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それなら「こたつごと着てしまえばいい」メーカーの真面目な結論
「言われてみればないよね」
寒い季節、いっそのこと、こたつを着ることができたら――。そんな「人類の夢」をかなえた部屋着がツイッター上で注目を集めています。手がけたファッション通販会社に話を聞きました。
「こたつごと着てしまえばいいんですよ」という文章とともに投稿した写真には、茶色のこたつ布団と「一体化」して横たわる人の姿。
2枚目の写真を見ると、こたつ布団そのものに、首を出す穴と、そで、頭にかぶるフードがついているようです。
こたつごと着てしまえばいいんですよ。https://t.co/gjzyTXhmEH pic.twitter.com/Zt0NzdPEL4
— ファッション通販のニッセン (@nissen) October 23, 2020
これは何なのか?
連投されたツイートには「着られるこたつ布団(ルームウェア)」との説明があります。
さらに「立ち上がる際に引っかからないようご留意くださいね」「こたつとまんべんなく一体化できますが、時には勇気を出して脱いでくださいね」「水分補給などしっかりして、快適なこたつむりライフを楽しんでくださいね」と呼びかけています。
このツイートは、5000回以上リツイートされ、「あったか天国の中で一生動けない」「人をダメにする」「そんなに人を堕落させたいのか!」とのコメントがつきました。
さらに、3日後の26日に、こたつ机がない状態で、着たときの写真が公開されると、まるで魔女のようなシルエットに、「プロメシュームごっこができそう」と「銀河鉄道999」のメーテルの母を思い出す人、「暖かそうなディメンターですね」とハリーポッターに出てくる吸魂鬼を連想する人と、大喜利状態になりました。
ちなみにこちら、こたつ布団ではなくルームウェアとして着用しますと、「ホホホ…わたしはこたつという名の悪夢」とか名乗りそうな存在になれます。 pic.twitter.com/QTVkqy2I5D
— ファッション通販のニッセン (@nissen) October 26, 2020
ギャグのような商品ですが、ニッセンに問い合わせると、広報の浪花勝史さんは「至ってまじめに、普通の企画会議で作られました」と説明しました。
開発したのは下着を扱う「インナー」チーム。コロナ禍で外出が減る中、好調に伸びていた部屋着で、秋冬の新作を考えていた企画会議でのことでした。
「寒いといったら、こたつ」
「こたつって背中が寒いよね」
そんな会話から生まれたのが、「着れるこたつ」だったそうです。まさかの部屋着からの発想でした。
誰も止めなかったのでしょうか?
浪花さんは「『言われてみればないよね』って感じで、誰も止めませんでしたね」。
インナーチームは、女性中心で編成されています。これまでも、店頭には並ばない幅広いサイズの下着、トランスジェンダーの人をターゲットにした下着、乳房を手術した後の人向けの下着など、「あったらいいのに」と思う商品を世に送り出してきました。
社内外でこつこつと築いた信頼と、業績の安定が、また、これまでにない、ユニークな商品を生み出す後押しになったようです。
社内向けの展示会でも、好評でした。
さきほど『着られるこたつ』を着て、社内で自堕落をきわめてまいりました。会議室の天井を見つめながら、「わたし…会社でこたつに入ってこんなことしてる…ヘヘ…」という何ともいえない気持ちを抱くことができました。
— ファッション通販のニッセン (@nissen) October 26, 2020
というわけで本日これにて失礼します。ありがとうございました!(メリッサ) pic.twitter.com/uc2DH4YuW4
一度着てしまうと、「トイレに行くとき大変そう」など、ネット上でも突っ込みはある一方で、「黒がほしい!」と色違いを望む声や、複数人でも着られるものなど、新たな要望も寄せられています。
ウェブ限定販売なので、売れ行きを見ながら、続編も検討するとのこと。
「あったらいいな、という視点で、これからもお客様に『夢がかなった』と喜んでいただけるような、今までにない商品をお届けしていきたいと思います」
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