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連載

#64 #となりの外国人

「日本語ネイティブ」は禁句 ツイッター社で見つけた〝多様性〟

「日本で働くことはゼロから学び直すこと」

米TwitterのCEOジャック・ドーシー氏(右)と写るジェイソンさん(左)
米TwitterのCEOジャック・ドーシー氏(右)と写るジェイソンさん(左)

目次

様々な国や地域にルーツがあり、価値観を持つ人が、一緒の職場で働く機会が増えています。社員の約3割が外国籍というTwitter Japanでは、社内で「ダイバーシティー(多様性)」を学ぶ機会を作っています。参加した社員が強調したのが「日本で働くことはゼロから学び直すこと」。Twitter Japanの社内勉強会から、企業の成長にとっても避けて通れなくなっている「文化の違いの乗り越え方」を探ります。

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「当たり前」ではない

Twitterは世界の各社をつなぐグローバルな目標として「Inclusion&Diversity」を掲げています。多様な人たちの違いや思いを尊重し、受け入れるための目標を設け、各国の社員に行動を求めています。今回のイベントはそうした一環で企画されました。


「通常は、スピーカーは社外から呼ぶことが多いです。でもダイバーシティーなら社内にもうあるじゃないか、そう気づいてもらうために、今回は社員を講師にしたんです」

ダイバーシティーについて考える勉強会。社員に、自分のパートナーとのつきあい方、異国の家族との接し方などのエピソードを交え、「自分と違う文化の人とつきあう時に、価値観やものの考え方、伝え方がどう変わったか」を語ってもらいました。スピーカーが身近な人たちだったこともあり、結果的に、予想よりも多くの聴講者が集まり、好評でした。

企画の進行役を務めたのは、Twitter Japan採用チームのマネジャー、ジェイソン・コーマーさん(39)。ニュージーランド出身で、日本に暮らして約20年です。


Twitter Japanには、すでに「ダイバーシティー」のイメージがあります。社内にアイランドキッチンやゲームコーナーがあったり、多国籍の社員が社内でワインやスナックを交わしたり。

改めて、勉強会を開く必要があるのでしょうか。

ジェイソンさんは「確かに多様な人材がいます。でも、多様性は『当たり前』だと思っていては、本当の意味での多様性にはならないんです。互いに話し合うことで理解でき、深めていくものだからです」と話します。

オンラインでインタビューに応じるジェイソンさん
オンラインでインタビューに応じるジェイソンさん

「あなた個人だよね」

国際結婚経験者からのメッセージとは何だったのか。ジェイソンさんは「『外国人はこうだよね』、『日本人はこうだよね』というステレオタイプは、誤解や勘違いを生む。大切なのは『あなた個人だよね』と思うことだと、共通して言っていて、印象的でした」と答えました。そのメッセージは、ジェイソンさん自身の経験にもつながるものがありました。


高2のとき、交換留学で1年間、栃木県宇都宮市のホストファミリーと暮らしたことがきっかけで、日本が好きになったというジェイソンさん。

ニュージーランドで大学を卒業し、日本で英会話教師として働き始めました。

次に転職した日本の企業は、バイク便の会社でした。採用されたのは営業職。「インパクトのある営業」として採用されたと言います。


営業で使うのはもちろん日本語。堪能な日本語でアポを取り、いざ相手先に営業に向かうと、驚かれることが多かったといいます。「この顔ですもんね」と”慣れた”感じで笑いました。


人材紹介の企業や、大手外資系企業を渡り歩き、今年1月に入社したTwitter Japan。営業職でも、採用の応募資格には「ネイティブジャパニーズ」とは書いていません。ネイティブと書けば「日本生まれ」、言語で言えば「母国語として日本語を使う」という意味にとられます。「nativeと書けば差別になります。nativeじゃなくても、fluent Japanese(円滑に日本語が話せる)なら営業はできますから」

米TwitterのCEOジャック・ドーシー氏(右)と写るジェイソンさん(左)
米TwitterのCEOジャック・ドーシー氏(右)と写るジェイソンさん(左)

「面倒くさそう」でも

日本の企業で、様々な異文化を乗り越え、働いてきたジェイソンさんに、日本で働くコツを聞きました。

「日本の会社で働くというのは、私にとっては、生まれてきた文化を忘れ、ゼロから学び直すことでした」

日本で働く上でモットーにしているのは「go slow to go fast」という言葉だそうです。海外ではスピード勝負。でも、日本ではいろんな人を巻き込んで、時間をかけて説明をしてみんなに納得をしてもらわなければいけない。一見面倒くさそうに見えますが、「時間をかけて説得して仲間と進めば、事がより早く動く。地盤を作っておけば、さらにすばらしいものが作れる」こと。日本のやり方の良さも見い出しながら、組織に合わせたやり方を学んできました。

「違う家族と暮らすということ」

相手にあわせて変化することは、容易なことではありません。


ジェイソンさんはホームステイに例えて、「違う家族と暮らすには、変わる必要がありますよね。それと同じです。大きな変化を求められるのは家族に入ってくる人、でも受け入れる側の家族も変わっていくんです。7対3ぐらいじゃないでしょうか。互いに柔軟であることが大切だと思います」


ジェイソンさんにとって、変わることというのは、「当たり前だと思っていたことを違う方向から見ること」。だからこそ、企業も、社会も、結婚生活も、ジェイソンさんは対話によってうまくいくと感じています。


「ネットだって、話し合いの場の一つ。意見が合わないこともある。それでいい。話し合うことによって、会話が深くなっていくのはいいことです。リスペクトをもってやっていけば、きっと社会は良くなる」

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