連載
#16 屋台ヤケミルク
思い出して「胎児ネーム」の頃を…育児の悩み吹き飛ばす瞬間を漫画に
名前を考える時間も楽しいですよね。
世の中のママパパ、きょうも育児お疲れ様です。ミルクを飲んでくれない、なんで泣いているか分からないなんて悩んだり困ったりしませんでしたか? でも、赤ちゃんが生まれる前のことを思い出すと、少し気持ちがほっこりするかもしれません。本日は、おなかの赤ちゃんに付けていた「胎児ネーム」のお話。漫画「屋台ヤケミルク」、開店です。(漫画・コラム/はみだしみゆき)
赤ちゃんを授かると、「胎児ネーム」を付ける方も多いみたいですね。「ちびちゃん」とか「ベビちゃん」といったニックネームでおなかの中の赤ちゃんを呼んでいる方を見かけたこともあります。
私の姉も妊娠しているとき、おなかの子を「ぽんちゃん」と呼んでかわいがっていました。
おそらく、おなかを優しく「ぽんぽん」とたたくときのオノマトペから「ぽんぽんちゃん」となり、自然と「ぽんちゃん」と呼ぶようになったのだと思います。
私も姉と同じくおなかを「ぽんぽん」とさすりながら、「ぽんちゃん、ぽんちゃん」と呼びかけていました。
妊娠初期は「本当におなかに赤ちゃんがいるの?」という、実感のわいていない状態だったので、存在を確認するような、「おなかに赤ちゃんがいる」と自分に言い聞かせるような気持ちで呼びかけていたかもしれません。
妊娠後期になるとおなかも大きくなって、胎動も感じられるようになり、一人の赤ちゃんとお話しするような感覚で「ぽんちゃん」と呼んでいました。
週数に比べて体が小さかったので、心配しながらおなかをさすり、
「ぽんちゃん、大きくなろうね」
「ぽんちゃん、今日も元気かな?」
「ぽんちゃん、お昼ご飯は届いたかな?」
と話しかけていました。
(夫はあまり胎児ネームで呼んでいませんでした。その代わりにおなかの近くで歌をいっぱい歌っていました笑)
生まれてくるまで約40週、ずっとおなかの中で大事に育てていく赤ちゃん。話しかけるときに、自然と呼び名が決まっていることもあるかもしれません。生まれてからも同じ名前で呼んでいる方もいるのではないでしょうか。
赤ちゃんの名前を考えるのは妊婦時代の楽しみの一つでした。
性別が分からないときから「あーでもないこーでもない」と、夫とワイワイ楽しく名前を出し合い、男の子だと分かってからはより具体的にあんな名前、こんな名前、と考えました。
人が寄りかかれる、しっかりと根を張った大樹から「樹」という漢字を使いたいとか、「実るほど頭(こうべ)を垂れる稲穂かな」という言葉から「穂」や「実」を使いたいとか、いろいろな漢字の候補、名前の候補を考え、名字との画数の相性なども調べました。
この漢字もいいよね!あの漢字も成り立ちが素敵!なんて話が膨らむうちに、名前の候補がすごい量に。笑
アイディアが広がっていってしまうので、最終的に候補を三つくらいに絞り、生まれてきた息子の顔を見て決めようとなりました。
生まれてきた息子の顔を見て、夫も私も候補の中から一つの名前に決めることができました。夫と顔を見合わせてうなずきあったのを覚えています。
今でもとても良い名前を付けてあげることができたと満足しています。将来、息子が自分の名前を気に入ってくれたらいいな。
「こういう想いで、こんな意味を込めて、名前を決めたんだよ」と教えてあげたいと思います。
はみだしみゆき
漫画家。普段はプロモーション会社の制作チーム勤務。2019年5月に息子を出産してママデビュー。子育てにあわわあわわと奮闘中。息子が5、6カ月になった頃から、Twitterへのイラスト・漫画投稿をしている。Twitterアカウントは@HamidashiMiyuki。Instagramアカウントは @hamidashimiyuki。
1/223枚