突然訪れた解雇
緊急事態宣言が出るか出ないかのタイミングで会社の上司から飛んできたのは、予定にない突然のオンラインミーティングの招待でした。
これは……!と思いました。
ビデオをオンにすると、既にカメラ越しで泣いている上司。もう2年以上もずっと一緒に仕事をしているので、よっぽど鈍感じゃない限りこの時点で誰もが勘付くと思います。
(あ、私これ、今から良くない感じの話だな。)
自分の会社と一般企業の会社員。元々2つを掛け持ちするために、契約社員という形態で雇用して頂いていた私。
自分と会社の保身のために柔らかく言えば契約終了なのですが、クビはクビ。
この15分のミーティングで、私の失業が決定しました。

2020年、思ったよりツラくない?
でもこういうことが今、日本中で、世界中で、たくさん起こっているんですよね。
生まれて初めて訪れたハローワークは、私と同世代の人たちで大混雑でしたし、街の一等地の「for rent」の文字は日に日に増えているように感じます。今のところは大きな変化がない人たちもまた、この見通しのつかない現状にそれぞれのツラさを感じているのかなあとも思ったり……。
紫陽花の季節になると、ニューノーマルという単語がよく出てくるようになり、よっしゃー新しい生活様式、せっかくなら色々模索してやるぞーっていうまだなんとなくの期待感もありました。
それがいつのまにか、ひまわりともお別れ。
あれ、こんなにツラいっけ?
自分で自分の機嫌を取り、自分自身で前向きな気持ちを保ち続けることって、こんなに難しいんですね。2020年、思ったよりツラくない?

改めまして、この文章を読んで下さっている方初めまして。
森本萌乃と申します。
見出しの通り、30歳・独身・無職ですが、私はなんとか元気です。
2020年は、一人一人の生活に予想外の変化をもたらす忘れられない1年となりそうです。
その中で私は、自分が経験した失業、そして事業立ち上げという目線から、今取り組んでいる年内オープン予定のオンライン書店の開業準備についてここに書いていきたいと思います。
一人きりの開店準備は時々とても心細いので、読んで頂いた誰かに気に留めてもらえたらとっても嬉しいです。

ツラいを越えるとちょっとだけ面白くなる
現在私は、昨年パラレルキャリアで起業したMISSION ROMANTICという自分の会社に一本化し、オンライン書店のオープン準備を進めています。「起業家」と言えど収入は0なので、自分のことを今は無職と名乗っています。
30歳・独身・無職。
こんなパワーワードは欲しくてももらえる称号じゃないので、焦りやツラさを通り越して、最近ではこの予想外の事態に久々、「人生の醍醐味」を味わっている感覚があります。
そして、30歳・独身・無職でも、起業さえしていればいっちょまえに名乗れる、起業家。
肩書きのからくりにはほとほと呆れつつ、この空虚な三文字に少しだけ救われもしている、かっこ悪い人間です。

前置きが長くなりましたが、これから書くこと
そんな時、同じ様にツラい人を見ると、ちょっと元気になったり、ラクになったりする心理ってないですか。
私はあります。
いま私は、きっと誰かよりツラいし、誰かよりはツラくない。自分よりツラい誰かを思いやって黙ることが正義だと思っていたけれど、ツラさの大小を比べる意味なんてないんじゃないかと、個人的には最近思っています。全員がそれぞれのツラさを抱えている2020年。私のこのツラさを自分の中で消化してしまう前に、今のままで誰かに話してみたいと思いました。
書店主になることは、ここ数年で自分の心の中に芽生えた夢です。そして2020年、突然与えられたこの膨大なおうち時間、1人暮らしの心細さを読書が埋めてくれたことで、その思いはますます募っていきました。
本当にオープンできるのか、絶賛現在進行形なので自分が一番不安ですが、一生懸命頑張ります。
今ツラさを越えて何かを頑張っている人、きっとほとんどの人がそうですよね。
今年、ツラいツラいと言いながらも前に歩みを止めない方を私はとても美しいと感じるので、自分自身もそうあれればと思っています。
森本萌乃 1990年東京生まれ。株式会社MISSION ROMANTIC代表。
2013年に新卒で広告代理店に入社後、外資とスタートアップへの二度の転職を経験、スタートアップ企業在籍中に自身の会社である株式会社MISSION ROMANTICを2019年創業。パラレルキャリアで起業と会社員を並行し、2020年より自分の事業へ一本化。2020年中に自身の新サービスであるオンライン書店のオープンを目指す。