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お金と仕事

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30歳独身、コロナで「無職」になった私「2020年ツラくない?」

目次

30歳独身、無職。本屋さんになる。
新型コロナウイルスが私たちの生活に大きな影響を与えた2020年。起業と会社員のパラレルキャリアを歩んでいた森本萌乃さん(30)は、人生初の「無職」を経験しました。「2020年、思ったよりツラくない?」とぶっちゃけながらも、書店主になる夢に向け、現在はオンライン書店のオープンを目指し全力疾走中です。コロナ後に起こったこと、考えたこと、行動に移したこと……。現在進行形の森本さんの今をつづったコラム「30歳独身、無職。本屋さんになる。」を始めます。

突然訪れた解雇

「森本さん、ちょっとお時間ありますか?」

緊急事態宣言が出るか出ないかのタイミングで会社の上司から飛んできたのは、予定にない突然のオンラインミーティングの招待でした。

これは……!と思いました。

ビデオをオンにすると、既にカメラ越しで泣いている上司。もう2年以上もずっと一緒に仕事をしているので、よっぽど鈍感じゃない限りこの時点で誰もが勘付くと思います。

(あ、私これ、今から良くない感じの話だな。)

自分の会社と一般企業の会社員。元々2つを掛け持ちするために、契約社員という形態で雇用して頂いていた私。

自分と会社の保身のために柔らかく言えば契約終了なのですが、クビはクビ。

この15分のミーティングで、私の失業が決定しました。

新型コロナの影響による解雇や雇い止め(見込みを含む)の人数は9月23日時点で6万人を超え、6万439人になりました(写真は4月下旬の東京・渋谷のハローワークの窓口です)
新型コロナの影響による解雇や雇い止め(見込みを含む)の人数は9月23日時点で6万人を超え、6万439人になりました(写真は4月下旬の東京・渋谷のハローワークの窓口です) 出典: 朝日新聞社

2020年、思ったよりツラくない?

今だからこそ笑って振り返れるようになりましたが、働き盛りの社会人8年目、失業って想像したことありますか? まさに寝耳に水、青天の霹靂でした。

でもこういうことが今、日本中で、世界中で、たくさん起こっているんですよね。

生まれて初めて訪れたハローワークは、私と同世代の人たちで大混雑でしたし、街の一等地の「for rent」の文字は日に日に増えているように感じます。今のところは大きな変化がない人たちもまた、この見通しのつかない現状にそれぞれのツラさを感じているのかなあとも思ったり……。
確か桜が咲いていた頃は、みんなでステイホーム頑張ろうって声を掛け合い、初めてのオンラインミーティングにちょっとうきうきして、いつかは終わるだろうっていうポジティブな希望がもう少しあったと思うんです。
 
紫陽花の季節になると、ニューノーマルという単語がよく出てくるようになり、よっしゃー新しい生活様式、せっかくなら色々模索してやるぞーっていうまだなんとなくの期待感もありました。
 
それがいつのまにか、ひまわりともお別れ。
 
あれ、こんなにツラいっけ?
 
自分で自分の機嫌を取り、自分自身で前向きな気持ちを保ち続けることって、こんなに難しいんですね。2020年、思ったよりツラくない?
小池百合子都知事が「重大局面」と訴えたのは3月下旬のこと。もうすぐ半年が経ちます
小池百合子都知事が「重大局面」と訴えたのは3月下旬のこと。もうすぐ半年が経ちます 出典: 朝日新聞社

改めまして、この文章を読んで下さっている方初めまして。

森本萌乃と申します。

見出しの通り、30歳・独身・無職ですが、私はなんとか元気です。

2020年は、一人一人の生活に予想外の変化をもたらす忘れられない1年となりそうです。

その中で私は、自分が経験した失業、そして事業立ち上げという目線から、今取り組んでいる年内オープン予定のオンライン書店の開業準備についてここに書いていきたいと思います。

一人きりの開店準備は時々とても心細いので、読んで頂いた誰かに気に留めてもらえたらとっても嬉しいです。

インタビューで、「最近のお写真をください」と言われたのですが全くないことに気づき、オンラインMTG後急いで自撮り。カメラロールに思い出の写真が増えないのが2020年=森本さん提供
インタビューで、「最近のお写真をください」と言われたのですが全くないことに気づき、オンラインMTG後急いで自撮り。カメラロールに思い出の写真が増えないのが2020年=森本さん提供

ツラいを越えるとちょっとだけ面白くなる

少し前に、会社の元同僚たちがささやかな送別会を開いてくれて、直接顔を会わせるのは実に4ヶ月ぶりでした。リモートワーク中の静かな退社から一転、いつも通り嬉しくて楽しくて、でもみんなで少し泣いてしんみりして。そこでやっと送り出してもらえた気持ちがしました。

現在私は、昨年パラレルキャリアで起業したMISSION ROMANTICという自分の会社に一本化し、オンライン書店のオープン準備を進めています。「起業家」と言えど収入は0なので、自分のことを今は無職と名乗っています。

30歳・独身・無職

こんなパワーワードは欲しくてももらえる称号じゃないので、焦りやツラさを通り越して、最近ではこの予想外の事態に久々、「人生の醍醐味」を味わっている感覚があります。

そして、30歳・独身・無職でも、起業さえしていればいっちょまえに名乗れる、起業家。

肩書きのからくりにはほとほと呆れつつ、この空虚な三文字に少しだけ救われもしている、かっこ悪い人間です。

前置きが長くなりましたが、これから書くこと

今年は私と同じように、しっとりこっそり誰からも見送られず仕事を失った人に限らず、卒業や入学などの新しいスタートのタイミングをビデオ電話の前で一人きりで体験した人や、今年に向けて頑張ってきた成果を出し切れず消耗している人が、たくさんいるはずです。

そんな時、同じ様にツラい人を見ると、ちょっと元気になったり、ラクになったりする心理ってないですか。

私はあります。

いま私は、きっと誰かよりツラいし、誰かよりはツラくない。自分よりツラい誰かを思いやって黙ることが正義だと思っていたけれど、ツラさの大小を比べる意味なんてないんじゃないかと、個人的には最近思っています。全員がそれぞれのツラさを抱えている2020年。私のこのツラさを自分の中で消化してしまう前に、今のままで誰かに話してみたいと思いました。

書店主になることは、ここ数年で自分の心の中に芽生えた夢です。そして2020年、突然与えられたこの膨大なおうち時間、1人暮らしの心細さを読書が埋めてくれたことで、その思いはますます募っていきました。

本当にオープンできるのか、絶賛現在進行形なので自分が一番不安ですが、一生懸命頑張ります。

今ツラさを越えて何かを頑張っている人、きっとほとんどの人がそうですよね。

今年、ツラいツラいと言いながらも前に歩みを止めない方を私はとても美しいと感じるので、自分自身もそうあれればと思っています。

2話「コロナ禍の最終出社、失業保険は出なかった」は10月14日配信予定です。
 

新型コロナウイルスの影響で人生初の「無職」を経験した森本萌乃さん(30)。現在は書店主になることを目指し、オンライン書店のオープンに向けて全力疾走中です。失業からこれまでの日々をつづります。

森本萌乃 1990年東京生まれ。株式会社MISSION ROMANTIC代表。
2013年に新卒で広告代理店に入社後、外資とスタートアップへの二度の転職を経験、スタートアップ企業在籍中に自身の会社である株式会社MISSION ROMANTICを2019年創業。パラレルキャリアで起業と会社員を並行し、2020年より自分の事業へ一本化。2020年中に自身の新サービスであるオンライン書店のオープンを目指す。

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