ワンルームマンションに一人暮らし。勤務する広告会社は3月から在宅勤務で、なかなかストレス発散ができず「コロナうつ」状態でした。「外に出られない状況で、仕事だけが土足で家に入ってきていました」

オンラインで友人たちとつながるものの、圧倒的に足りない情報量。「空間を共にするときに感じられるオーラのようなものや、一緒にご飯を食べたり、出かけたりする身体感覚がごっそり抜け落ちて、粗い映像と音声だけで相手の情報を拾おうとするとアンバランスな疲れがあった」と話します。

「人によってはそっちの方が静かで快適という人もいると思いますが、私はそれでは足りないタイプでした」

はるか180cmさんのマンガ「都内ワンルーム限界在宅サラリーマンの2020年」
はるか180cmさんのマンガ「都内ワンルーム限界在宅サラリーマンの2020年」

「代わりに言語化してくれた」

今回のマンガは、6月に自身のTwitterに投稿し、3000近い「いいね」が付きました。特に注目された点は「世界の解像度が下がってしまった」と気付く場面です。「まさにこれだわ」、「代わりに言語化してくれた」と反響があったと言います。

「解像度が下がった」という気付きは、はるか180cmさんが一番伝えたかった部分でもあります。

「Twitterでは、オンラインで不健康になっている人が多かったように感じました。そういう人たちへ向けて、私はこう思ったんですけどどうですかと投げかけたかったのだと思います」

はるか180cmさんのマンガ「都内ワンルーム限界在宅サラリーマンの2020年」
はるか180cmさんのマンガ「都内ワンルーム限界在宅サラリーマンの2020年」

マンガのベースとなっているのは、iPhoneのメモ機能に残している日記です。幼いころから抱えきれない気持ちを文字にしていましたが、「今年は感情の揺れ動きがあったので、ひたすら日記を書いていました」。多いときは1万字ほど書きためていたと話します。

「例えば、オンラインだけではなんで満たされないんだろうとずっと考えていました。自分のうつうつとした状態を言葉にすることで、悩んでいる状況が緩和されます。言葉だけではイメージが追いつかないところもマンガだと表現できるので、日々考えていたことを描いて発散させました」

3ページ目の最後のコマで、スマホで話している相手にはあえてモザイクをかけました。

「4ページ目の1コマ目は前のコマとの対比を意識しました。背景をぼかして奥行きをもたせたり、できるだけ3Dに寄せようと思って影を付けたり、『がやがや』の音を入れたり」。温度感を伝えられる点もマンガ表現の魅力です。

Twitter上での反応を受け、はるか180cmさんは次のように話します。

「生身の人間との接点があまりになさ過ぎたので、オンラインでつながっていてもこんなに追い詰められているのは自分だけではないかと思っていました。マンガを描いて発信したことで同意してくれる人がいると知り、満たされた気持ちになりました」

はるか180cmさんのマンガ「都内ワンルーム限界在宅サラリーマンの2020年」
はるか180cmさんのマンガ「都内ワンルーム限界在宅サラリーマンの2020年」

2021年挑戦したいことは

心の疲れは9月以降、自己内省と友人との再会で回復していきました。久々に対面した際は「3Dだー!」と感動したそうです。

「人と会う価値が上がったのは2020年の後半のことで、人と会うことの貴さを骨の髄から感じられるようになりました」

自粛中は罪悪感があり控えていた趣味のバイクも、秋には再開させました。春から通信大学で学び始めた臨床心理学も救いになったと言います。2020年に感じたことは、引き続きマンガにしていきたいそうです。

2021年には挑戦したいことがあります。

「マンガをもっと発信をしていきたいですし、バイクは2台目をゲットしたのでオフロードを走ってワイルドな景色を見たい。大学は来年卒業です。臨床心理学がおもしろいので、もっと極めたいと思います」

はるか180cmさんのマンガ「都内ワンルーム限界在宅サラリーマンの2020年」
はるか180cmさんのマンガ「都内ワンルーム限界在宅サラリーマンの2020年」


 ◇ ◇ ◇

 

はるか180cmさんのTwitter:https://twitter.com/haruka180cm

バイク専用アカウント:https://twitter.com/haruka180cm_jp

インスタグラム:https://www.instagram.com/haruka180cm_jp/

note:https://note.com/haruka180cm

CLOSE

Q 取材リクエストする

取材にご協力頂ける場合はメールアドレスをご記入ください
編集部からご連絡させていただくことがございます